『古今集遠鏡 巻一』 2 古今集遠鏡 はしがき 本居宣長 はし(がき)一オ
『古今集遠鏡』
6冊。寛政5年(1793)頃成立。同9年刊行。
はし一オ
古今集遠鏡
雲のゐるとほきこずゑもときかゞミ
うつせばこゝにみねのもみちば
此書ハ、古今集の歌どもを、こと/″\くいまの無の俗語(サトビゴト)に訳(ウツ)せ
る也、そも/\此集ハ、よゝに物よくしれりし人々の、ちうさくども
のあまた有て、のこれるふしもあらざなるに、今更さるわざハ、い
かなれバといふに、かの注釈といふすぢハ、たとへばいとはるかなる高き
山の梢どもの、ありとバかりハ、ほのかにみやれど、その木とだに、あや
めもわかむを、その山ちかき里人の、明暮のつま木のたよりにも、よ
く見しれるに、さしてかれハと ゝひたらむに、何の木くれの木、も
ちうさく(注釈)
あらざなる(あらンなざる)
あやめ(菖蒲)
つま木(妻き)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます