第四部 Generalist in 古都編

Generalist大学教員.湘南、城東、マヒドン、出雲、Harvard、Michiganを経て現在古都で奮闘中

サンプルサイズ計算でやりがちなこと。

2020-10-15 13:42:23 | Research

みなさまこんにちわ。

最近は、本当にCOVID-19 pandemicで本当に人生が翻弄されています。

しかしながら、プロフェッショナル大学院の進行状況は緩められることなく爆烈な課題量やケースの読み込みによる消化不良と毎日の炎上と、自分がやってきた仕事や研究も全てパラレルにコミットしなければならないわけで、本当に一つのことだけ集中できればいいなぁと実は嘆いていました。しかし、この年齢で勉強し続けれられることは本当にラッキーで、ありがたいことで、新しい発見があると最近ようやくWeChatで仲良くなった北京の女性医師と学んだことをやりとりしてます。時差も近いし、電話も時々できますし。

さて、今日は教科書を読んでふとまとめてみました。

僕は、STATAやSPSS、RCTなどの平均差などで簡単な場合は携帯のアプリ(medical calculatorなど)、

パッと早く計算したい場合はOpen epiを用いていましたが。自分が勘違いしていたところを多々あるので、

https://www.openepi.com/Menu/OE_Menu.htm

(こちらが医学生や若手の先生に教えるときのサイトです)

 

きっと皆様にもお役に立つのではないかと感じてノートを残しておきます。

元文献はHulley, Stephen B. Designing Clinical Research (pp.70-72). LWW.と言うHarvard Medical Schoolで用いられている臨床研究デザインの教科書です。とっても簡単な英語でわかりやすいです。

また、サンプルサイズの計算で原理原則の基本的なところは、今はもうYoutubeでやまほどありますので、Sample size AND calculationでググるとどんどんでてきます。

 

計算のための情報がたりない??場合のサンプルサイズの計算方法:

1先行研究の読み込み・・研究課題に関する過去の知見や関連する知見を徹底的に検索する。ほとんどがココ・大まかに比較可能な状況や、平凡でも、古くても十分である。

2本当に計算に使える情報がない場合・・小規模なパイロット研究を実施:パイロット研究は、さらに研究者が本試験の計画をよりよく練ることができるため最終的には時間の節約になり理にかなっている。

3正規分布で連続変数の場合・・標準偏差は一般的に発生する値の範囲の高端と低端の差の4分の1として推定することを利用する方法もある。Normal distribution であるDataであるかどうか。

4その連続またはカテゴリカル変数の平均と標準偏差が疑わしい場合、その変数を中央値/平均値で半分に分割して、Chi2検定へ落とし込む。この場合、多少高く見積もられる。

5臨床的な効果に基づき見積もる・・最終手法の一つなので研究者はその選択を専門家の同僚と一緒に吟味を。(例:ある研究者が重度の難治性胃穿孔症に対する新しい侵襲的治療法を研究しているとすると、この治療法は患者のせいぜい5%が自然に改善する状態とする。ある治療法が有効であることが示された場合(治療に必要な数NNTが5人とする)であれば、リスク差は20%(NNT = 1/リスク差)なので治験責任医師はP1 = 5%対P2 = 25%の比較に基づいてサンプルサイズを推定(だいたい0.80の検出力と0.05の両側αで各群約60人程度になる)。

6最終手段:欠落している成分の可能性の高い値について経験に基づいた推測から導く。これは通常、何の科学的根拠もない、例えば2群間で0.5の標準化されたEffect sizeを検出するために、両側α0.05で80%の検出力を持つように逆算で研究を設計(ちなみにこの場合は1群あたりのn = 64)。この教科書ではこのような完全に恣意的なサンプルサイズ計算を受け入れる科研費助成金はほとんどないと。

サンプルサイズ計算でよくある恥ずかしい間違い!

