という本が話題だ。著者の酒井順子さんは、「30代、未婚、子供なしは、どんなに美人で仕事ができても「負け犬」なのであると定義した。著者も含まれるらしいが上記定義にあてはまる負け犬が、勝ち犬(主婦)や社会に向かって遠吠えしているという本なのだが、この本が笑えるかどうかは、センスは、分かれるな。
「人生勝ち負けじゃありません!」などと眉をつりあげて反論するなら、それは、著者の予想範囲以内の反応にすぎない。女性の生き方を、あえてカテゴリーわけしたことに、この本の面白さがある。はっきり、負け犬と言われると、うすうすわかっちゃいたけど、むっとくるいうのが人情というもの(笑)。ところが、負け犬と勝ち犬の生態を、豊富なサンプルを提示して、延々と解説してもらうと、フムフム感が増してくる。
「おわりに」で酒井さんは「ここまで負け犬という単語を連呼してみると、勝ちだの負けだのいうことが、ほとほとどうでもいいことのように思えてくるものです。読者の皆様にも、そのどうでもいい感じが少しでも伝われば幸いです。」と書いている。まあ、ここだよね!読みどころを押さえ間違っちゃいけない。
しかし、負け犬の一匹としては、素朴なギモンも。東京という都会で、華やかなマスメディアの世界などに生息し、専門性のある職を持ち、そこらへんの男性よりも収入があるというのが「負け犬」の定義であるとして話を進められると、「ちょっと待ってよ」と言いたくなる。今月号の、日経「WOMON」の読者アンケートで、の31歳の年収の平均は357万円。300万円代の人は、33.8%。100-200万円台の人が25%に上る。このなかの負け犬と勝ち犬比率は定かでないが、働く女性の2人に1人は、このへんの収入層になる。正直、自活は、ぎりぎりの金額だ。まして美人でもなく仕事も頭打ちとなると、負け犬にもなれないのではないの?地方都市に住むとなると、更なるムラ社会のプレシャーがあるだろう。
酒井さんは、今年「私は、こんなに負けている」と書かれた年賀状をいっぱいもらったそうで、人というのは、けっこう負け自慢が好きなんだと実感したそうだが、自分を笑えたら、いいよね。
Yahoo!ブックス「負け犬の遠吠え」酒井さんのインタビューがある。興味のある方どうぞ。
http://books.yahoo.co.jp/featured/interview/20040204sakai/01.html
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