第四部 Generalist in 古都編

Generalist大学教員.湘南、城東、マヒドン、出雲、Harvard、Michiganを経て現在古都で奮闘中

Institute for Healthcare Improvement (IHI)の無料コンテンツ

2020-09-30 14:07:36 | Harvard medical school

みなさまこんにちわ。

以前からお伝えしている通り、優れた教育に対価を払う時代は過ぎ、優れた教育コンテンツは無料で解放される時代がきていると思います。

Institute for Healthcare Improvement (IHI)の最強にわかりやすい医療の質の理論のコンテンツ

http://www.ihi.org/education/IHIOpenSchool/resources/Pages/BobLloydWhiteboard.aspx

 

このようなものを見れば見るほど、極めて負担の大きい医学部教員の研究時間や臨床時間を確保するためにも

医学部の授業も知識的な部分はもう優れたコンテンツを持っている先生に全国統一されて、このようなオンデマンド学習に移行するのでは無いかと思います。

となると、僕のようにあまり取りえないが無い教員は直ぐに淘汰?されるかもしれませんが、それはそれでOKです。他にやるべきことへ移行できるだけですので(苦笑)

 

我が国でもハンコのために出勤などの文化がようやく見直されるようになりましたが、そのうち質の高い教育ということも考え直されるかもしれませんね。

ということで、医療の質のコンテンツ 無料です!どうぞ。

 

 

 

 

 

 

 


Harvard MHQS fall term 1ヶ月経ちました。

2020-09-28 12:36:32 | Harvard medical school

みなさまこんにちわ。省察のために、今月を振り返ってみます。

Full webの指導医講習会があったり、学会発表や講演がいくつもあったりで、なんとか乗り切りました。

ほとんどの場合は当直や作業をしながらスクラブ姿で発表(失礼しました!物理・時間的にダブルブッキングはもう避けられません)

 

MHQSの方は多分力の抜き加減もわかり、慣れてきました。えげつなく理解不能な難しい講義がある一方でとっても本質的な楽しい授業もあって

そもそも大学教員として本当に良い教育とは何かを常に考えさせられます。今回は少し省察して自分の学びを振り返ります。

 

一方的にBusyなスライドに文字をぎゅーぎゅーに詰め込んで、知識や自分の研究テーマを投げつけてくる自己満足的授業(Harvardではこれはまず無いですが)は、基本的に教員の教えた感的な満足感を満たすためにやっていることが多いです。学生さんにとって、文字がいっぱいのスライドが次から次へと早送りされて、結局90分座っていたけど何も身についていない?という不幸に時間になることもあるかもしれません。

なんどもいいますが、もうDigital native世代に90分黙って座ってスライドを読め!!はもう厳しいでしょう。

我々だって、江戸時代の寺子屋で正座で暗唱させられたら厳しいですよね。

 

それで、思うのですが学生一桁しかいないアットホーム なHarvard Medica schoolの教育のいいところの一つは(数百人規模のHSPHはわかりません)

”学び手が何を理解して何ができるようになったか?”

”人に教えることができるようになったか?”

そして面白いことにMHQSの最大のミッションは

”リーダーとして考え方を身につけて、現場で仲間と動くことができるようになったか??”

かなと思います。

こういった教育を受けている自分にメタ認知をしていてようやく気づきます。

 

7月の終わり、かなりしんどかったPatient safety Intensiveコースの最後の授業、Program Directorが自分の最後のスライドとメッセージで感動して泣いてしまっていたのをみて、彼女のその熱量に、その思いに大学院生一同が感銘を受けたのを思い出します。そういえば、Dubaiに集まったICRT卒業式でもGreat Mentor K.C が感動して涙をながされていたのをみて、その後続のための思いに感動したなぁということを3年ぶりに思いだしました。これはアメリカの文化なのかもしれませんね。

ディレクターのDr. Tessは次世代のリーダー、次世代のリーダー、毎日なんどもなんどもおっしゃっていたので、そういう思いで我々に教えてくださっているのかと思うと、自分も頑張ってやってきたつもりではいるのですが、そのマインドセットで教育できていたか反省をします。僕もそんなになれるかしら??

内容は、理解不可能な学問的なこともあればとんでもなく楽しい授業もあります。前回はブタの絵でした。

いかに詳細すぎる情報や説明が人のミスや勘違いを招くか?を実証する実験です。(良かれと思って僕らやっていませんか?)

とりあえず、国の機関や組織は文章で一方的に送りつけてくる傾向がありますが、本質は”受け手が理解し行動しなければならない”わけで、次のように面白い実験です。

ブタの絵をかけという説明書:しかし、これは恥ずかしい。左上が僕のです。

そして、無駄な説明書を省いて、結局最終的なアウトカムを絵的に見せた場合の結果。

みてください!この地球上バラバラの場所からの満場一致感。楽しいでしょ!?

 

僕はこの分野は必ず10年以内に日本で盛り上がると確信しています。Harvard Medical School MHQSは僕が初めての日本人なので、

もし僕がDrop outしてしまったら、不甲斐ない僕なんかのせいでイメージが悪くなり二度と日本人はとってくれなくなるかもしれないかもという適度なプレッシャーがあります。それだけはなんとしても避けねば!若い後続の方が学ぶチャンスを無くしてはならないとこちらは必死です。逆をいえば、次の若者たちのために僕が紹介することもできるわけなので。

 

そんなこんなで、自分たちの施設の医療の質を、教育の質を、人を呼び込み、盛り上げる講座の運命を(笑)色々な面で建設的に、成長させていくために必要なノウハウの全てを、今アラフォーの自分に叩き込もうと、朝から朝までなんとか頑張ってます。

 

 

 

 

 


指導医講習会 完全Web

2020-09-23 15:10:05 | 総合診療
完全Full web指導医講習会、やり遂げました!!緊張しました。振り返りました。
 
いやー凄かったです。本当に事務局とタスクのみなさまが一丸となってやった達成感がありました。
 
*すでに、質問を数件いただいており時間的に僕一人では答えられません。よろしければ、こちらから県事務局へ問い合わせください。
非常に優秀で熱心なので色々とノウハウを教えてくださると思います。
 
正直、ここまでできるとは思っていなかったので、本当に県庁や各市役所から出向いただいている事務局の皆様の凄さにつきます!
 