1. よくあるエラーは、研究の設計中にサンプルサイズを遅い段階で見積もることである。根本的な変更がまだ可能なときにかなり早い段階で行うことから始める。

2. Dichotomus dataがパーセンテージ(%)で表現されている場合、連続変数のように見えて。例)死亡,0 or 1は生存率で表現すると連続変数と誤解されて計算される。生存分析でも結果が連続変数のように勘違いしやすい(例えば、月単位での生存期間の中央値)。これらすべてにおいて、結果自体は実際にはBinary data(割合)であり、標本サイズを計画する際の適切な単純なアプローチはカイ二乗検定となる。

3. サンプルサイズははOutcomeの被験者の数を推定するものであり研究に必要な標本数ではない。Drop outやmissing dataを加味して計算する。

4. 研究対象となる2つのグループのサンプルサイズが等しいと仮定。多くの場合、研究ではそうではないことが多い. サンプル数数が等しくない場合は、ウェブや統計ソフトの表や計算機に記載されている計算式を使用。  

5. アウトカム変数の標準偏差を因子として用いていない。標本サイズを推定するためにt検定を使用する場合、アウトカムが連続変数の変化である場合には変数自体の標準偏差ではなく、その変化の標準偏差を用いるべきである。

6. クラスター化されたデータは必ずしも均一でないことに注意。標本サイズのクラスタリングは問題である可能性が高い。

7. それでも研究のための標本サイズの推定が困難な場合は、研究仮説とデザインから見直す。

*Hulley, Stephen B.. Designing Clinical Research (pp.70-72). LWW. 


若手医師に贈る「症例報告論文投稿Tips」 ケースレポート の書く時にハマるポイントの克服

2020-10-07 09:44:06 | Research

ケースレポート の書き方について、そうそうたる先生方の仲間に入れてもらって皆で良いものを作りました。

日経メディカルさんに取材してもらえましたので転載しておきます。

 

英語の問題を一瞬で超える方法、文字数や傾向性を含めたPivot & Cluster戦略などなど

一人30秒、このPublish したこのケースのここがオモローポイント集は必見です。

 

以下

第21回日本病院総合診療医学会学術総会(9月26~27日)でJUGLERによるセッション、「症例報告論文投稿のTips by JUGLER」が開催されました。佐賀大の多胡雅毅先生、獨協医大の志水太郎先生、東邦大の佐々木陽典先生、千葉大の鋪野紀好先生、島根大の和足孝之先生、順天堂大の高橋宏瑞先生の6人が、若手総合診療医にとって役に立つセッションを展開しています。このたび、学会並びにJUGLERの先生方のご理解のもと、日経メディカルで動画を公開できる運びとなりました。

1時間半ほどの動画ですが、症例報告論文投稿のヒントが満載です。ぜひ、あなたの論文にお役立てください。

 

OGPイメージ

若手医師に贈る「症例報告論文投稿Tips」

第21回日本病院総合診療医学会学術総会(9月26~27日)でJUGLERによるセッション、「症例報告論文投稿のTipsbyJUGLER」が開...

日経メディカル

 

ここからビデオが無料です。

 

Jugularのみなさまと。

Japan University General medicine Leadership and Education Roundtable(日本大学総合診療リーダーシップ・教育円卓会議)の略称


Data availability statementの書き方

2020-08-28 16:26:55 | Research

みなさまこんにちわ。

良質のOpen雑誌は査読も早くいいことも多いのですが、面倒なことも多くて例えば、自分のデータを開示、もしくは他の研究者が利用して研究をさらに促進するために利用することに対する同意や声明を書かねばならない雑誌もあります。

最初書き方もわからないし、周りに聞いてもどのように対応したら良いかわからないことが多く色々調べたところが下記のようにテンプレートがあると相当便利だと思います。これはUKの


ジェネラリストのためのケースレポートの投稿先の探し方

2020-08-26 07:49:27 | Research

みなさま こんにちわ。

気がついたら8月も終わりで・・今年のは何も夏らしいことしていないので驚きです。

最近は、色々な学会のタスクや、プログラムの作成などを行いながら、極限まで自分の時間をとても大切にしています。

 

