秋の七草の一つになっている桔梗は、実際には6月ごろから咲き始める。
日本には古くからある花で、万葉集では朝貌(あさがお)と表記されている。
万葉集の山上憶良の有名な「七種(ななくさ)の花」という歌、「萩の花 尾花 葛花 撫子の花 女郎花 また藤袴 朝貌の花」がある。
その中の朝貌の花が桔梗のこと。
秋の野に咲いている花を数えてみれば、七種類の花があると言った意味になるが、遠い昔、学生時代に秋の七草はこの歌を覚えておけばいいと習った。
昔は野の花だった桔梗も、今では野生種は見たことがない。
だから、野生の桔梗が絶滅危惧種に指定されているのもうなずける。
原産地は東アジア全体になっているが、何となく日本の庭に合っている花だと思う。
江戸時代の宿場町、「大内宿」に咲いていた桔梗。