今日は半夏生
これまでにもこのブログで繰り返し取り上げてきた半夏生。
先日のこと。
奈良県内の農家のご年配のご婦人に、半夏生について聞く機会があったと書いたのは、つい最近のことである。
その時にお聞きしたのは、次の二点。
「半夏生の日に、畑に出てはいけないという話は聞いたことがない。」
「田植えの後に、蛸を食べる。」
私が読んだ民俗学関係の本では、次のようなものであった。
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昨日某スーパーでは次の様なアナウンスが流れ続けていた。
「明日二日は半夏生の日です。みなさん、蛸を食べて、暑さを吹き飛ばしましょう。」
地方により、半夏生、ハンゲ、ハゲショなど呼び方は様々。
また、畑に出てはいけないとか、雨が降るとか、この日に畑に行くと妖怪が出るとか、民俗学の観点から見て楽しい半夏生だが、各地の言い伝えなども今は薄れ意味合いを持たなくなりつつある様に感じる。
そういった現状を踏まえて、スーパーが言い伝えの一部の伝承を買って出ているのは面白い。
おそらく、地方やご家庭によっては農家の方も半夏生の意味合いは知る由もなく、スーパーによって蛸を食する人いったことを知る。
大きく捉えると逆輸入の様な意味合いが感じられ、興味深く感じた。
民俗学とは、そういうものかもしれないと、改めて感じた半夏生の日であった。
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補足
ネットで調べると、半夏生は次のように書かれている。 (日本大百科全書(ニッポニカ)引用)
七十二候の一つ。夏至(げし)の第三候にあたり、現在は雑節の一つとして残っている。
太陽の位置が黄経100度にあるときと定義されているが、暦のうえの入梅は80度、夏至は90度であるから、半夏生は夏至を挟んで、入梅と対称の位置にあるときにあたり、陽暦では7月2日ごろとなる。半夏はドクダミ科の多年草で、別名カタシログサ。
水辺や低湿地に生え、一種の臭気をもつ。
その半夏が生えるころという意味である。
昔の農事暦では、このころまでに田植を終えるとされていた。
迷信的暦注としては、この日毒気が降るので、「前夜から井戸や泉に蓋(ふた)をすべし」といわれた。
[根本順吉]
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