一人に対してわずか10分などのメールやGuidingやMentoringも、十人にやるとそれだけで1日が終わってしまう・・ことも多く、最近考えたのは

色々とブログにまとめておいて、それを見れば誰でもある程度できるようになるシステムをつくことが大事と考えるようになりました。

(あとエッセンシャル思考や、課題の分離、本質的な仕事の追求を考慮しながら、極力その人たちがやるべき仕事はその人たちにお任せして時間を捻出する心がけetc )

 

さて、一番相談されることには、ケースレポートの書き方があります。

基本的には、研修医や医学生にすら自分なりのテンプレートと指示を箇条書きでSuperviseするだけで、だいたいイケるようになってきたと思います。

もうアラフォーの指導医にみっちり、べったりと言う時代ではなく、Youtubeなど見ればいくらでも落ちてますから(英語でググればだいたいありますよね)

 

結構相談されて返信するのに時間がかかってしまう内容を、今度JUGULARのみなさまが発表することになりました(僕も末席に入れてもらっています)。

 

これは、以前JUGULARの仲間のみなさまが一生懸命作ってくださったもので、すでに日本のジェネラリストの方のために論文化した元ネタです。

Tago M, Watari T, Shikino K, Sasaki Y, Takahashi H, Shimizu T. Which journal should generalists submit a clinical case report? Journal of Hospital General Medicine, 2020: 2-3, p99-103.

 

NEJMやLancet、BMJなどの当たり前に知られている宝クジ的なものはわざと抜いて、Generalistととして実践的なミソや落とし所をまとめたケースレポートの投稿先です。

当然、Pubmed掲載(Journal of Hospital General Medicine以外)です。

 

僕の中で、大切にしていることにケースレポートには時間をかけない!!

 

一番のエッセンスは、最初の原稿の時点で第1候補から第5候補まで下記のテーブル順位をつけておくことです。

*もちろんテーマによっては消化器内科や循環器などの雑誌を入れると良いでしょう。その場合はオモローポイントを変える必要がありますので自分の土俵で勝負の方がアウトカムが良いです。専門医がみた面白さと、ジェネラリストがみた面白いと感じるポイントは異なるのですね。EX) 毎日NMDA受容体脳炎をみている神経内科医が髄液検査で診断したことと、精神科疾患と誤診され続けていた若い女性の一例をみた時の衝撃度は同じ症例でも違いますよね。。etc。

その時に、

1 文字数 (Full caseで行くかImageで行くか)

2 Figureの数

の2点を注意して似たものを選んでおきます。これでRejectされた後に間髪入れずほんの少しだけ微調整してすぐに再提出すれば、確率的にだいたいどこかにアクセプトされることになります。

 

また、よく他大学/病院の先生たちから「それは良くある、珍しくないからダメか?」 など相談されるのですが、全く逆で、何を持って珍しいか?と判断する視点・視座をクリアにすることだと思います。

最終診断の疫学的頻度ではありません。日本で何例目とか、どうでもいいと考えます。

世界の読者にとってどう面白いか?役に立つか?これが重要かと思います。

珍しさの軸ではなくて、次に読者がこの症例を見るときに、どこがピットフォールで、どこが良い点かなどの学びのポイント(僕はオモローポイントと呼びます)が必ずあることが重要だと思ってます。ただ検査の羅列や症例を詳細に記載することに意味はありません。逆に思考のプロセスが伝わらないからです。。。

僕らは臨床家なので、臨床家としての思考のプロセスの方がむしろ面白いと感じると思うのです。その証拠に、海外のCase reportの査読で、この検査しましたか?などの査読はまず来ません。〇〇は鑑別に考慮したか?などは聞かれるでしょう。

 

次に、Pubmed/Google Scholarで面白いポイントのKey wordで検索式で検索してヒット数が低ければ、それは確実にPublishableです。

個人の目安としてオモローポイントの主訴、症候、Problem List、KeywordなどのMESHを用いてAND、ANDで区切って数個検索してPubmedで数十件であれば100%どこかにPulishalbeです!!

