乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

仮名手本胸之鏡 上 3  一丁裏 二丁表

2020年07月15日 | 山東京傳

仮名手本胸之鏡 上 3  一丁裏 二丁表

早稲田大学所蔵

https://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/he13/he13_01505/

仮名手本胸之鏡 上

山東京伝 作

歌川豊国 画

早稲田大学デジタル図書

通油町(江戸)  [蔦屋重三郎]

寛政11 [1799]

黄表紙

仮名手本胸之鏡 上 3  一丁裏 二丁表

 

人のざい、一につゝ

しむべきハしきよく

なり、むかし

よりこのた

めに、いへを

やぶり、みを

ほろぼせし

人、うそへつく す

べからすこと、たとへバ

おんなのゑくぼのうち

より

まよひ

のくも

といふわる、きくも

あらわれいでゝ

おとこの

心の名月(めいけつ)

をおほひ

かくす

しるとき

ハ、おとこの

そめし人

 

やみとなり、たちまち

ぼんのうのいぬ、わがむねより

とびいでゝ、わがみをくらふ、

これをこひのやみといふる也

 

 

   おかめ八目といゝて、おかめから

   みることきハ、八ツの目(め)ありて、これ

   をあしきことゝ、名人ごと、わがみに

   なりてハ、もろともに、恋の

   やみにまよふなり、つゝしむ

       べし

 

 

       名月(座る男の画)

                (立って男を見る女の画)

    

 

   ほんのうのいぬほたる

   「はなにあそばゞ

    ぎをんあたりの

二丁裏

     いろぞろへ

      わん/\の

       わん、とさ (犬がなく画)

 

二丁裏  (丸枠に立つ女に文を渡す男と、覗く男の画)

 

     しきよくのかがみ

     色欲の鏡

女色(じやじやく)のために、人を

そこなひ、そのみを

ほろびし、いへとかし

のうことハかゞみに

うつる、きやうげん、ゑの

ごとし

仮名手本胸之鏡 上 3  一丁裏 二丁表

 

人の財、一に慎む

べしは しき 良く

也、昔

よりこのた為

に、家を

破り、身を

滅ぼせし

人、嘘へつく す

べからす事、例えば

女の笑窪(えくぼ)の内

より

迷い

退くも

と言うわる、聞くも

あらわで出(いで)て

男の

心の名月

を覆い

隠す、

知る時

は、男の

染めし人

 

闇と成り、たちまち

煩悩の犬、我が胸より

飛び出でて、我が身を喰らう、

これを恋の闇と云うる也

 

 

   岡目八目と云いて、岡目から

   見る如きは、八ツの目有りて、これ

   を悪しき事と、名人ごと、我が身に

   成りては、もろともに、恋の

   闇に迷うなり、慎む

       べし

 

 

       名月(座る男の画)

                (立って男を見る女の画)

    

 

   煩悩の犬蛍

   「花に遊ばば

    祇園辺りの

二丁裏

     色添え

      わん/\の

       わん、とさ (犬がなく画)

 

二丁裏  (丸枠に立つ女に文を渡す男と、覗く男の画)

 

     しきよくのかがみ

     色欲の鏡

女色(じやじやく)の為に、人を

損なひ、その身を

滅ぼし、いへとかし

のう事は、鏡に

写る、狂言、絵の

如し

 

 

 

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仮名手本胸之鏡 上 2  一丁表

2020年07月15日 | 山東京傳

仮名手本胸之鏡 上 2  一丁表

早稲田大学所蔵

https://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/he13/he13_01505/

仮名手本胸之鏡 上

山東京伝 作

歌川豊国 画

早稲田大学デジタル図書

通油町(江戸)  [蔦屋重三郎]

寛政11 [1799]

黄表紙

かゞみ  の  むね  ほん  て  な か  ←

鏡之胸本手名仮

 

しはゐのきやうげんハ

くわんぜんてう こへを

もとゝし、ものゝわきまへ

なきわらんべにも

仁義(じんぎ)五常(ごじやう)のあら

ましをしたため

且(かつ)古人(こじん)の姓名(せいめい)を

おぼへ、いにしへの

治乱(ちこん)をしるハ益(ゑき)

