『洒落本大成 第八巻 』(中央公論社)より「女鬼産」(おきみやげ) 作者 無気しつちう〔作〕、北川豊章(〔一世〕喜多川歌麿)〔画〕 江戸中期
夕刻、夫の部屋でくつろぎ何気に本棚を眺めていた時のこと。『洒落本大成 』のあれこれを引き抜いてはパラパラと眺めていた。
『洒落本大成 第八巻 』を手に取った時のこと、「女鬼産」(おきみやげ)というタイトルに惹かれ、自分の部屋に持ち込み音読にて読了。
めまぐるしく好きなわかや芝居が出てきて、途中高笑いしながら芝居長に読み上げていた。
おもしろ/\とむかうはちまき大はだぬぎでひょうばん/\/\
閻魔様とて…
中級の茶屋が出てきたり、茶屋の女が出てきたり、白拍子を舞ったり
歌舞伎で思い浮かぶ演目は多い。
しばらく、しばらくしばらくしばらく、しばらく〜
歌舞伎十八番の内の『暫』かと思っていたら、市川團十郎は出てくるわ、隈取りや睨みや当成田不動尊まで出てくる。
『女鬼産』には他におそらくかな手本の定九郎の場などや他の歌舞伎も出てくる。
白拍子の舞や私には馴染みのない舞など記されているので、知らない芸能についても押さえておきたい。
有名すぎる段の『伊勢物語』は出てくるわ、和歌は引用されているわ、中国の故事、あるいは閻魔ベースの地獄六道と次々と興味深い内容が記されている。
足取り早くめまぐるしく出てくる場面場面に、まるで高速で舞台を眺めているような洒落本の『女鬼産』に興味を持った。
おそらく『女鬼産』は、江戸の人々に、雑誌のように飛ばし読みをされて楽しまれていたのではないかと思える内容である。
話本『女鬼産』を探すと、東京大学附属図書館 『地ごく女鬼産』と 大阪大学の文学部 『女鬼産』があるようだ。
そして、大阪大学文学部は全頁を公開してくださっている。
『女鬼産』 大阪大学国文学研究資料館
その旨話すと家族は とある形で協力してくれた。