乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』27 「われハかり 物あらふ人ハ又もあらし  とおもへハ水の したにもありけり」十五丁裏

2020-06-22 | 在原業平、そして、伊勢物語 と、仮名草子 仁勢物語

 

 

 富田高至 編者

 

 

恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』27  十六丁表

 

和泉書院影印業刊 65(第四期) 1998年

 

 

十六丁表

◯をかし男、女のもとに一夜いきて、又もいかすなる

けれは、女の物あらふ所に抜きうちやりて、

盥(タライ)に物の見えけるを自ら、

  われハかり 物あらふ人ハ又もあらし

  とおもへハ水の したにもありけり

とよむをかのこさりける男のそきて

  水底に 物や見ゆらん馬さへも

  豆盥(まめたらい)をば のそきてぞ鳴く

 

十六丁表

◯おかし男、女の元に一夜行きて、又も行かすなる

ければ、女の物洗う所に抜き、打ちやりて、

盥(タライ)に物の見えけるを自ら、

  我計り 物洗う人ハ又もあらじ

  と思えば水の 下にも有りけり

と詠むを鹿の子去りける 男覗きて

  水底に 物や見ゆらん馬さへも

  豆盥(まめたらい)をば 覗きてぞ鳴く

 

 

盥(タライ)に物の見え は ムニュムニュ (ま! ^^ 赤面)

又もあらじの又は、掛詞

、、、、と詠むを鹿の子去りける (盥の底を)男は覗きて

  水底に 物や見ゆらん馬さへも

  豆盥(まめたらい)をば 覗きてぞ鳴く

 

 

『仁勢物語』和泉書院影印業刊     

  われハかり 物あらふ人ハ又もあらし

  とおもへハ水の したにもありけり

『伊勢物語』岩波古典文学大系9 「竹取物語 伊勢物語 大和物語」より写す

  我許(わればかり) 物思う物おも(ふ)人は又もあらじ 

  と思えば水の 下にも有りけり

 

『仁勢物語』和泉書院影印業刊     

  水底に 物や見ゆらん馬さへも

  豆盥(まめたらい)をば のそきてぞ鳴く

『伊勢物語』岩波古典文学大系9 「竹取物語 伊勢物語 大和物語」より写す

  水口に 我や見ゆらんかはづさへ

  水の下にて 諸声似なく

 

  

 

 

 

 

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恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』26  「おもほえす 額に浪のわハくかな もろこし舟の よりしはかりに」 十五丁裏

2020-06-22 | 在原業平、そして、伊勢物語 と、仮名草子 仁勢物語

 

 

 富田高至 編者

 

 

恩頼堂文庫旧蔵本 『仁勢物語』26  「おもほえす 額に浪のわハくかな もろこし舟の よりしはかりに

十五丁裏

 

和泉書院影印業刊 65(第四期) 1998年

 

 

十五丁裏

◯をかし男、五十あまり也ける女を、まうけゝる事

と、わひける人の返しに

  おもほえす 額に浪のわハくかな

  もろこし舟の よりしはかりに

 

 

十五丁裏

◯おかし男、五十余り也ける女を、もうけける事

と、詫びける人の返しに

  思おえず 額に浪(波)の騒ぐかな

  もろこし舟の 寄りしばかりに

 

 

額に浪(波) 

  額にシワがよるたとえ

 

 

『仁勢物語』和泉書院影印業刊     

  おもほえす 額に浪のわハくかな

  もろこし舟の よりしはかりに

『伊勢物語』岩波古典文学大系9 「竹取物語 伊勢物語 大和物語」より写す

  思ほえず 袖にみなとのさわぐ哉

  もろこし舟の 寄りし計(はかり)に

 

 

 

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