空き地や道路の隅などに背の高い白いユリの花が目に付きます。
白いユリとなるとすぐに「テッポウユリ」と思いがちです。
でも、この長く伸びているユリはテッポウユリではなく、「タカサゴユリ」または「シンテッポウユリ」です。
タカサゴユリ
かつて台湾は『高砂国』と言われていました。
このユリが台湾原産だから「タカサゴユリ」と命名されました。
繁殖力が強いタカサゴユリは台湾から沖縄を通り、日本中に広がって、今ではあちこちで見られるようになったのです。
このユリはタネで育ちます。
タネが落ちたらそこから芽が出て、たった1年で開花します。
普通のユリは実生だと数年経たないと開花しません。
タカサゴユリはそれだけ繁殖力旺盛なのです。
テッポウユリに比べるとタカサゴユリのほうが草丈や花の大きさなど、全体に大きく、葉の幅は細くなっています。
一番分かりやすい特徴は、花弁の外側に紫色の筋が入っていることです。
これで一目で違いが分かります。
学名:Lilium formosanum Wallace
英名:Formosa lily、Taiwan lily
別名:タイワンユリ、ホソバテッポウユリ
科名・属名:ユリ科 ユリ属
原産地:台湾
シンテッポウユリ
花弁の裏に紫色の筋が入っているのが「タカサゴユリ」だと思い、あちこちで咲いている白いユリをよく見ると、紫色の筋が入っていないユリも見つかります。
これは「テッポウユリ」と「タカサゴユリ」との交配種の「シンテッポウユリ(新鉄砲百合)」なのです。
姿や葉はそっくりです。
紫色の筋があるか、ないかそれだけの違いです。
面白いことに、シンテッポウユリはテッポウユリとタカサゴユリの交配種なので、両方の特徴を併せ持っています。
花はテッポウユリに似ていて少し大きく、葉っぱはタカサゴユリにそっくり。
そして、タネを蒔くと1年で花をつけるところはタカサゴユリからの遺伝のようです。
学名:Lilium x formolongo
英名:Formosa Lily 、Easter Lily
科名・属名:ユリ科 ユリ属
原産地:日本
在来種より強いんでしょうから。かならず何本かで咲いています。交配種をよく作り出してしまったのだから仕方ないのでしょうが、一寸
複雑です。
こんにちは!
最近この2つのユリは良く見かけますよね。
あちこちでニョキニョキと、草丈があるから目立ちますよね。
昔、テッポウユリしか知らなかった頃は、白い花がとっても清楚で上品に見えて、大好きな花でした。
でも、こうして同じような花が身近でたくさん見られるようになってしまうと、何だかテッポウユリが安っぽくなってしまったような気になってしまって・・・残念です。