 

ということで、上級医に相談して「珍しくない」と酷評されても、頑張ってください。

下記の一覧を参考に雑誌で掲載されたCase reportを読んでみられると相場と文章の構成がわかり対策に良いと思います。決して珍しくないものばかりであることに気づきます。。一から書くと大変ですが、見本があれば構成の作成もすぐにイメージできますので。

 

タイトル 出版社 IF  ケースレポートの種類 著者数 字数制限 アブストラクト必要 Figure数 Rreference 数 Article publication Charges
American Journal of Case Reports International Scientific Information, Inc. NA Case Report NA NA 250 words  NA NA 995
American Journal of Medicine  Excerpta Medica 5.003 Clinical Communication to the Editor (Case Report) NA 650 words  Not required NA NA None
BMJ Case Reports BMJ Pub. Group 0.44 Images in... 4 500 words Not required NA NA None (required fellowships) 
Case Report 4  2000 words 150 words  NA NA
Cleveland Clinic Journal of Medicine Cleveland Clinic Educational Foundation 1.885 THE CLINICAL PICTURE NA 500 words Not required NA 5 None
Clinical Case Reports John Wiley & Sons NA Clinical Case Report NA 3,000 words 50 words  NA NA 880 USD
  Clinical Images 200 words 50 words  NA 2 350 USD
CMAJ : Canadian Medical Association journal  Canadian Medical Association 6.938 Practice -Clinical images 3 300 words Not required 2 3 2850 CDN
European Journal of Internal Medicine Elsevier 3.66 Internal medicine flashcards, web only  3 400 words  Not required 1 3 None
Internal Medicine The Japanese Society of Internal Medicine 1.037 Pictures in Clinical Medicine 4  150 words Not required 4 2 300 USD (100% discount will be applied for society membership)
Case Report NA NA 100 words  NA NA
Journal of General and Family Medicine John Wiley & Sons  NA Case Report NA 1000 words 100 words  2 10 1250 USD (100% discount will be applied for society membership)
Images in clinical medicine NA 500 words Not required 2 5
Journal of General Internal Medicine Springer 4.606 Clinical Vignettes NA 2000 words Not required NA NA None
Clinical Images 3 200 words Not required NA NA
Journal of Hospital General Medicine Japanese Society of Hospital General Medicine NA Case Reports NA 8 sheets of typing paper  A sheet of typing paper NA 20 None (required society membership) 
Brief Reports 3 sheets of typing paper Not required 2 5
Mayo Clinic Proceedings Elsevier 7.091 Medical Images 2 1 page in the print publication Not required 8 NA None
QJM : An international journal of medicine Oxford University Press 3.131 Case Reports NA 600 words Not required 1 6 None
Clinical Pictures NA 500 words Not required 1 6

*JGIMはCase reportの投稿は、menber しか受け付けないとの連絡がありました。ご注意下さい。

”only members of SGIM may submit clinical vignettes and clinical images”

 

 

Tago M, et al. Which journal should generalists submit a clinical case report? Journal of Hospital General Medicine, 2020: 2-3, p99-103.の原稿より抜粋。

 


論文執筆時のガイドラインの一覧

2020-08-14 10:00:17 | Research

みなさまこんにちわ。暑いお盆のシーズンですね。

今日はメンタリングさせてもらっている研究の投稿を僕がしていて質問されたのですが、

論文執筆時にガイドライン準拠を要求されて困ったことはありませんでしょうか?

 

そもそもが、現在の臨床研究では、研究を始める前にデザインと仮説を明確にして、これらの流れに沿っておく必要があると思われます。

下記は全て Equator Network websiteから入手できます。

ランダム化比較試験のCONSORTやシステマティックレビューのPRISMAガイドラインは有名ですが、僕はSTORBEやSQUIREに沿った研究のデザインになることが多いのでこの表を多様しています。言い換えれば、OPEN Journalはこれらを準拠していればアクセプトされる確率がドカンと上がりますので、いい意味で標準化されてきているのだと思います。

 

投稿時にこれらに準拠しているかチェックリストを要求されるケースが増えてきているので、念の為に記載しておきます。

 

 

 

 

 

 

 

以上です。


ジェネラリストコンソーシアムの原稿は医中誌とJ-GLOBALに収録されるようになりました!

