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乱鳥の書きなぐり

今年も味噌餡のお話です。竹の子最中で有名な喜久春さんの 「柏餅味噌餡」





           竹の子最中で有名な喜久春さんの 「柏餅味噌餡」



















 今年も柏餅味噌餡の話を記録して恐縮ですが…。

 わたしの好きなお菓子のお話です。




 天神行きに横目で見ていた鼓月の柏餅。

 粒餡と味噌餡のセット分が店先に並んでいたので一抹の不安があった。

 まぁ贅沢は行っておられない。

 この季節、柏餅の味噌餡を買い求めるために、帰り道に鼓月に寄る。

 だが、 長岡天神で花を見てのんびりと過ごしすぎた私たち。

 この菓子の場合は興味の無い餡だが、それも含めて、柏餅は完売。




 駅に近づこうとする家族。

 抵抗するわたし。

 散歩途中の優しそうなご夫婦に和菓子屋さんを訪ねると、喜久春さんを教えて下さる。




 勇み足で向かう。

 なんだか見たことのある店構え。

 テレビ「よーいドン!」となりの人間国宝さんで八光さんが 竹の子最中を紹介されていたお菓子屋さんだ。




 柏餅味噌餡を聞いてみる。

 この見世でも味噌餡だけが完売で餡子が並ぶ。

 京都の人は柏餅味噌餡だけを大量に買い込む。




 わたしが余りにも残念そうな顔をしたのだろうか…。

 お店の若い和菓子職人さんが
「15分程お時間をいただいたら今からつくりますよ。」
と親切だ。

 わたしはお願いすることにした。



 
 店の方が奥の椅子に案内して下さる。

 喜久春さんのお菓子の載った雑誌を三冊持って来て下さった。

 紅白上用饅頭製のねこまんじゅうというお菓子があるらしい。

 本格的な上用饅頭なのにとてもかわいらしく、招き猫から考えても縁起が良さそうだ。

 祝い事には重宝しそう。

 まっている間にも初節句の電話注文が入り、地元に密着した和菓子屋さんらしさが懐かしく感じた。

 


 喜久春の店は地元の方にも人気で、私たちがまっている間にも多くのお客さんが来店されていた。

 圧倒的に竹の子最中は大人気で、みなさん家庭用やお使い物に購入されている。

 お客さんの中で親近感を感じるおばあさんがいらっしゃった。

 お婆さん「柏餅味噌餡ありますかぁ?」

 娘さん 「すんまへん。今日はもう、売り切れてしまいましてん。」

 お父さん「なんや、きっちりしかつくらへんかったんかいな。」

 息子さん「余分に五個、つくりましたわ。」

 お父さん「そうかぁ。」

     「五つでよろしいか?」

 お婆さん「そんでよろしいわ。それと、お餅もろときますわ。」

 お母さん「おおきにぃ。」

 お父さん「今いれますさかいに。ちょっと待っとうくれやっしゃ。」

 お母さん「すんまへんなぁ。今つくってますさかいに、ちょっとそこ座って待っとうぉくれやす。」

 


 懐かしい京都弁と味噌餡好きのお婆さん。

 幸せな気分になります。



 
 お店のお父さんもお母さんもとても親切。

 お父さんは根っからの和菓子職人さんらしく、餅米の説明やひきうすや蒸らしの説明を熱心にして下さいます。

 見ると店内にはひきうすがあります。

「うちの店の柏餅は昔ながらの手法でつくってまっさかいに、そら、おいしいですわ。他の店は米を水につけまっさかいに、味がとびますねん。……。」 

 色々と教えて下さるお父さんのお話は相当興味深い。


 
 
 申し訳ないことに、餅を蒸すところから初めて下さった喜久春さん。

 売り切れなのにわざわざ作って下さる親切な和菓子屋さんに、涙が出そうにうれしかった。

 時間がかかるのにこんなに優しさと残る店は、滅多に無いだろうと感謝する。



 
 家でいただいた柏餅味噌餡の餅は珍しく黄色。もちもちとした腰のある食感が美味しい。

 白あんよりも味噌が濃いめで、山椒は使われてない。

 甘みが控えめで、特徴的な味噌餡を楽しんだ。




 翌日、竹の子最中をいただく。

 中には甘くやわらかく煮た短冊切りの筍が粒餡の真ん中にたてた形で入っている。

 餡の味はよく、美味しいお菓子だった。

 店の方のお優しい気持ちに彩りを添えられた柏餅味噌餡と竹の子最中。

 今年も美味しい季節のお菓子をいただくことができたと喜んでいる。









       喜久春

        京都府長岡京市長岡2丁目28-40
        075-955-8016
        [営業時間]9:00~18:00
         阪急電鉄京都線「長岡天神駅」下車、徒歩3分








 みなさま、最後までおつきあい下さいましてありがとうございました。

 そして親切な喜久春のみなさまにも感謝申しあげます。ありがとうございました。







コメント一覧

pinkyさんへ☆
ありがとうございます^^
 pinkyさんも柏餅の味噌餡、お好きですか?(^^)
 そちらでも味噌は白みそなのでしょうか?
 味噌餡はこちらでもお店によってお味が全く違います。
 わたしは白みその強めの物で、少しアクセントがある方が好きです。(*^^*)
 
 奈良の和菓子屋さんで柏餅の味噌餡を頼みましたら、
「そのような物が当店にがございません。」
とまるで宇宙人扱いされたことがあります。^^
 最近では奈良のお菓子屋さんでも取り扱っておられる店が出てきましたが、味噌が控えめで悲しいのです。
 大阪の味噌餡も味噌は薄め、滋賀は少し強めです。(*^-^*)
 京都では味噌餡ばかりを二十、三十個と買われる方が多いです。(*^D^*)

 水無月もにたようなことがあります。
 水無月黒(餅部分が黒砂糖)ばかりを購入する方が多いです。
 奈良では水無月黒はあまり見かけませんから、悲しい気分です。

 竹の子最中は餡子ばかりを買い、柚子は食べませんでした。
 ですが柚餡のお菓子は多くあります。
 竹の子最中は想像だけですが、他のお菓子は 柚は白みそと茹でた柚の皮の 形が無くなりまですりつぶした物で、酸っぱくはありません。
 渋さが少し舌に触れ、餡子と適度のお塩が効いた硬めの白餡です。
 この餡はこちらでは蕎饅頭風の焼き菓子に使われることが多いです。
 おそらく最中に使われる時には練りは柔らかめで、水飴が練り込まれているのだと想像しています。

 このお店の最中は水姉は少なめでした。小豆の素材を活かした餡子でしたよ。

 pinkyさん(*^^*)
 実はわたし餡子とお茶がとても好きなのです。
 長文になり、ごめんなさい。(*^v^*)
 pinkyさんもお好きなようで、とってもうれしいです!(*^o^*)
pinky
季節の和菓子
http://blog.goo.ne.jp/lavieenrose_3317
味噌餡の柏餅!私も好きです!
素朴な味わいで、おばあちゃんの家にいるような気持ちになります。

こちらで売られているものは、つぶあん、こしあん、ヨモギ餅に粒餡入りのもの、そして味噌餡です。

素敵なお店の方のお話に、思わずニコニコしてしまいました。
こういった触れ合いっていいですね。
そして、この京都弁がなんとも素敵です♪

ところで竹の子最中のサンプルに柚子とありますが
柚子あんが入っているのでしょうか。
どんな餡なんでしょう・・・
気になって、眠れなくなりそうです。(^^;)
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