この日は早朝にウォーキングをしました。
そのためか開いている「キカラスウリの花」を見ることができたのです。
この花は「キカラスウリ」です。
『カラスウリ』ではありません。
どこが違うかというと、この時間(朝7時頃)に咲いているのはキカラスウリなのです。
キカラスウリの花は、日が沈んで暗くなってから開き、翌朝日が高くなっても開いているからです。
それに比べてカラスウリの開花は同じく日没後、そして翌日の4時頃、日が昇る前にしぼんでしまうようなのです。
この2種類を判別するのには他にもはっきりしたことがあります。
それが葉っぱです。
キカラスウリの葉は濃緑色で光沢があり、ザラザラとした感じです。
それに比べカラスウリの葉は表と裏の両方に細かな毛が多くあるので、フワフワとした手触りで、光沢はありません。
花でも違いが分かります。
それは、カラスウリの花弁の先端は細く尖っていますが、キカラスウリは花弁の先が裂けて、布がほつれたような形になっています。
さて、せっかく出会えたのですから、キカラスウリの花のことを調べてみました。
キカラスウリとカラスウリは雌雄異株です。
雌雄異株とは、雌花と雄花があり、それぞれの花が同じ株には咲かずに別の株に咲くのです。
今朝見られたのは、ほとんどが雄株で雄花が咲いていましたが、1本だけ雌花が咲いている雌株がありました。
両方の花を比べてみました。
花の中央部分が違っているのが分かります。
雄花は黄色い雄しべがごちゃごちゃしているのに対して、雌花は雌しべだけ、それも柱頭が3つに分かれています。
どちらの花もレース部分はとっても繊細で綺麗なのですが、どちらかというと雄花の方がレースの部分が多いような気がします。
この株は雌株で、雌花がいくつか見られました。
雌花は開いているときから元が少し膨らんでいます(赤い丸の部分)。
花が枯れるとこの場所が大きく膨らんできて実になります。
実はカラスウリよりも大きく、10cmほどの卵形で、緑色から黄色に変わっていきます。
この実の色から、黄烏瓜の名前の元になったようです。
[キカラスウリの実(2022.12)]
学名:Trichosanthes kirilowii var. japonica
英名:Chinese snake gourd, Chinese cucumber
別名:マサキノカズラ(柾真正葛、真拆蔓)
科名・属名:ウリ科 カラスウリ属
原産地:日本