**やっぱり確信したのですが、年功序列や階級や役職を無視して30代、40代の事務スタッフがアイデア、発想力、行動力を持って突き進み、年長者が全て責任はとるので全部やって良いと支持しながらサポートする。それだけで、ここまですごいのかということがわかりました。
 
SNSとインターネットの時代に、オンライン授業の改革などが進まない理由がなんとなくわかりました。これはやった言葉ない、見たことがないことは心理的に進まないのですね。役職ある方はもう適任の方に任せて、権限譲渡と責任はとるという姿勢を見せることが本当に大事だということをこの仕事を通して学びました。医者だからとか、年齢や役職とか階級で人をマネージメントする時代ではもうやはりなくなっています。
 
さて、下記がそのアイデアや工夫のメモのなります。
 
【Full Web指導医講習会で使用したToolの例】
オンデマンド講義作成の工夫のための機材
ZOOM(ブレイクアウトいってらっしゃい・おかえりなさい)
Eden(事前学習とオンデマンドのプラットフォーム、評価アンケートも全て)
Jamboard(KJ法とアイデア出し、会議に)
Google document
Google Slide (全体のパワーポイント的発表に)
Spread sheet (事前に数式を入れて点数化等)
FacebookとLine(タスク全員の裏のやりとりに)
チャイムの音
拍手喝采の音
時計表示
皆の本気な気持ち
物理的小道具の郵送(色々なものを事前に開封できる形で郵送しておく)
振り返りのたまご
*Webでの修了証授与は本当にシュール。
 
思えば、夏に僕らタスク全員が慶應大学の井庭先生からオンラインの盛り上げ方を学ぶことから始めましたし、また参加者の4割がZOOMやオンライン会議を使用したことがないという状況から事前勉強会などで使いこなせるまで慣れきっていただけました。これは確実に県全体の指導医のオンライン教育の底上げができたと思います。
この数週間、島根のタスク先生方が病院の垣根なく一致団結していた感覚を味わえたことが、今年一番の収穫でした。
 
事務局のみなさま、公務員らしからぬ、良い意見とアイデアの前では役職階級無視と前例にとらわれない斬新な発想の出しあいと熱意が本当に素晴らしかったです。
 

Financial Management

2020-09-17 13:20:23 | Harvard medical school

さて、小話を一つ。ある日から境に、医師は経営戦略やマネージメントのことをやる様になることが多いです、例えば実験ばっかりやって論文をいっぱい書いたから、手技だけを一生懸命頑張った!などのベテランの先生方がいきなりマネージメント側に回るのは非常に無理があり、だいたいConflictが起こります。当たり前と思えば当たり前ですね。最近思うのは、大学での評価尺度は100年前から変わっていないということであり、本来経営やマネージメントのためには、そのための勉強や訓練が必要であると考えます。中間管理職になって、本当にそれを感じます。逆を言えば、僕はGlobisの本はほとんど好きで読みましたし(とってもチームビルディングで役に立っています)、独学でもある程度可能だと思います。今回は、医療の質の改善、大学の改革のためには医療施設の経営学が必要だと考えてHaravardのFinancialの講義を受けており、これがまた非常に難しくて(日本語でも難しくて)わからないのでいつか後輩の医師にわかりやすい内容を届けようとメモしていってます。無視してください(あえて公開することで、内容に責任をもつためです)

 

Financial Planning and Management in Healthcare Organization.  CSO 703について *勉強メモとアウトプット兼ねてます無視してください。

このコースの目的は?

This course will provide the basics of healthcare finances including accounting, business planning, revenue cycle management, and budgeting. The course will provide clinical operations leaders with a broad overview of healthcare reimbursement, policy, and delivery in the US and abroad. Students will learn about strategies that healthcare systems have taken to increase value and improve revenue, while reducing costs, including population health management trends and the use of integrated health systems. The course will provide the student with insights on how to develop and manage healthcare operations, capital, and research budgets, as well as departmental budgets. Students will gain understanding of reimbursement and payer mix and will learn strategies for managing costs and optimizing revenue. Students will learn basic principles of healthcare business planning and will explore approaches for program growth through enhancing case mix or developing service lines. The course will illustrate how health reform and regulatory changes can impact healthcare finances. Additionally, the course will prepare students for how to exercise leadership during budget processes or business planning, and how to track and monitor financial performance.

 僕ら医師が会計、事業計画、収支管理、予算編成を含む医療会計経営の考え方を体得する。コストを削減しながら医療の質と価値を高め、収益を向上させるために医療システムが取るべき戦略について学ぶ、とのこと。予算プロセスや事業計画中にどのように僕らが将来リーダーシップを発揮し、どのように財務効率を追跡し、監視するかについて準備する、と。

とりあえず成績は

小テストと課題 25%  グループ討論 15%  中間テスト 30%  期末テスト 30% = Total 100%

Financial statementsとは?財務諸表は、企業が利害関係者に対して一定期間の経営成績や財務状態等を明らかにするために複式簿記に基づき作成される書類(決算書)

Reimbursement(返済、償還)

バランスシート - 特定の時点での会社の財務状況の定量的な要約。最初の部分(資産)は会社が所有しているものを示し、第2の部分(負債)はそれが負っているものを示す。残り(純資産)は2つの間の差であり、組織の "内部留保 "を表す。

A balance sheet is a snapshot of an organization's financial status at a specific point in time!!

