「古今和歌集」 巻第十二 恋歌より紀貫之(572、573、574、579、583)
(引き続き 日本古典文学大系8をうつし書きます)
日本古典文学大系8
新日本古典文学大系5
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古今和歌集 巻第十一二 恋歌572
きのつらゆき
君こふる涙しなくは から衣っむねのあたりは色もえなまし
古今和歌集 巻第十一二 恋歌573
題しらず
世とともに流れてぞゆく涙河 冬もこほらぬみなわなりけり
みなわ= 水泡(みずのあわ)
古今和歌集 巻第十一二 恋歌574
夢ぢにも露やをくらん 夜もすがらかよへる袖のひぢてかは(わ)かぬ
古今和歌集 巻第十一二 恋歌579
つらゆき
さ月山こずゑをたかみ ほとゝぎすなくねそらなる恋のする哉
なくねそらなる…そらなる恋
古今和歌集 巻第十一二 恋歌583
題知らず つらゆき
あきののにみだれてさける花の色の ちぐさに物をおもふころかな
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やまとうたは、ひとのこゝろをたねとして、よろづのことの葉とぞなれりける。世中にある人、ことわざしげきものなれば、心におもふことを、見るもの、きくものにつけて、いひいだせるなり。花になくうぐひす、みづにすむかはづのこゑをきけば、いきとしいけるもの、いづれかうたをよまざりける。ちからをもいれずして、あめつちをうごかし、めに見えぬ鬼神をも、あはれとおもはせ、お(を)とこ女のなかをもやはらげ、たけきものゝふのこゝろをもなぐさむるは、歌なり。
このうた、あめつちの、ひらけはじめける時より、いできにけり。あまのうきはしのしたにて、めがみをがみとなるたまへることをいへるうたなり。しかあれど、世にツタ晴子とは、久方の雨にしては、仕立てる姫にはじまり、したてるひめとは、めはかみこのめなり。あせうとの神野かたち、ををかたににうつりて、かゞやくをよめるえびすうたなるべし。これらは文字のかずもも定まらず、歌ののようにもあらぬ事どもなり。(日本古典文学大系8 P,93まで)
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古今和歌集 巻第十一 恋歌471
紀つらゆき
よしのがはいはなみたかく行く水のはやくぞ人を思ひそめてし
古今和歌集 巻第十一 恋歌475
世中はかくこそありけれ 吹くかぜのめにみぬ人もほひしかりけり
古今和歌集 巻第十一 恋歌478
つらゆき
ひとの花つみしける所にまかりて、そこなりけるひとのもとに、のちによみてつかはしける
山ざくら霞のまより ほのかにもみてし人こそこひしかりけれ
古今和歌集 巻第十一 恋歌482
つらゆき
あふことはくもゐはるかに なるかみを(お)とにきゝつゝ恋ひわたるかな
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古今和歌集 巻第十一二 恋歌572
きのつらゆき
君こふる涙しなくは から衣っむねのあたりは色もえなまし
古今和歌集 巻第十二 恋歌573
題しらず
世とともに流れてぞゆく涙河 冬もこほらぬみなわなりけり
古今和歌集 巻第十一二 恋歌574
夢ぢにも露やをくらん 夜もすがらかよへる袖のひぢてかは(わ)かぬ
古今和歌集 巻第十一二 恋歌579
つらゆき
さ月山こずゑをたかみ ほとゝぎすなくねそらなる恋のする哉
古今和歌集 巻第十一二 恋歌583
題知らず つらゆき
あきののにみだれてさける花の色の ちぐさに物をおもふころかな
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おつきあい下さいまして、ありがとうございます。
巻第十二 恋歌では、紀貫之の歌は多いようです。
お気づきの…などがございましたら、教えていただければうれしいです。
よろしくお願いします(*^.^*)
これからもよろしくお願い致します。