身延山久遠寺は山梨県身延町にあり、しだれ桜の名所として知られている。
そして日蓮宗の総本山になっている。
ちょうど桜の時期に「青春18切符」が発売されていた。
東日本の電車路線はほとんど乗車済みだったが、身延線だけはまだ乗ったことがなく、電車に乗るだけの目的で出かけた。
日帰りで身延線を一周するつもりだった。
ところが途中、中央本線の「勝沼ぶどう郷駅」のホームの桜の見事さに目を奪われてしまった。
本当にすごい、としか言いようのないほどの桜だったから。
そこは18切符の良いところで、すぐに下車し、次の電車が来るまでの間、しばらく桜を堪能した。
同じようにホームで花見をしていた人から、「身延山久遠寺の桜もちょうど見頃」という話を聞いて、ただ電車に乗るだけの予定だったが、久遠寺まで行ってみようという気になってしまった。
甲府で身延線に乗り換えて約1時間半、で身延駅に着いた。
駅前に「身延山行」のバスが待っていたので、すぐに乗り込んだ。
終点の身延山バス停は「総門」を通過したところから、もう少し先にあった。
ここまでは約15分だった。
バスを降りたところに観光案内所があり、地図やお寺の案内図などを手に入れた。
少し歩くと目の前に大きくて立派な門があり、これが「三門」だった。
「三門」は身延山のシンボルで、なぜ「山門」ではなく「三門」なのか。
説明によると、「三門」とは「三解脱門」の意味で、仏教の「空・無相・無願」を表わしているということだった。
「身延山」の扁額は79世日慈上人の筆によるものだとか。
パンフレットにはこの「三門」は日本三大三門の一つになっている、と書いてあった。
日本人は三大○○が好きだなぁ、などと思いながら検索してみた。
三大三門は、京都・南禅寺、京都・知恩院、山梨・久遠寺となっていた。
三門をくぐると本堂へと続く287段の石段があった。
この石段は「菩提梯」と言い、上りきれば仏教の安らぎの地へと辿りつくと言われているらしい。
階段の下に立ってみると、石段の数もそうだが、一段一段が高い、これを登るのかと気後れしてしまった。
でも、階段の右脇に「男坂」と「女坂」と書いた立て札があり、上に続いている道があった。
それぞれが境内まで行けるらしい。
きつい順に「菩提梯子」、「男坂」、「女坂」ということだったので、一番ゆるい「女坂」を選んだ。
きっと、仏教の安らぎの地には行けないかも、と思いながら。
(身延山ロープウェイパンフレットより)
選んだ「女坂」でも山道だし、きつい場所もあり、20分くらいかかってやっと「甘露門」という場所から境内に出た。
境内も広く、「甘露門」から「五重塔」まで100mくらいありそうだった。
本堂で参拝し、境内を歩いた。
本堂脇のしだれ桜は終わりに近づいていた。
他の桜も満開を過ぎて少し葉が出ていたが、花びらがヒラヒラと舞い散っていて、これもまた趣があって良かった。
[本堂]
立派で荘厳な建物だった。
本堂も、祖師堂もすべて見学できたのだが、今回はパスした。
[本堂脇の桜]
樹齢400年もあるらしい。
[五重塔]
後になって知ったのだが、車で行った場合、駐車場から五重塔脇までは無料の斜行エレベーターがあるということだった。
階段や山道が無理な人でもお参りできるのはありがたい。
境内を散策し、戻り道は下りだからと、「菩提梯子」にチャレンジしてみた。
下りを侮っていた。
一段一段が高いので、足が・・・
やっとのことで階段を降り、門前町のお店などのぞく気にもならず、一目散にバスに乗った。