大きな木の下の草むらの中にポチポチと咲いていた紫色のシソに似た雰囲気の花。
「アキノタムラソウ(秋の田村草)」です。
昔から林の中や道端などで普通に見られた野草だったのですが、最近ではあまりお目にかからなくなってしまったようです。
名前は秋となっていますが、実際には花は7月ごろから咲き始めます。
実はこの花の名前は”アキノタムラソウ”か”ナツノタムラソウ”のどちらなのかと迷っていたのです。
○○タムラソウと名前のつく花がたくさんあるからなのです。
アキノタムラソウ、ハルノタムラソウ、ナツノタムラソウ、ケブカアキノタムラソウ、シマジタムラソウ等々。
それぞれの特徴をはっきりと把握していなかったため、この見つけた花の名前が本当に「アキノタムラソウ」でいいのかどうかと、心配になっていたのでした。
それで、それらの違いをはっきりさせようと調べてみました。
とりあえず『ハルノタムラソウ』と『ナツノタムラソウ』、『アキノタムラソウ』について。
すべてがシソ科アキギリ属なので花の形も同じ唇形です。
それなのに、春・夏・秋、どこが違うのでしょうか?
まず、”ハルノタムラソウ”。
この花は開花時期が4月~6月なので、春しか見られなく、花も小さくて白いので混同はしないようです。
次に”ナツノタムラソウ”と”アキノタムラソウ”。
秋と夏、この2種類の区別は難しいようです。
花の時期は両方とも夏から秋、花色がナツノタムラソウの方がアキノタムラソウより濃い、と書かれているものがほとんどでした。
これだけじゃ分からなかったので更にあちこち探してやっと見つけました。
『アキノタムラソウは雄しべ2本が上唇にほとんど付着し、初めは伸びているが、次第に下向きに曲がってくる。
類似のナツノタムラソウは雄しべが曲がらず、花冠の中間から外へ突き出る。』(三河の植物観察)
見つけた花を拡大してみると、雄しべが曲がっているので、今日の記事の表題は「アキノタムラソウ」ということになりました。
学名:Salvia japonica Thunb.
英名:---
別名:アキノヒメコズチ、オボンバナ、ヤマジソ
科名・属名:シソ科 アキギリ属
原産地:日本在来