Assets = Liabilities + Net Assets(資産=負債+純資産

教科書は Dennis D. Pointer;Dennis M. Stillman. Essentials of Health Care Organization Finance: A Primer for Board Members

今日の感銘を受けた言葉。

As a director, you assume an awesome responsibility: stewardship of your community's most precious resource. Second, health care organizations are businesses and must be financially sound to remain in business. One of your most important roles as a director is to ensure this. Third, all issues coming before your board-strategic, operational, and clinical-have financial implications. Fourth, to govern wisely, effectively, and creatively, you must understand and be able to employ basic accounting and finance concepts. Fifth, your board must receive useful, meaningful, accurate, and timely financial information. The focus, form, and format of this information are quite different from what is required by financial professionals and executives.*

私見:賢く、効果的に、そして創造的に病院を運営するためには、基本的な会計と財務の概念を理解が必須で、とは言っても医療はビジネスとして確実に担保できるレベルにいなければならないし、かと言って企業などの経営とは全く異なるために独自の意識と学びが必要。

私見:Recognize that inaccurate estimates pose a significant risk because they result in overestimating or underestimating net revenues and hence profits.不正確な見積もりは、純収益、ひいては利益を過大評価したり過小評価したりする結果となるため、重大なリ スクをもたらすことを認識。Generally accepted accounting principles (GAAP)に沿っているか?

 

*Essentials of Health Care Organization Finance: A Primer for Board Members (Kindle の位置No.72-73). 

#Working capital とは?次の計算。組織の現在の流動性を評価する。

Working capital=Current assets - Current liabilities

#Payroll accruals とは?支払われる予定の、salaries, wages, benefits, and payroll taxes. 

#Total margin is an organization's bottom line, the overall (and the most general) measure of profitability: 総利益率は、組織のボトムラインであり、収益性の全体的な(そして最も一般的な)尺度である。

 

非営利団体/組織について:

The term nonprofit organization is the ultimate misnomer. No organization can survive or thrive over the long run without profits-margins generated by an excess of total revenues over total expenses. 究極的には間違った名前の使いかたであり、全ての医療組織で利益()を出さないと、健全なマネージメントができない。また数字に表出しない院内施設の雰囲気や文化、安全や、医療の質、ひいては患者の予後に影響する。

 

 

Week1

金融市場の外から見た医療業界の見方を理解する
非課税融資の準備に使う書類の種類を見直す
債券制限条項とHC組織の業務パフォーマンスの期待値との関連性
デュポンの分析を使用して、主要な財務比率が財務からどのように導出されるかを理解します。

 

Depreciation  有形固定資産の減価償却費を意味。

Amortization ソフトウェア等の無形固定資産の償却費

 

3つのタイプの病院経営のFinancial analysisがある!

Horizontal analysis: focuses on individual lines in financial statements. Increases creases and decreases across two or more accounting periods are calculated. 財務諸表の個々の行に焦点を当てる。2つ以上の会計期間にわたって増加し、増加し、減少することを計算. メリットは、わかりやすい、変化がわかる、次に何をすべきか想起しやすい。

Vertical analysis: focuses on two lines of a financial statement (in a single accounting period), expressing one as a percentage of the other. This standardizes dardizes for changes in size or volume over time and adjusts for differences between organizations (in comparative analyses). Unlike horizontal analysis, sis, measures are relative, rather than absolute. 財務諸表の1つの会計期間内にのみ焦点を当て、一方を他方の割合として表現。簡単に言うと、今年の医療マネージメンのみの収入/総歳入の割合などで表現。規模や量の経年変化を標準化できるし組織間の違いも調整可能。水平分析とは異なり割合なので相対的なものとなる。

Ratio analysis: 

極論すると外部の人が見ても一瞬でわかるように、Ratio analysisは分析・計画・決定のための組織の財務状態を査定。なぜかと言うとその計算が標準化されており、組織の財務状況を評価し、同種の機関との比較を行うためのベンチマークが利用可能だから。

主に4つ liquidity, profitability, capital structure, and activity. 流動性、収益性、資本構造、および活動ががある。

Week2

Understand the impact of payment systems on government policy.
Review the types of payment systems and how they are impacted by regulation.
Describe how the payment approaches incent operational behavior.
Compare fee for service and population health management

全くわからない。一つ一つ調べて保険システムを理解するしかなさそう。

 

主な公的医療保険制度として、メディケア(Medicare)とメディケイド(Medicaid)がある。メディケアは、65歳以上の高齢者、身体障がいを持つ人、および透析や移植を必要とする重度の腎臓障害を持つ人を対象とした連邦政府が運営する制度で、メディケイドは、低所得者を対象に、州政府と連邦政府によって運営されている。 そのため、これらの制度の対象外となる人は民間の保険への加入を検討する必要がある

Medicaid
アメリカにおける低所得者を対象とした公的医療扶助制度(1965年設立)のこと.加入に際しては,資力調査(means test)が行われ,一定水準以上の資産を有する者は対象外とされる.

Medicare
アメリカにおける65歳以上の高齢者,2年間以上障害給付を受給している,慢性腎不全患者に対する医療保障制度(1965年設立).運営は連邦政府.入院費用を補償するメディケア・パートAは強制加入,外来費用を補償するメディケア・パートBは任意加入.パートA,パートBともに診療報酬の支払いは出来高払い方式となっている.メディケア適用対象者は,パートA,パートBに代えてメディケア・パートC(Medicare Advantage)と呼ばれる民間保険会社が提供するマネジドケア型あるいはインデムニティ型の健康保険プランを選択することも可能となっている.