2020-05-07 13:40:16 | Research

みなさま こんにちわ。

 

いや、この数ヶ月だけでも。昨年一年間の論文数をはるかにしのぐ(体感的に5倍?)原稿をいただいております。

やはり日本語でエッジの効いたことを自由に叫べること、建設的なReviewをいただけること、またベストペーパー賞の10万円が

効いているのではないかと勝手に妄想しております。

 

さて、本日はお知らせで

ムック版ジェネラリスト教育コンソーシアムはJ-GLOBALにも収載されるようになりました。

これにより、僕は大学の業績提出用にめちゃくちゃ便利になります。

これまでは、大学への提出は英文査読誌と海外での学会発表のみしか提出していなかったのですが、

AIの利用で自動的にリサーチマップ(Research map)やJ-GLOBALで業績に加わり総務課に提出できるようになりました。

(普段、日本語のものはドドドと書いているのでいちいち業績としてまとめてられなかったのでほんとうに助かります)

 

*科学技術振興機構(JST)の「J-GLOBAL(https://jglobal.jst.go.jp/)」にジェネラリスト教育コンソーシアムが収載されています。

すでに収載されている医中誌とともに、本誌が検索可能となりました。どうぞご利用願います。

また投稿量も無料、掲載料も無料、本誌への良い論文のご寄稿をお待ちします!! 

 

図に意味はありません。今の、仕事で用いるアイデアに利用中。

 


ケースレポート投稿時の300dpi問題を一瞬で乗り越える方法

2020-02-05 09:23:02 | Research

みなさまこんにちわ。

今日は後期研修医の先生や指導医の先生に質問される中で一番多いものをお話しします。

ケースレポートを書くときに、Editorから一番多く指摘されるのが解像度の件ですね(あるある!)。

これは海外の印刷でdpi(dpi は dots per inch の略)で、1インチをいくつのドットで表現していることに由来します。

インチを基準にしているので我が国ではあまり用いられていないことから論文投稿時にデフォルト設定ではトラブルがとても起きやすいわけですね。

本当は専用のPhotoshopを使ったり、Powerpointのページ設定を3倍程度の大きさにしてから画像を作成するなどの方法があるのですが、このあたりは割愛します。

 

BMJ editorial officeから なんどもなんども指摘されるから、僕も「そんなんしつこくいうならば、どうやったらできるか教えてよ!」って少し切れ気味(嘘:丁寧に)にメールしたところ、とても丁寧に【究極に簡単な方法】に教えてもらったので今回はこちらにお知らせします。

BMJの編集部に聞いたところ、「ここにコピペして貼りなはなれ!、だけど、もしオンラインサイトが好きじゃなかったらPhotoshopを使いなはれ」という感じでした。

https://convert.town/image-dpi

これはすごいサイトです。

投稿規格の300dpiがすでに設定されていますので、ここに画像を投入するだけですぐに300dpiのImageが出来上がります。

超絶簡単で、以前イライラしていたのが嘘のように簡単です。

ただし、オンラインなので画像の扱いはEthical に気をつけるのは当たり前のことですね。

 

他にもClideoというのがあります。

https://clideo.com/dpi-converter

これも全く同様に、ファイルを選びます。

次に、画素数を選びますが、国際時の多くのジャーナルが指定している300dpiがデフォルトになってますので、そのままでOKです。

 

こんな感じで300dpiの画像が全工程3秒程度で完成しました。

我々の日常的な画像の作成方法では、どうしても72dpiなどの解像度になりやすくこの辺りミソを知っているか知らないかでケースレポートの投稿速度が全然変わると思います。よろしければみなさまでシェアして日本からドンドン発信ください。

 

 

 

 

 


