第四部 Generalist in 古都編

Generalist大学教員.湘南、城東、マヒドン、出雲、Harvard、Michiganを経て現在古都で奮闘中

第4回 レジ王 (レジデントチャンピョンシップ)募集始まりました!

2021-12-24 04:13:48 | 総合診療

みなさま こんにちわ。ぜひ周囲の研修医の先生にご連絡ください。

今年も研修医の採点、レジ王の予選が始まります。

我々が楽しみながら作成した気鋭の問題達を解きながら楽しく勉強してみませんか。

安心安全匿名です。

忙しい研修医の先生の時間帯や勤務体制などを考慮して、なるべく不公平感が出ないように配慮しながら3日間の予選を用意しております。おそらくスマホで15分程度で解けるのではないかと思います。景品は今年も豪華です。ぜひご参加お待ちしております。

 

大会名

第4回レジデントチャンピオンシップ

大会日程
予 選

2021.2.5(金)20:00~20:59
2021.2.6(土)20:00~20:59
2021.2.7(日)20:00~20:59

決勝戦

2021.3.21(日)

出場資格

日本国内の臨床研修指定病院に所属する初期研修医
※予選には上記以外の医師も参加できます。

予選について

予選は初期研修医による個人戦。
日経メディカル Online上で3日間、オンラインクイズを開催します。
※予選への参加には日経メディカル Onlineへの会員登録事前エントリーが必要です。

2021.2.5(金)20:00~20:59
2021.2.6(土)20:00~20:59
2021.2.7(日)20:00~20:59

上記時間帯に15問のクイズに挑戦。制限時間は10分。
正答数と回答送信までの所要時間から順位を付け、決勝進出者を決定します。
1日1回回答できます。3日間で最大3回のチャンスがあります。
複数日参加して回答した場合は一番良い成績を事務局側で採択します。
>エントリーはこちらから

決勝進出者は、当サイト内で氏名と所属医療機関名を発表するとともに、個別に決勝戦への参加方法などをご案内します。

決勝進出者特典

●特典1:決勝進出者全員に特製「レジ王2021Tシャツ」をプレゼント

●特典2:研修での悩みや今後のキャリアパスについて、コミッショナーの医師に直接相談できる「シークレットイベント」にご招待

●特典3:日経メディカル Onlineでリレー形式の連載を執筆できます(希望者のみ)

 


Society of Hospital Medicineの若き元会長と回診。

2021-12-21 07:11:14 | University of Michigan
みなさま、こんにちわ。
 
三度の飯より、臨床、教育、研究が好きな管理人です。
実は、とても光栄なことに米国のHospital Medicine の聖地にて来ています。
この分野のレジェンドの先生達のところに居候させてもらい、日本で言う病院総合医学と医療の質・安全の勉強と研究もさせてもらっています。
こんなに光栄で、毎日緊張することはもう人生で中々ないと思います。
 
11月はSanjay Saint先生と、12月はScott Flanders先生と毎朝回診しています。
Saint先生は、日本でも極めて有名な先生なので説明は省略しますが、主にSaint先生からは臨床教育とリーダーシップとチームマネージメント、医療の質研究を勉強させてもらっています。
 
Flanders先生はなんと若くして元Society of Hospital Medicineの会長をされていた現役バリバリのレジェンドで、その知識量と研究への意欲はすさまじいです。毎日朝15分は昨日の疑問に回答する論文発表をフランクにおこなっており、ベッド前の若手への何げないティーチングポイントですら全て新しい論文から用して質問してくださるので、自分のレベルの低さに時々情けなくなってしまいます(でも頑張って奮闘中です)。
 
スケジュールとしては、先生方が行う教育手法やスタイル、運営手法の自分との違いも大切に学びながら、大体昼11時過ぎに回診が終わります。それからお昼ご飯は食べずに、14時まではカンファレンスや、レクチャー、医療の質活動や、研究ミーティングに全部出席しているとあっという間に1日が終わっています。
 
そして、夜や週末には大切なNeural GP Networkのマネージメント業務や日本の仕事も多数させていただいているのでいい意味でとても充実しています。
 
さて、今日はFlanders先生との面談でした。米国ではHospital Medicineが凄い速度で発展し今や米国最大の臨床医の集団となりました。若くして会長に就任して、当時(20年前)はいろいろな政治的な問題や診療科のプライドの問題などがあり本当に大変だったとのことでした。Hospitalistが病棟患者を管理することでの入院費用の減少、安全性の向上、患者さんへ提供する医療の質の改善、実際の30日後死亡率や再入院率などの低下、人件費の減少、スタッフのバーンアウトの減少、さらには医学生や研修医へのトレーニング教育の向上など数々のことを研究を行い科学的根拠を持って数字で示し続けてきたとのことでした。そうすれば、病院上層部も、行政側も医療保険会社側も確実に強力な推進力になるはずだと。君たちは今はどの段階ですか?と聞かれた時に、自分はまだ始めたばかりであることしか言えず悔しい思いをしました。
 
それでも米国の病院総合診療の発展を担ってきたレジェンド達とこんなにも気楽に隣で雑談しながら学ぶことができることに幸せを感じています。
 
以上、1ヶ月が終了した感想です。このような感じで、時々活動や研究面での報告をしていこうと思います。もちろん、ぼちぼちすでに発表されつつある我々 NEURAL GP networkの研究成果の方もメンバーや僕の方からここで報告していこうと思います。お楽しみに! 