Allowed Amount

 保険でカバーされる医療サービスにおいて、保険給付計算の対象となる金額。Eligible Expense、Payment Allowance、Negotiated Rateと呼ばれることもある。医療機関が、Allowed Amountを超える金額を請求した場合、その差額を保険加入者が支払う。

Balance Billing

 医療機関が医療サービスに対する請求額と保険会社が保険給付精算の対象とするAllowed Amount の差額を請求することをBalance Billingという。例えば、保険でカバーされる医療サービスに対する医療機関の請求額が100ドルで、Allowed Amountが70ドルの場合、医療機関は保険加入者の自己負担分に加え、差額の30ドルを保険加入者に請求する可能性がある。ネットワーク内の医療機関を利用した場合、医療機関からの差額の請求は発生しない。

Co-Insurance(保険給付割合)

保険でカバーされる医療サービスにおいて、保険給付精算の対象となるAllowed Amountに対し、保険加入者が支払う医療費割合(%)のこと。Deductibleが設定されている場合は、Co-InsuranceとDeductibleの両方が自己負担となる。例えば、加入者のCo-Insuranceが20%でDeductibleをすでに満たしている場合、医療サービスに対するAllowed Amountが100ドルであれば、20ドルが個人負担、残りの80ドルは保険会社の負担となる。

Co-Payment

 保険でカバーされる医療サービスを受ける際に、医療機関に対して支払う一定額(例:通院につき15ドル)のことを指し、保険加入者の自己負担となる医療費割合(%)を指すCo-Insuranceとは異なる。診療所や病院など、医療サービスのタイプによって金額が異なる場合がある。

Deductible(年間当初自己負担額、あるいは保険会社免責額)

 保険会社から保険金給付が開始される前に、保険加入者が負担する金額。例えば、Deductibleが1,000ドルの場合、Deductibleの対象となる医療サービスは1,000ドルまですべて自己負担をしないと、保険金の給付がされない。一部の予防医療サービスなど、すべての医療サービスがDeductibleの対象となるわけではない。

Out-of-Pocket-Maximum(年間自己負担限度額)

保険対象となる医療費支払いの自己負担額の上限(通常暦年で設定されている)。当該上限を超えた医療費の支払については、原則、保険会社が「Allowed Amount」の100%を給付。医療保険改革法は、既得権プラン(Grandfathered Plan)[注①]を除くすべての医療保険プランは、Co-Payment・Deductible・Co-Insurance・Essential Health Benefits(検体検査や予防医療サービスなど10項目の医療サービス)に対する支払いについて、Out-of-Pocket Maximumの計算対象としなければならないと定めている。また、保険料・ネットワーク外の医療機関を利用した際のBalance Billing・エッセンシャルヘルスベネフィット以外の医療サービスに対する支払いは、Out-of-Pocket Maximumの計算に含めなくてもよいとしている。

医療制度改革法成立時(2010年3月23日)に既に存在していたプランのこと。これらのプランには既得権が付与され、医療保険改革法の一部条項が適用除外となる。給付水準の引き下げや自己負担額の増加など、プランに大幅な変更があった場合、既得権がなくなる場合がある。

 

UCR(Usual, Customary and Reasonable)

同じ地域内で同一または類似の医療サービスが、一般的に請求されている額をもとに地域毎に設定された医療費の基準額。UCRは、一般的に、ネットワーク外の医療機関を利用した際のAllowed Amountの設定に使われることがある。

 

医療保険の種類

 以下は、代表的な医療保険プランタイプの概要である。(※保険プランの仕組み・内容・条件等については、州法やプランを提供する医療保険会社によって異なる。

Indemnity

 通常、Indemnityの場合、医療機関は自由に選択でき、紹介状(referral)なしで、専門医にかかることができる。医師が直接保険会社に医療費を請求し、保険会社から保険給付を得てから保険加入者に差額を請求する場合もあれば、保険加入者が一旦、医療費の全額を立て替え、保険会社に保険給付を請求しなければならない場合もある。

PPO (Preferred Provider Organization)

 PPOとは保険会社が、病院や医師など医療機関と契約してネットワークを形成したものである。ネットワーク内の医療機関を利用した場合、医療費の支払いに対し事前に取り決められた割引料金が適用される。ネットワーク外の医療機関の利用も可能であるが、通常、保険加入者の負担がネットワーク内の医療機関の利用に比べて多くなる(P.●図2参照)。就業者向け医療保険ではPPOが現在主流であり、地域差はあるものの、約5割がPPOを利用している。

HMO( Health Maintenance Organization)

 保険加入者は、HMOネットワークに加盟する主治医(Primary Care Physician)を指定し、その主治医が適切な医療を指示するプランである。一般的に、緊急時を除き、ネットワーク外の医療機関を利用した場合、保険は適用されない。

POS(Point of Service)

 PPOとHMOの中間プランである。通常、主治医を指定しなければならない点は、HMOと類似している。一般的に、ネットワーク内であれば、主治医の紹介なしでも他の医療機関を利用することが可能である。ネットワーク外の医療機関を利用する場合は、主治医からの紹介が必要な場合もあり、また、保険加入者の負担はネットワーク内の医療機関の利用に比べて大きくなる。

HDHP (High Deductible Health Plan)

従来の保険プランに比べ自己負担額(免責額)が高く設定されたプランで、HSA(Health Savings Account)やHRA(Health Reimbursement Arrangement)など、医療費の支払を目的に非課税で拠出・積立が可能な医療積立口座と併用して利用することができる。
内国歳入庁(IRS)によるHDHPの2018年度の規定は、Deductibleが本人1,350ドル以上、家族計2,700ドル以上、Out-of-Pocket-Maximumは本人6,650ドル以下、家族計1万3,300ドル以下となっている。

歯科保険

治療内容を予防治療、基礎治療、高額治療の3つに区分し、それぞれ異なるCo-Insuranceを適用してプランを作成するのが一般的である。医療保険の場合、Out-of-Pocket-Maximum(年間自己負担限度額)として自己負担の上限額が設定されている。しかし歯科保険の場合はこれとは逆に、保険会社負担のMaximum Benefit(年間保険給付限度額)を設定し、これを超える金額はすべて保険加入者が負担するプランが標準的である。また、日本の健康保険では対象外となる歯列矯正をカバーするプランもある。(※保険プランの仕組み・内容・条件等については、州法やプランを提供する医療保険会社によって異なる。)

診療報酬の3つの代表的な支払い方法 Traditionally, there have been three main forms of reimbursement in the healthcare marketplace: Fee for Service (FFS), Capitation, and Bundled Payments / Episode-Based Payments. The structure of these reimbursement approaches, along with potential unintended consequences, are described below.

