ウォーキング中にあちこちで見かける「ヤエムグラ(八重葎)」に花が咲いていました。
とにかく触るとすぐにくっつきます。
それは、茎や葉のすべてが小さな柔らかいトゲで覆われているからなんです。
痛くないトゲなので、毛のようなものでしょうか。
だから、触った時は全体的にネバネバしたような感じです。
道路脇や荒れ地などに生えているのを見ると『ただの雑草』なのですが、じっくりと見てみると・・・
小さくて白い花は可愛いし、放射状に広がった細い葉の形がとってもきれいなのです。
ヤエムグラという名前は、葉が何枚も重なりあっているから、または1つの節から葉が6枚~8枚くらい出ているので『八重』という漢字を当てたという説があります。
実はこの「ヤエムグラ」という植物、長い間思い違いをしていたことがありました。
誰でもヤエムグラと聞くと、百人一首47番 『八重葎 しげれる宿の さびしきに 人こそ見えね 秋は来にけり(恵慶法師)』を思い浮かべるのではないでしょうか。
そして、この歌にある八重葎が今回見つけたヤエムグラそのものだとばかり思っていたのです。
ところがそれがとんだ間違い、ヤエムグラ違いだったと分かったのです。
百人一首の八重葎の『葎(むぐら)』は、つる状の雑草の総称で、『八重』は幾重にも重なった状態のことなんですって。
だからこの歌の八重葎は荒れ果てた家などにつる状の草が重なってはびこっている状態を表わした言葉なのだそうです。
そして、ここで詠われている実際の葎(つる状の植物)は『カナムグラ(鉄葎)』だとのことでした。
カナムグラ---山野に自生するアサ科の一年生つる草、茎から葉柄にかけて下向きの小さな鋭いトゲがある。
学名:Galium spurium var. echinospermon
英名:False cleavers、Stickywilly
別名:勲章草(クンショウグサ)、クリーバーズ
科名・属名:アカネ科 ヤエムグラ属
原産地:日本、東アジア、ヨーロッパ、アフリカ