藪の中で「ノシラン(熨斗蘭)」を見つけました。
この花のこと、野にある白い蘭だからノシランだと思っていました。
ところが実際には縁起の良い名前の『熨斗蘭』だったのです。
名前の由来はいくつか説があり、その中の一つに、『花茎がきし麺のように扁平で”麺棒でノシたような形”に見えるから』、というものがあります。
そこで実際に花の茎を触ってみたところ、説の通りでした。
茎は丸みが全くなく、真っ平らになっていました。
ノシランは1本の花茎にたくさんの花がついているのですが、ほとんどの花が開かずに、蕾の状態のまま枯れてしまいます。
それに、下を向いているものが多く、開いた花はなかなか見られませんでした。
花茎には枯れた花や、花が落ちてしまって花柄だけが残っていたりするものが多く、その姿はあまりきれいとは言い難いのです。
ところがある時、偶然にも開いている花を見つけたことがありました。
花びらは完全には開かずにラッパ型、その形はランよりもユリに近いような・・・
そうなのです。
ノシランは以前はユリ科だったのです。
ところが、現在ではキジカクシ科に分類されています。
花が終わって、秋から冬にかけてできる実は最初は緑色で、その後に緑→青→紺(コバルトブルー)と、徐々に変化していくようですから、その過程を追っかけてみたいと思っています。
ノシラン
夏の終わり頃から秋にかけて花の茎をまっすぐに立て紐状の白い小花をたくさん咲かせます。
花は白か薄紫色で下のほうに向いて房状に垂れて咲きます。
葉は根元から生え、濃い緑色で細長く厚みと光沢があり先端が少し垂れ下がります。
花が咲いた後は種子が付きます。
種子は7mmほどの卵のような形をした球状で、晩秋から初冬に緑から青に変化し、最後にはコバルトブルーの美しい色になります。(みちくさ図鑑)
学名:Ophiopogon jaburan
英名:White lilyturf、Mondo grass、Giant lilyturf
別名:ジャノヒゲ
科名・属名:キジカクシ科 ジャノヒゲ属
原産地:日本、韓国