Academic Hospitalistは先駆を切らねばならない-日本の大学でGeneralがこれから爆発するために-

2019-12-24 17:27:05 | Research

みなさま こんにちわ。

インフル発熱や子供が心配なお母さん、アルコールの人などなど楽しい寝れない救急外来当直明けからの〜内科初診外来+僕の独特な不定愁訴再診外来をへて48時間勤務がようやく終わり大学に帰ってきました。

たまにはブログを書かねばと頑張ってます。(今日はもう本当に体が起きれなくて、なんとかうーっと言いながらおきたのが9時3分、寝ぼけまなこと寝癖で外来開始が9時6分と患者さんを少し待たせましたがフルパワーで楽しく乗り切りました。複数の専門科で原因不明の腹痛とされていたACNESの患者さんが一発で笑顔になるのを見るとこういう診断困難例・不定愁訴外来はやはり大好きです。

さて、僕がEditor in Chiefをさせていただいている、間違いなく日本で一番エッジ切っている(利益を無視した)総合医のための雑誌ジェネラリストコンソーシアム(マニアな雑誌で結構売れてます)のOpinionに掲載いただいた内容を転載します。

特に病院で働く総合診療医が他科の医師と同じ貨幣価値・シェア可能な概念を持ちながら大学で臨床と教育と研究分野で一緒に手を取って活躍し、学問としてこのホスピタルメディシンを発展させていくために、自分の大学教員としての経験からどうしても必要だ(もう、好きとか嫌いとか、合う合わないではないと思われます)と思うことを掲載しておきました。

ちなみにこれは、”The New Era of Academic Hospitalist in Japan”という題名で昨日とある英文誌にアクセプトされましたので日本語での概ね同様のメッセージの論文になります。

よく大学にいると勘違いされますが、ホスピタリストの研究は、実験である必要はありません(むしろ親和性が低いです、実験実験行っているのは日本だけかもしれません、ちょっと時代に取り残されてしまいます)。2013年の横断研究です、Pubmed検索で該当したホスピタリストが発表した研究論文のテーマの分類を見てください。ただ日本では救急や外来も見たりしますので少しだけ異なりますが、大学で「先生、得意でしょう?これやってよ」と、お願いされるものが全てはいってます。

*Research and Publication Trends in Hospital Medicine. Journal of Hospital Medicine Vol 9 | No 3 | March 2014

これを見ると、

病院総合診療医の研究とは医療安全、医療の質の改善、臨床研究、臨床教育研究、etcの分野で多くが占められているのがわかります。やはり僕の周囲でものすごく頑張っていてリスペクトしている先生方の研究もこちらにシフトしていたように感じます。だから2011年にジョンホプキンスに行った時にびっくりした診断エラーが流行るべくして流行りましたし、今後はQuality improvementが必ずくると思います。もちろんEvidence based education (EBE)は変わらず現場での研究テーマになることを考えると僕らのテーマは本当に多様多彩で日々勉強が楽しいです。

これらのことは横断的に診療を行い、病院全体を俯瞰できる資質を持ったホスピタリストこそが得意とするフィールドです。日本の大学病院で病院総合診療医が活躍するためには、まさにここの領域で臨床・教育・研究の3本柱で活躍できるアカデミックホスピタリストをガスガスと育成していくことである。といったように、3年前に愛すべき出雲にフラッときて確信しました。

 

-------------------下記が本文です--------------------

我が国においては、病院で活躍する病院総合診療医(ホスピタリスト)の定義や位置付けは非常に曖昧であり、未だに新専門医制度の上で大きく揺らいでいる。しかしこれは日本においてのみ特別な状況ではなく、今や米国最大の医師の集団との代表格にまで成長したホスピタリストの歴史に至っても同様の薔薇の道であった1,2