 

Fee-for-Service (FFS): 最も一般的な診療報酬体系であり、提供者が行うサービスが多ければ多いほど、提供者はより多くの報酬を得るべきである。逆に言えば、提供者が行うサービスが少なければ少ないほど、提供者の報酬は少なくなる

Bundled Payment or Case Rate: 極論すると1症例に対するレートが決まっている。Case rate. この診療報酬支払いでは、プロバイダは、どのようなサービスを提供しても患者一人ごとに一律の償還率を受け取る。病院では、外科手術に関連するすべてのサービスが「一括払い」の対象となる。例えば、手術の場合、麻酔科医、外科医、施設が別々の請求書を提出するのではなく、病院は手術に関連するすべてのサービスを一括して請求する。問題点は?リスクの高い患者を見なくなる?

Capitation:一定期間に指定された母集団のすべてのサービスをカバーするためにプロバイダが受け取る支払いのことである。例えば、ある医院では100人の患者がいて、その月の患者に関連するすべての費用をカバーするために、患者1人につき月25ドルが支払われる。これは、複雑性の高い患者を見れば見るほど家庭医が損するシステム?→やはり調整あり。支給額の調整は、患者の年齢/性別、患者の居住地、患者の健康状態(慢性疾患)など、多くの要因に基づいて行われるが複雑すぎる。

IPPS: Inpatient Prospective Payment System : メディケア・メディケイド・サービスセンター(CMS)が、メディケア・パートAの下でメディケア・フィー・フォー・サービスの患者に提供される入院サービスに対して短期急性期病院(STACH)に支払う支払いシステム。各入院患者は、ICD-10に基づいてメディケアの重症度調整診断関連グループ(MS-DRG)に分類(患者の請求書に記載されている手順と診断コード)

HOPPS:Hospital Outpatient Prospective Payment System,  HOPPS は、メディケアの患者診察料の外来サービスをカバー。また、Medicare パート A での支払いができない場合に入院患者に提供される特定のメディケアパート B サービスもカバー。CMSは、個々のサービス(CPT/HCPCSコードで分類されたもの)をAmbulatory Payment Classifications 外来支払分類(APC)コードグループに割り当てて支払う。(おそらく)診察の手技や内容でパッケージ化されており、短期の入院があった場合にはそれらを日割りで計算する。
 
Medicare Physician Fee Schedule (MPFS): 
 メディケア医師料(MPFS)は、CMSが医師やその他の医療機関に支払う支払いシステム。介護専門職、またはサービス提供者/供給者が、サービス料金(FFS)ベースで請求のために使用する。主に医師としてのサービスを対象にするが- オフィス訪問、外科処置、麻酔サービス、診断検査、放射線なども
 
 
Prospective Bundle Approach
•Reduce internal costs
•Offer discounted price
•Increase volume

 

Retrospective Bundle Approach
•Hospital continues to bill under traditional DRG system
•Minimize readmissions
•Limit rehab use
 
RBRVS(resource-based relative valuescale,資源ベースの相対評価尺度):田倉 智之先生 日本内科学会雑誌 第103巻 第12号・平成26年12月10日論文を要約。(正直、米国政府報告書を読んでも最初さっぱりでしたが、これを偶然読ませていただいてスッと入ってくるようになりました)
 
RBRVS:背景に,医療システムを取り巻く社会経済的な環境変化が挙げられる.1980 年代までの米国Medicareは,約 25 年間に渡りCPR(customary prevailing and reasonable)方式,すなわち
「実際の請求実績に基づく料金設定方式」により医師に対する給付を行ってきた.しかし,保険代行機関による給付額格差や診療形態と医療技術の変化への対応の遅れ,医療費高騰や病院経営難などの問題が顕在化したことにより,新たな償還方式の検討が進められた.その結果,全国の統一基準として,入院料に対するDRG-PPS(diagnosis related groups―prospective payment system,診断群別包括的支払方式)に続き,医師技術料については,CPT(physicianʼs current procedural terminology,診療報酬支払コード)にRBRVが導入された(1992年).
 
RVU relative value unit:米国の医師技術料は,技術やストレスをも包含する提供負荷としており、その手技の難易度や、疾患の難しさや負担なども包括して勘定する。RVUは,ハーバード大学(これを務めた先生達習っています)とAmerican Medical Associationおよび 連邦医療財務局(Health Care Financing Administration:HCFA)と診療提 供に伴う医師負荷と投入資源の研究 から導き出された.
 
 
病院経営でマネジャーとプレイヤーの関係がうまくいくためには
•Transparency and Data Exchange 透明性とデータの共有
•Aligning Incentives  インセンティブの調整
• Improvements in consumer experience and engagement 消費者体験とエンゲージメントの向上
•Commitment to total cost of care reduction  ケアの総費用削減への取り組み 
Preventative care 予防医療
The right care in the right setting  適切な環境での適切なケア
Addressing Social Determinants of Health  健康の社会的決定要因への取り組み 
•Adhering to Quality Metrics and Analytic Tools 質の指標と分析を重視する
 

 

Revenue Cycle: the part of the healthcare system relating to (primarily) the administrative function for capturing, managing and collection of patient revenue. 患者の収入を把握し、管理し、収集するための(主に)管理機能に関連する医療システム

 

EHR (Electronic Health Record): Where patient clinical and financial data is entered, managed and stored

Credentialing and Enrollment: Credentialing is the process of establishing a provider’s privileges to practice medicine at a particular facility while Enrollment describes the process of a provider joining an insurance plan’s network. 特定の施設で医療を行うためのプロバイダー医療行為を確立するプロセス、登録はプロバイダーが保険プランのネットワークに加入するプロセス(日本で言う保険医登録のことか?)。

Charges (Patient Service Revenue): the dollars associated with clinical activity which are sent to insurance companies and governmental agencies

Payments (Net Patient Service Revenue): the payments paid to providers or hospitals for the charges sent to them for their members’ clinical activity

