VIVIEN住生活総研

住生活ジャーナリストVivienこと藤井繁子が、公私を交えて住まいや暮らしの情報をお届けします!

[かながわ景観会議]シンポジウム

2008年02月17日 | 湘南・逗子の暮らし
H16年の景観法施行以来、神奈川県下には景観行政団体が319団体景観計画を策定している市区町村も77あるという。
そこで、神奈川県が呼びかけ[かながわ景観会議]を横断組織として設立し
今日、横浜赤レンガ倉庫で「かながわ景観会議」共同宣言記念シンポジウムが開催された。

逗子まちなみ再生研究会で御一緒している及川さん(左)達と赤レンガ倉庫の会場に向かう。
 ベロタクシーのような自転車タクシー

松沢成文神奈川県知事からビデオメッセージ。 国交省からも「[歴史まちづくり法案]が本国会へ上程され、景観施策の支援システムも整備される」と御挨拶。
  
講演は3名、涌井史郎:桐蔭横浜大学特任教授(造園家)から、建築物で表現をしてきた欧州人と違って
日本人は自然信仰による風土・風景を築いてきた。その象徴が[里山]で、神の領域との結界でもあったという。
シンガポールは都市のあり方を‘ガーデンシティ’から‘シティ・イン・ザ・ガーデン’に一歩踏み出すなど世界の動きに加え
湘南地区で取り組む邸宅・別荘の文化的遺産を[邸園文化圏構想]にも触れられた。
 
見城美枝子さんは、「次世代に継承する美しい神奈川の景観」と題し
‘神奈川の知的景観’はそこに住む人によって形成される、そこに暮らす人が景観になると強調された。
かながわのまちなみ100選から、我が逗子の近所の風景写真も紹介された。
 
ランプの宿を経営する刀祢秀一社長は「ランプの宿よしが浦温泉のまちづくり」の実践者として発表。
奥能登では単価が平均1万円/泊のマーケットで、単価3-4万円レベルにチャレンジしている人気宿のようだ。
その付加価値付けについて、国定公園の中にあるということもあり景観は一切触らず
世界のリゾートを参考にリノベーションを重ね、スーパーリッチ層を狙った展開をしていると。
 
後半のパネルディスカッションの後、質問に立った我らが長島孝一さん(建築家)。
「原風景」を大切にしたいという発言に、涌井氏も共感され経済価値でなく感性価値に訴えることの大切さ
逗子は、4㎞/hの速度が似合う曲がり道や坂道のまち。脇道に入った時に感じるもの、スピードを上げるとディテールは見えなくなると。
ヒューマンスケールのまちづくり、照葉樹の輝くさま、1㎞沖合いから見た逗子の風景を大切に、と良く御存知な上でアドバイス頂いた。
 
終了後、参加した逗子まちなみ再生研究会のメンバーと感想を語り合い、帰る頃には情緒ある港夜景になっていた。