2016年に20年間のホスピタリストの奇跡-0人が5万人へ-という題名の論文がNEJMを飾った。これは、同年の米国の循環器内科専門医が2万2千人であることを考慮しても、米国ではすでにホスピタリストは一つの専門職として認められ活躍していることが伺える。また米国の病院ランキングに掲載されるような高次機能病院のうち約75%の病院が横断的に入院患者を診療するホスピタリストを採用しシステムとして導入しているとされる。何故、米国ではホスピタリストが躍進することができたか?一つのKeywordとして筆者はAcademic hospitalistの活躍をあげる。

ホスピタリストの活躍する場所はこれまで病院内の診療科のピットフォールを埋めるべく、また俯瞰的な病院を観察できる特性から多岐にわたってきた。具体的には一般病棟の様なコモンディジィーズの入院診療をメインとして、ホスピタリストはQuality improvement、や医療安全、卒前卒後の臨床教育、病院経営、感染対策までも、病院という組織を横断的に、視野や視座や視点を調整しながら貢献してきたことが大きい。しかし、ホスピタリストの評価を決定づけることができたのは、Quality improvement、医療安全、そして医療費の抑制という医療の全体像の問題について、数的評価を疫学統計学的に検証し利点が得られたからに他ならないのである。

これは、筆者の考えでは、全米のホスピタリストの約15%以上を占めているとも言われる大学病院などの教育・研究機関で活躍するAcademic hospitalistの活躍が極めて大きい4。ホスピタリストのチームが病棟で研修医や医学生を指導する方が、非ホスピタリストが指導した場合に比べて教育効果が高いことや、またホスピタリストが病棟診療を行っている方が医療安全的にも安全であり、また何より病院の経営にとって効率的であることが極めて多くの文献により示唆されればされるほど、その経営面・安全面・教育面で優れるシステムに見習う病院が増え、極めて早いスピードで浸透していったという1-4

これらの研究成果を提示し続けてきたのが、教育・研究機関で活躍するAcademic hospitalistであった。我が国では、大学での研究と一言発すれば、すぐに実験基礎医学と結びつける風潮があるが、ホスピタリストがその特性を生かして躍進させて研究分野は前述した領域なのである。具体例として、図1に2014年に発表された論文”Research and Publication Trends in Hospital Medicine”からホスピタリストが発表した原著科学論文(PubMed内)のグラフを示す5

2013年までのデータではアカデミックホスピタリストによる原著論文数は増加しており、その研究対象はこれまでの我が国が好むところの実験医学ではなく臨床研究、ヘルスサービス研究、医療の質と改善、医学教育の4つのテーマが特に着目されていることがわかる。ホスピタリストの研究とは、実験医学である必要はなく、また狭義の臨床研究である必要すらないと言える。まさに、病院の中の全ての事象が研究対象としてなりうることはホスピタリストの優位性の一つなのである。また我が国においては医師主導でこれらの研究テーマが国際誌で発表されておらずこれからの日本の先駆を切る良い研究テーマとなっていくだろう。

野戦病院で働いていた自分が、大学病院で勤務するようになって漸く理解したことがある。我が国において、ホスピタリストという比較的新しい医師の働き方が他分野の医師からの定評を得るためには、ジェネラリストが持つ優れた特性を決して見失わずに、他分野の医師と“同じ言語”で、そして“同じ通貨価値”で議論ができる人材、いわゆる臨床、教育、研究の柱で貢献できるAcademic hospitalistを育成することが必須であるということである。

引用

1) Robert M. Wachter and Lee Goldman. Zero to 50,000 — The 20th Anniversary of the Hospitalist. N Engl J Med 2016; 375:1009-1011.

2) Wachter RM, Katz P, Showstack J, Bindman AB, Goldman L. Reorganizing an academic medical service: impact on cost, quality, patient satisfaction, and education. JAMA 1998;279:1560-1565.

3) Auerbach AD, Wachter RM, Katz P, Showstack J, Baron RB, Goldman L. Implementation of a voluntary hospitalist service at a community teaching hospital: improved clinical efficiency and patient outcomes. Ann Intern Med 2002;137:859-865.