Payer Denials: charges denied for payment by an insurance company; some denial decisions can be appealed while others cannot. The potential reasons for a denial are many 保険会社からの支払いを拒否された診療報酬、一部の拒否決定は上訴できる、そうでないものもある。拒否の理由は様々。

Contractual Allowances: the reduction of providers’ charges to an agreed upon rate

Denial Write Offs: charges deemed uncollectible which are adjusted to a zero balance 回収不能と判断された料金は、残高ゼロに調整

Accounts Receivable: the amount of money owed to a healthcare institution by insurance plans and patients

Collection Rates (Gross, Net, Adjudicated) – ratios used to measure financial performance in claim processing and accounts receivable management 債権処理および売掛金管理における財務パフォーマンスを測定するために使用される比率

Coding: the process of converting procedures and diagnoses into universal alphanumeric codes

CPT (Current Procedural Terminology) Codes: codes used to describe what was done to or for a patient 患者のために何が行われたかを記述するために使用されるコード

Diagnosis Codes: codes used to describe why a procedure was done to or for a patient 手順や診断を普遍的な英数字コードに変換するプロセス

RVU: Relative Value Unites are used to measure the value of a service rendered by a provider. RVUs are correlated with CPT Codes プロバイダが提供するサービスの価値を測定するために使用

Bad Debt: usually related to patient balances, the amount of money which is deemed uncollectible and therefore written off 残高に関連して、回収不能とみなされたもの

Claims: CPTs and Diagnosis Codes are sent to insurance plans on a claim 診療報酬請求

Payment Posting: the act of transferring payment from an insurance plan or patient to the providers’ EHR 保険プランや患者からプロバイダーのEHRに支払いを転送する行為

  •  
 
 
Revenue Cycle 効率的な収益サイクルは、成功するヘルスケア組織の柱の1つ
 

In order to develop a frictionless revenue cycle, organizations need to consider the basic steps involved:

• Scheduling/pre-registration

• Point of service registration counseling collections

• Encounter utilization review and case management

• Charge capture and coding

• Claim submissions

• Third party follow-up

• Remittance processing and rejections

• Payment posting, appeals and collections.

 *Examining the Basics of the Healthcare Revenue Cycle: https://revcycleintelligence.com/news/examining-the-basics-of-the-health-care-revenue-cycle
 

システム統合–収益サイクルシステムは非常にサイロ化される可能性があります。これは、収益機会の喪失につながります。組織は、患者の会計、請求、収集、および電子健康記録を組み合わせることができる統合されたソフトウェアおよびハードウェアシステムを調べる必要があります。

請求と請求の管理–拒否と拒否された請求の削減、拒否管理プロセスに関するスタッフのトレーニング、ポイントオブサービスの収集の改善、患者への請求の遅延の削減はすべて、収益サイクルの生産性を向上させることができます。

連絡先分析–確かなデータと適切な戦略で、病院やその他のプロバイダーが交渉セッションを活用する。収益サイクルには料金を効果的に交渉し、必要に応じて契約プロセスを調整して、支払者との収益機会を増やす自信がなければなりません。

コーディング/ ICD-10– ICD-10ですべてが正しくコーディングされていることを確認する。これは、1回のミスで過剰請求が発生し、医療機関が監査に失敗する可能性があるためです。

臨床文書の要求– ICD-10と同様に、その他の電子文書ソリューションなどのシステムも収益システムに影響を与える可能性があります。

 

 
 
 
Medical Coding:  ヘルスケアの診断、処置、医療サービス、機器などを普遍的な医療用英数字コードに変換すること。診断と手順のコードは、医師のカルテ、検査結果や放射線検査結果などの医療記録文書から取得。医療コーディングの専門家は、文書から情報を抽出し、適切なコードを割り当て、保険会社によって支払われる請求書を作成する。文書化は、患者の継続的な記録であるだけでなく医療提供者がどのようにして支払いを受けるかの基礎となる。基本的に、医療提供者(またはその組織)が行ったことを「標準化された医療英数字コード」に変換できなければ、提供されたサービスに対する支払いは発生しない。
  • ICD-10-CM (International Classification of Diseases, 10th Edition, Clinically Modified)*
  • CPT® (Current Procedure Terminology*
  • Modifiers*
  • ICD-10-PCS (International Classification of Diseases, 10th Edition, Procedural Coding System)
  • HCPCS Level II (Health Care Procedural Coding System, Level II)
  • CDT® (Code on Dental Procedures and Nomenclature)
  • NDC (National Drug Codes)
  • MS-DRG and APC
  • MS-DRG (Medical Severity Diagnosis Related Groups)
  • APC (Ambulatory Payment Categories)

CPTは10,500種類以上、ICDは約70,000種類、修飾子は約100種類あります。可能な組み合わせの数は膨大。なので、ほぼ無限大

Medical codingはRevenue Cycle Managementプロセスの中で最もコストのかかる仕事。

  • MDを巻き込んでも人件費・経済的には意味がない
  • RCMコストの25 %を占めている (そんなに!?)
  • Codingをする職種は需要が高く、報酬が高く、常に人材不足。
  • 新しいコードや規制に関する継続的なトレーニング、認証や資格取得は基本的に必要です

 

インパクトが強く、間違えるとコストや収益に影響を与える

  • コーディング・エラーは収益の低下につながり、オーバーコーディングは診療報酬請求の却下、再処理、高額なペナルティにつながる可能性。
  • コーディングは、プロバイダーが経験する事務的負担の一部であり、その結果、患者との時間が減り、歩留まりが低下します。


毎年膨大な数の診療報酬請求が処理され、大規模かつ複雑なものとなる。

  •  年間120億件のクレームが処理され、~30%が外来に関連しています。
  • すべてのクレームを手作業でコーディングすることは非現実的であり、請求可能なサービスの5%が完全に見落とされている
  • 診察やサービスに関する内容は自動的かつ電子的にコードを事前に選択し、順序付けおよびスケジューリング情報を使用している

 

Cost Accounting について 

Strategy 3-5年のVisionがいる!(病院には本来は長期ビジョンと戦略が必要。しかし、日本は年功序列)

Planning Management Control  (それより少し短い時間で合理的に達成するか?)