書籍 2週間で学ぶ臨床感染症について

2021-12-18 07:32:01 | 書評;献本御礼のコーナー

何を隠そう僕は翻訳本が好きではない。なぜかと言うと、一つは受験英語の弊
害で多くの翻訳本は直訳が多く、原著者は一体何を伝えたいのか、ロジックが
逆に分かりづらくなることが多いからだ。また、色々な訳者が自由に翻訳して
しまうことでさらに統一感がなくなる。

2週間で学ぶ臨床感染症


しかし、この本は全般的な文章のわかりやすさでは群を抜いており全く問題が
無かった。おそらく引用文献と原文と訳者の日本語とのすり合わせという緻密
な作業を全く厭わなかったであろう清田雅智先生と的野多加志先生達のプライ
ドが練り上げた成果であるのは間違いない。相当な苦労があったとお見受けす
る。


もっと言うと、類書に多い、どうだ!海外でしか遭遇しない貴重な症例だろう
!?珍しいだろう!?と言わんばかりの一部の感染症オタクのみが心躍る症例ばか
りを集めては、珠玉の症例集などと謳っている本はもっと好きではない。臨床
はすべからく、一生涯遭遇しないかもしれない疾患を学ぶよりも、常に遭遇し
うる疾患を深く学ぶ方がより患者に貢献できる。Prevalenceであり、pre-test
probabilityの問題が重要なのだ。それでも時に、想定していなかった感染症疾
患に遭遇することがある。その臨床現場のコモンとアンコモンのバランスこそ
が実に面白いのだ。
そして、この点も太鼓判が押せてしまう。この書籍に記載された全47症例は同
じ島国の先進国であり、その疾患のセレクションは日本の全内科医、総合診療
医にベストマッチしたバランスで用意されていた。おそらく偶然ではあるだろ
うが、感染症専門医にとってはマストなものばかりであり、全て答えることが
できる必要があるレベルだろう。


もっと言うと、僕は”臨床の匂いがしない”感染症のテキストは本気で嫌いだ。
しかし、この本は、自分をどこか俯瞰的に観察しながら、優れた臨床感染症指
導医と一緒にベッドサイドで教えてもらっている匂いがプンプンしてきた。我
が国で言えば、イメージ的には青木眞先生や、矢野晴美先生などの国際的フィ
ールドで活躍する感染症医の香りに近かった。貴重な感染症の症例は遭遇して
からアウトカムが出るまで自分の頭の中で咀嚼するのにどうしても週や月の単
位で時間を要する。しかし、本書の一症例は約10-20分程度あれば重要なエッ
センスのみを疑似経験をすることができる。こんなに効率的な学び方は他にな
いだろう。


我が国には、感染症の医師であることを名乗りながら、臨床がわからない感染
症の医師がもしかしたら歴史的に多かった(のかもしれない)。そして、僕ら若

手(自分が若いかどうかはおいておいて)が本当に必要としてきたのは、実験
基礎医学を背景にした縦割りの感染症ではなく、真に患者を診ている臨床感染
症医へのテキストであった。時はながれ、ようやくこのようなテキスト達が世
にでることを心から喜びたい。COVID-19に始まり、渡航医学や臨床感染症医
学は極めて重要な位置を占めるに至った昨今、全ての臨床家に手にとっていた
だきたい臨床感染症の最良書である。

 

ぜひサンプル画面だけでも、お手にとって見てみてください。


米国の医療保険加入にかかるお金の一例

2021-12-15 07:32:10 | University of Michigan

みなさま、こんにちわ。

米国で勉強したり、留学したり、大学院に通ったりする時に意外と忘れられていて強烈な打撃を与えてくるのがこの医療保険の費用だと思います。

個人だけでなく、家族も帯同する場合は想像を超える金額がかかったりします。

なぜか意外と相談されますが、僕に相談されてもその住んでいる地域や、家族構成、歯科や妊娠なども含むかなどで本当にあり得ないほどの種類やそれぞれの保険があるので全く参考になりません。

今後のためにこちらに記載しておこうと思いますが、僕がわかる範囲でハーバード大学とミシガン大学、JALが提供する保険(こちらは調べてみてください)をこちらに開示しておこうと思います。なんとなくの目安にはなるかと思います。

まずハーバード大学の大学院にたとえば入学した場合には、必ずこの金額が請求されます。(2022年はコロナの影響か、少しだけ高くなっています)