4) Luci K. Leykum, et al. Tried and True: A Survey of Successfully Promoted Academic

Hospitalists. Journal of Hospital Medicine Vol 6 | No 7 | September 2011

5) An N. Dang Do, et al. Research and Publication Trends in Hospital Medicine. Journal of Hospital Medicine Vol 9 | No 3 | March 2014

 


ジェネラリストのためのオープンジャーナルで論文を発表する時に参考にするポイント

2019-06-09 17:07:17 | Research
みなさまこんにちわ。
 
最近相談されたことに、「ハゲタカジャーナルは勘弁だけど、オープジャーナルに載せたい」というものがありました。
僕も詳しくないので(実は今までは基本的に一円も払ったことがありません)ここぞとばかりに調べてみました。
 
結構面白い論文があって、読んでみました
 
1) Have the “mega-journals” reached the limits to growth? PeerJ 3:e981
 
 
これによれば、代表的なメガジャーナルであるPLOS ONEの驚異的な成功を受けて、最近ドンドンと類似の雑誌が出ているわけですね。
 
表 オープンメガジャーナルの成長
 
 
このようにめちゃくちゃ、その勢力を拡大させてきたようです!
 
 
 
ざっくりまとめると大体このようなオープンメガジャーナルのアクセプト率は大体50%程度であり、Publishまでの平均スピードはおよそ3〜5ヶ月らしいです。この論文を読んでジェネラリストである自分にとって総合的に狙い目ジャーナルであるとランキングを発表します
 
スバリ
1) PLOS ONE   IF 3.5
2) BMJ Open   IF 2.1
3) Scientific report  IF 5.1
です。では詳しくみていきましょう。
 
【Publish 料金について】
この表のような値段で概ね良さそうでした。ただOpen Journal の経営的・運営的な厳しさもあり、年々Publications charges (APCs)は上がっているようです。
 
大まかに公表されていることが多いのでInstruction for authorを熟読した方が良いです。これらは3つはImpact factorがこの中でありながらそこまで高い金額を要求はされません。また既に知名度もありますね。
 
【アクセプト率について】
この論文で特に面白かったのが、こういう情報を体系的に乗せるということが面白い論文であるなぁと最初に感心しました。元々紙媒体で紙面が限られていたNEJMやLANCETと違ってアクセプト率が抜群に高いです。かといって査読が緩いわけではなく、経験者談(n=3)でもかなりしっかりしたフィードバックをもらえる印象です。つまり紙媒体でどうしても紙面の都合があり、いくら投稿を受けても限界がある古典的ジャーナルと違って、紙や印刷など不要でインターネットでドンドンと発表できる利点がここにありそうですね。どうしても早く論文にして世に出したい(危険な内容など 笑)はおすすめかもしれません。ただし研究費があることが前提ですね!! 

PLOS ONE69%  

(http://www.plosone.org/static/information)

BMJ Open, 60% 

(http://bmjopen.bmj.com/site/about/).

Scientific Reports, 55% 

(http://occamstypewriter.org/trading-knowledge/2012/07/09/

megajournals/).

FEBS Bio Open, 68%,

(http://occamstypewriter.org/trading-knowledge/2012/07/09/

megajournals/).

Biology Open, 51%

 (http://bio.biologists.org/site/about/about bio.xhtml).

であるようです。

 

【Publishまでのスピード】

何より、そのPublishまでの早さも魅力的です。寝かせてて良いものであれば、全く問題ないのですが、拮抗チームや早く卒業要件などの関係で早く決着をつけなければならない場合などはこのように早い対応は助かりますね。BMJ Openでは平均で46日で最初のジャッジが返答されるそうで、PLOS ONEではアクセプトまでの平均は123日であるようで、そこからPubliaationまでは30日ほどかかるそうです。Springer Plus というのも、最初の査読後の返信の早さを売りにしているようです。さらにPeer JというJornalも投稿からアクセプトまでの中央値は51日であったそうです。このような利点はありそうです。

 

Bjork (2015), Have the “mega-journals” reached the limits to growth? PeerJ 3:e981; DOI 10.7717/peerj.981