Operational Control      (毎日の運営)

定義:Cost accounting definition 

サービスを実行するための費用を測定記録し、報告するための体系的な手順の総称。コストを認識し、分類し、配分し、集計し、報告し、標準的なコストとそれらを比較するために用いる。

 

Cost Accounting Systems:一般的に臨床データと財務データのリポジトリを結びつけ、病院のあらゆるレベルの重要な意思決定者に経営計画、分析、コスト管理のツールを提供します。もっとも核となる考え方は、サービスの単位当たりのコストを計算する原価計算モデル(例えば,

MRI1回いくら、CBCはいくら、1時間の看護量はいくらetc)

HFMAのソースでは、どのように病院のコストを計算しているか?の問いに対して1:診療報酬請求と費用、2:RVUが計算、専門家を雇用、3:外部第三機関に、4:電子カルテから患者の記録から

病院の直接コストと間接コスト

In addition to Direct and Indirect Costs, we identify Variable Cost that have a relationship with volume, and also Fixed Cost. This is important to understanding how expenses will be impacted by varying level of volume and when forecasting future expense. ようは、教育部門や非採算部門医療安全、チーフレジデント、教育専任医師、広い講義では研究者は直接的に病院の収益に貢献しないが、バランスで見ることができるかどうかが経営ではとても大事。 

*授業では、Case study Lenny's Lemonadeの経営をめぐる、直接間接経費の考え方を学んだが楽しかった。直接的な$1.5/杯の収益に関係ない経費は全て間接になる。

*https://en.wikipedia.org/wiki/Variable_cost Wkipediaより

根本的な考え方として、Semi variable はFix とvariableに分解できるので。

 

  Direct costs Indirect costs
Variable costs    
Fixed costs    

 こう言うTwo by two tableで分析を行うと良い。下記で考える

P(一単位毎の収益)*X(総回数)  = a (fixed costs)+ b(variable costs)*X(総回数)

 

・上記のような、経営コストの考え方や委員会に医師を関わらせコミュニケーションをとることで、あるデータでは全国的にメディケアのコストよりも15%低いコストを実現し、このケアの質を19%向上させることに成功するなど重要とのこと。

・ データ収集と意思決定をサポートするための経営ガバナンス構造を開発する "やる気のあるガバナンス組織がある場合、これらの代表者は、コストの透明性の担保するはず。ガバナンスが緩いと、コストをめぐる医師や他の利害関係者との厳しい会話ができなくなってしまいナァナァな縦割り構造に。

・最初の段階からビジネスサイドと臨床サイドの関係者を揃える

 

 

 
 
 
 

Harvard ICRT Japan

2020-09-14 12:32:33 | Harvard medical school

みなさまこんにちわ。

偉大なMentor K.Cから日本で紹介する様にとご依頼がありました。ICRT-Japanのお知らせです。

これは、ハーバード大学医学部がはるか前から既に完全にOn campus+Online化すでにしており、体系的に確立されたとても臨床研究者としての実践力を身につけるプログラムです。

Introductionと書いてありますが、すでに臨床研究に従事されている人も多いので、一人で研究計画書を書いて、英語でプレゼンして、STATAを用いて、一般的な論文作成の95%は網羅しているであろうデータ解析等を体得できます(Deep learningや普通の臨床医が使用しない難しい解析は含まれていませんがまず十分です)。

特にSTATAに関しては、本当に大嫌いだったプログラミングが、いつの間にか必ずできる様になるようになり、カリキュラムの進行や教育の進め方が戦略的に工夫されておりオンライン教育を展開している自分としても理想的な、コンテンツと手法で、これは本当におすすめです(教育スタイルは、実はものすごくパクらせてもらいました 笑)。

MPHなどに行かれるのもとても良い考えとは思いますが、日本にいながら働きながら論文を書きたい!臨床研究の実践の部分だけを学びたい!という方には世界的に優れたプログラムの一つであると思います。

よろしければHomepageをご覧になってください。

https://postgraduateeducation.hms.harvard.edu/certificate-programs/research-programs/introduction-clinical-research-training-japan?utm_source=referral&utm_medium=social&utm_campaign=icrtj2020&utm_content=hms-partner

 


HQS701 Quality and Systems

2020-09-06 11:07:09 | Harvard medical school

Quality and Systems [HQS 701]   *これはブログ管理者がアウトプットをまとめるための個人的なメモです。いずれ簡単にわかりやすくまとめます。

コースの概要:

20% Participation/Attendance 出席のみ: 5-minute rewind will count toward participation.

20% 毎週の振り返りと試験:40% (Quiz: 12%, Case-based assignments: 12%, Discussion boards: 12%, survey critique: 4%) 

20%Personal Improvement Project5%(first draft), Final draft (15%)

20% 期末試験

*教科書はThe Improvement Guide: A Practical Approach to Enhancing Organizational Performance 

 

Kruk ME et al, The Lancet, Sept 2018

Demingがシステム改善のために提唱した4つの考え方

  1. Appreciation for a system 会社のプロセスとシステムが機能する方法の理解
  2. Knowledge about variation 発生する変化と変化の原因の理解
  3. Theory of knowledge   認識・知ることができるものが何かを理解
  4. Knowledge of psychology 人間とは人間性の理解

また、今のシステム改善のための14の戦略の提唱:

 Shewart Cycle (Plan-Do-Check-Act)と4つのProfound Knowledge 質は総コストに対する作業努力の結果と同じ!

