城下町松本の奥座敷として知られている「浅間温泉」に行ってきました。
浅間温泉は市街からほんの少し離れただけなのですが、レトロな建物が残る静かな、歴史ある温泉です。
温泉宿を選ぶ時、第一に温泉が良いのはもちろんのこと、そしてやっぱり第二には料理が決め手になります。
その結果、浅間温泉での宿は「菊之湯」となりました。
最近では温泉に行く時はいつも宿に直行で、途中の観光などよほどの事が無い限りはあまりしません。
ほとんどが既に行ったり、見たりしたことのある場所なので・・・
寄るとしたら途中にある道の駅くらいかな。
ところが今回はあまりに天気が良かったため、『松本城』に寄ってみました。
松本城は去年の夏以来です。
秋の松本城。
黒塗りの「大天守」が青空に映えて、さすがに国宝に指定されるのも納得です。
松本城だけを見学して「浅間温泉」へ向かいました。
ほんの10分ほど車を走らせるともう温泉の入り口です。
「菊之湯」は伝統的な本棟造り(ほんむねつくり)の宿でした。
本棟造りとは長野県中部~南部地方に伝わる建築様式で、板葺(いたぶき)・切妻造り・妻入りなどが特徴になっています。
玄関前の植え込みではハギ、ムラサキシキブ、シュウメイギク、ミズヒキなどの秋の花が迎えてくれ、暖簾をくぐり中に入るとレトロな空間が広がっていました。
建物自体は古い造りなのですが、とてもきれいになっていて、和小物や民芸品などが飾られ、落ち着いた懐かしい、和の雰囲気の宿でした。
通された部屋は不自由なく、すべてが揃っていたのですが、景観は望めません。
街中ですからしょうがないですね。
お風呂のこと
お風呂は「菊風呂」と「紅風呂」の2つがあり入れ替え制でした。
『菊風呂』
2つの菊をかたどった大理石が湯船の中央にありました。
そして湯船の縁はゆるくカーブしているので、その中に体を入れられるようになっていました。
そのカーブの具合がちょうど良くて、とっても気持ちよく、ゆったりと湯船に浸かっていられました。
泉質はアルカリ性単純温泉で、やさしい温泉でした。
湯船の中の菊の花びらには温泉の成分が、白い塊になってびっしりと付いていました。
『紅風呂』
菊風呂よりも小さい湯船ですが、外に露天風呂があって、湯船の中を通って外に出るようになっていました。
食事のこと
この宿を選んだのは食事の評判が良かったからなのですが、正解でした。
食事会場も落ち着いた雰囲気で、料理も季節感が溢れ、品数も多く、味も控えめになっていました。
懐石料理だったのですが、一品一品丁寧に作られ、係の人が運んでくださるタイミングもちょうど良かったので、本当に満足しました。
この宿は落ち着いた、静かな大人の宿です。
たった1泊しただけですが、温泉・料理・接客とすべてに満足させられました。