あれども、そ

やうあしけ

れバ、みだれがハ

し、きこゝろざしを

おこし、害(がい)もまた

すくなからず、

このさうしハ

きやうげんをかゞみのおもてとし、これを

ゑにうつし、おもてうらあわせて

てのほんいうをしらしむ、かくのごと

く、こゝろをつけてみるときハ、きやう

げんといへども、大小ゑきあるべし、

雲-顧(ノ)君-子 須(下 り)

認(テ 二)-印信(ヲ 一)為(す 上レ)真(ト)

雲顧ノ君子ハ須ベカラズ

印信ノ真ト為スヲ認ムベし

    醒世(世浪浪人(せいぜい老人京傳子)

        寛政十一年に未び早春  印

 

 

かなてほんむねのかゞみ

仮名手本胸之鏡

芝居の狂言は

勧進帳、声を

元とし、物わきまえ

無き童(わらんべ)にも

仁義(じんぎ)五常(ごじやう)のあら

ましを認(したた)め

且つ古人の姓名を

覚え、古(いにしへ)の

治乱(ぢこん)を知るは益

有れども、素

養悪しけ

れば、乱れ交わ

し、き志を

起こし、害も又

少ななからず、

この草子は

狂言を鏡の表とし、これを

絵に写し、表裏合わせて

手の本云うを知らしむ、如此(かくのごと)

く、心を付けて見るときは、狂

言と雖も、大小益有るべし、

雲顧ノ君子ハ須ベカラズ

印信ノ真ト為スヲ認ムベし

    醒世(世浪浪人(せいぜい老人京傳子)

        寛政十一年に未び早春  印

 

 

 

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仮名手本胸之鏡 上 1 表紙 仮名手本胸之鏡 通油町 蔦十版 巳未春

2020年07月15日 | 山東京傳

 

表紙 仮名手本胸之鏡 通油町 蔦十版 巳未春

早稲田大学所蔵

https://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/he13/he13_01505/

 

 

 

仮名手本胸之鏡 上

山東京伝 作

歌川豊国 画

早稲田大学デジタル図書

通油町(江戸)  [蔦屋重三郎]

寛政11 [1799]

黄表紙

 

 

山東京伝

(1761~1816) 江戸後期の戯作者・浮世絵師。本名、岩瀬醒さむる。通称、伝蔵。江戸の人。浮世絵を北尾重政に学ぶ。黄表紙・洒落本作者として著名。江戸読本創出者としても知られる。晩年は考証随筆に傾注。著「江戸生艶気樺焼えどうまれうわきのかばやき」「通言総籬つうげんそうまがき」「骨董集」など。

 

歌川豊国

 初代 歌川豊国(しょだい うたがわ とよくに、明和6年〈1769〉 - 文政8年1月7日〈1825〉)とは、江戸時代の浮世絵師。本名は倉橋 熊吉(くらはし くまきち)、後に熊右衛門。一陽塞(いちようさい)と号す。

 

蔦屋 重三郎

 江戸時代の版元である。山東京伝らの黄表紙、洒落本、喜多川歌麿や写楽の浮世絵などの出版で知られる。「蔦重」ともいわれる。狂歌名を蔦唐丸(つたのからまる)と号し、歌麿とともに吉原連に属した。

 

黄表紙

 草双紙くさぞうしの一。江戸後期、黒本・青本に次いで安永(1772~1781)頃から文化年間(1804~1818)の初期まで江戸で流行した黄色い表紙の絵本の称。1775年刊の恋川春町作「金々先生栄花夢」以降のものをいう。一冊五丁、普通、三冊からなる。書型は半紙半截はんせつ。絵題簽えだいせんに出版工夫がみられ、内容も従来の草双紙の幼稚なものから脱し、成人向けの読み物となった。文化初年頃より敵討ち物が全盛となり文化年間に合巻に移行した。代表作は、恋川春町の「鸚鵡返文武二道」、朋誠堂喜三二の「文武二道万石通」、山東京伝の「江戸生艶気樺焼うわきのかばやき」など。

 

 

 

 

 

 

 

 

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