 

まず本人は一年で総額$5282(約60万円)です。さらに配偶者がいれば追加で$8306(約94万)、一人目の子供に$4414(約50万円)、二人目の子供に$2220(約25万円)、三人目以上は無料となります。これで、我が家の医療保険料を計算するとだいたい230万円/年間の保険料が必要となるわけです。高額過ぎて普通の感覚では理解することができませんが、MPHやHMSの学生にとって有名な事実です。また原則的に半年払いになります。こんな高い保険料をほぼ全員が支払っているなんて・・・歯科や妊娠などはまた別の問題になることが多いので丁寧に確認が必要です。(ハーバード大学が同等のカバーを持つ健康保険でであると認めた場合にはWaiverされます。別途申請が必要です。また日本のJALの保険は完全に認められるのは確認しています。値段は家族構成次第ですが6-8割くらいの値段になります。子供が多いと逆に高額になります)

 

次に、ミシガン大学の提供する同等の保険で見てみましょう。

これは毎月米国の銀行から引き落とされますが、本人だけならば劇安の月額$160(約$1920=21万円/年)です。こちらもまた配偶者や家族構成によりますが、配偶者だけならば月額$315($3780=43万/間)、それ以上は子供が何人いても月額$471($5652=約64万円/年)となります。実質の負担金額(co-pay)支払いもHarvardの保険と変わらず、歯科や妊娠なども含む保険であり、ほぼ日本の皆保険と変わらないカバー内容です。もちろん、ポスドクや研究補助者として給料を貰ってしまうと日本と同じようにカバー(給料から引かれるか)されますので、いい意味で心配?無用です。なぜここまで安いのかと担当者に聞いたところ、「さぁ理由はわからない、高いとは思うけど、それでも全米では一番安いと言われているんだよね」。

しかし、大学があり、学生が多い街は総じて安全で住むのに人気で子供たちへの教育レベルが高いために、多くの子連れも周囲から引っ越してくるために家族用の家賃はあり得ないくらいに高いです。その住民税的なTaxで義務教育を行なっていますので全てが無料ですが、家賃が高騰する理由でもあると言えます。

いやはや、家賃の高騰・・、コレはほんとに困ったものです。。


ミシガン大学に移動しました。

2021-12-11 05:35:46 | University of Michigan
皆様、お久しぶりです。
 
いやはや長らくサボっていました!! 忙しすぎて、、というのも言い訳ですね。
 
11月から肉体的所属をShimane General Medicine Centerからミシガン大学に移しました。精神は愛すべき出雲においてきております。
 
今回の目的は、医療の質・安全× Hospital Medicine× 臨床教育×臨床研究×マネージメント(メンタリング、リーダーシップ)の勉強をするためです。どうしたら研究だけなく、臨床も教育も研究もマネージメントもいっぺんにメンターとなる人を作れるかなぁと悩んでいたところ、師匠徳田安春先生の導きでその分野で全て世界トップクラスの貢献をしているSanjay Saint先生の懐に飛び込ませていただきました。
学生時代の頃から、書籍を持ち歩いていたこと、また以前ブログで紹介したように(奇跡の縁です)、最も影響されたHarvard Business reveiwの論文を書かれている先生です。毎日一緒にワイワイ回診しているので、またコチラで紹介いたします。
 
正直なところ、圧倒的に仲間に恵まれ、日本で最も恵まれていたであろう上司からのバックアップもあり幸せな6年間でありました。
やはり、自分は人に支えられとてもラッキーだと思います。
 
それでも、我が国の医療や、総合診療、大学病院の中でのGeneralistの役割を考え続けてきたときに、まだまだ本当に頑張らないといけないことばかりと思います。
 
働きやすい幸せな環境にずっといると収入や家庭の安定など良い面もたくさんあるのですが・・
 
僕の経験上は僕は本当に弱いので長くいると感謝の気持ちが減って(本来医師として働けるだけ幸せのはず)、偉くなってしまったり、自分の部門だけの利益を考えたり、気持ちが驕ったり、発想や思考が固まってしまってり、新しいことに挑戦しなくなったりするので、自分の軸がブレるよりはまた初学者としてIn putを徹底的にする期間にしようと決めていました。初学者になることがとっても僕には大事と考えて続けています。
 
もちろん自分のこれまでの経験と学びは自分の武器として戦略的に使います。イノベーションは往々にして近接領域との融合で生まれることがありますので。
 
ということで、またまたまたまた移動したり新しい学びを始めたりしました。タイトルも7年前のバンコクの時から変わっていなかったのでシンプルに変更しました。だっさいタイトルのまま放置していました。
 
ぼちぼち、こちらで学んだこ日々の事をメモしていこうと思います。
 
*いやぁ、ミシガン大学の街と合体した美しい雰囲気に心躍っていたのも束の間、極寒です!写真は到着した日。