Total Quality Management (TQM) as a Project Management Strategy

日本で開発!米国で普及:この質管理方法 1950年代から存在。Six sigmaやその他の品質管理手法と同様に、TQMは顧客ベース。言い換えれば、この方法論は品質を定義するために顧客に目を向けていて、TQMは職場の階層に依存。最高管理職は従業員向けのTQM原則を現場に落とし込み、常に改善していくことをモデル化する必要。

The fourteen points of Deming’s theory of total quality management are as follows:

1. 常に改善のための目的を持つ
2. 新しい考え方を採用する。
3. 質を良くするために点検や検査への依存を止める。
4.慣れた人材を採用することで総費用を最小に。
5. 計画、生産、サービスのためのすべてのプロセスを絶えずそして永遠に改善させる。
6. 職場での研修を実施。 
7. リーダーシップを採用し、任せて、導入する。
8. 変革を恐れない。
9. スタッフの部門間のセクショナリズムを壊す。
10. 労働力のためのスローガン、奨励、訓告をやめる。
11. 労働力や管理のための単に数字的確認(四半期など)をやめる。
12. 働き手の技量への誇りを奪ってならず、単なる年次評価か功労者制度をやめる。
13. 全員の教育と自己啓発を積極的に実施。
14. 変革を達成するために組織のすべての人に責任を与える。

Deming, 14 Points of Organizational Improvement

これって、TOYOTAのKAIZENのままですね。

どうやって、組織を改善を維持させるか? Sustaining Improvement on Quality Measures

1. Declare and Communicate Goals  ゴールの設定と見える化

2. Create an Enabling Infrastructure  組織の重要インフラを整える

3. Engage Clinicians in Learning Communities 学ぶ環境に臨床医を巻き込む

4. Report Transparently        報告の透明性絶対

5. Create Accountability Systems   不安のない信頼できる

6. Use Principles of Reliability in Process Design 信頼性の原則をプロセス設計に活かす

*Provonost P, et al, J Comm J on Qual Pt Saf, 2016, Feb, 42 (2) 51-60

 

Organizational Factors Associated with High Performance in Quality and Safety in Academic Medical Centers→これは面白い。優れた医療の質を提供でるLeading hospitalの特徴。思えば、自分の育った環境もこれに近い。なんか看護師から受付事務、そして清掃の方まで、統一したコンセプトがあった。

• Shared Sense of Purpose:目的の明確化とシェアができている。

• Hands-on Leadership Style:リーダー自らやる姿勢(これ大事)

• Accountability Systems for Results:色々と信頼

• A Culture of Teamwork and Collaboration:チームビルディングの文化が普通にある

• A Focus on Internal Measurement and Results:組織内での測定とその結果を重視している

* Keroack MA et al, Acad Med, 82 (12), Dec 2008

 

Crossing the Quality Chasm: A New Health System for the 21st Century Äb0Committee on Quality

医療界にとって衝撃的すぎるTo Err is HumanがIOMから発表された文献で、メインとして下記の6つの事を最終目標にすることがうたわれた。これにより、医療の質と安全はこれを目指すことが明文化された。やはり、なぜ自分のような総合医であるホスピタリストがこのような事を興味があったかわかった。意識してきたこなかったが、より効率的で、効果的で、安全で、公平で、患者中心(臓器や病気だけみない!)というこの目的が非常にホスピタリストと親和性が高いからだったのだと気づく。

  1. Safe—avoiding injuries to patients from the care that is intended to help them.
  2. Effective—providing services based on scientific knowledge to all who could benefit and refraining from providing services to those not likely to benefit (avoiding underuse and overuse, respectively).
  3. Patient-centered—providing care that is respectful of and responsive to individual patient preferences, needs, and values and ensuring that patient values guide all clinical decisions.
  4. Timely—reducing waits and sometimes harmful delays for both those who receive and those who give care.
  5.  Efficient—avoiding waste, including waste of equipment, supplies, ideas, and energy.
  6. Equitable—providing care that does not vary in quality because of a personal characteristic

IHI レポートについて A Framework for Safe, Reliable, and Effective Care

Six patient safety “resolutions” for the new year — to ensure the great strides already made are sustained and to expand our thinking about safety: 1. Focus on what goes right as well as learning from what goes wrong; 2. Move to greater proactivity; 3. Create systems for learning from learning; 4. Be humble — build trust and transparency; 5. Co-produce safety with patients and families; and 6. Recognize that safety is more than the absence of physical harm; it is also the pursuit of dignity and equity.

1. うまくいったことに焦点を当てるだけでなく、うまくいかないことから学ぶことにも焦点を当てる。
2. より積極的に行動する。
3. 学習から学ぶ仕組みを作る。
4. 謙虚になる-信頼と透明性を築く。
5. 患者・家族と安全性を共同でプロデュースする。
6. 安全とは、身体的危害がないこと以上のもので、尊厳と公平性の追求であることを認識する。

 

・フレームワークは、文化と学習システムという2つの基本部位と、リーダーシップ、心理的安全性、説明責任、チームワーク、コミュニケーション、交渉、透明性、信頼性、改善と測定、継続的な学習という9つの相互に関連する要素に分ける。

・このフレームワークのいずれかの側面の実施に向けて取り組んでいるか?どの程度進んでいるか?何が機能しているのか? 何がうまくいっていないのか? この認識することによって、組織がどこに注意と努力を集中する必要があるか明確にできる!the framework helps make sense of an organization’s prior work on safety, highlighting areas of strength as well as gaps.

・誰が理解し扱うべきか?:The components of the framework emerged as part of collective work to develop the curriculum, which teaches the concepts and strategies with which a patient safety officer must be familiar. 

 

The framework serves several purposes. First and foremost, organizations can use it as a roadmap to guide them in applying the principles contained therein. Second, they can use it as a diagnostic tool to determine how well (or even if) they are pursuing the different components of the framework.

フレームワークの核心は、患者とその家族の関与。つまり、フレームワークの実行に関わるすべての努力は、ケアの連続性の中で患者と家族にとって最良の結果を実現するためのものでなければならない!! 

なぜ二つに分けられているか?医療の質の向上はのフレームは基本的にこの2つ、「文化」と「学習システム」に含まれる。鳥か卵問題になりやすいが、基本的にはこんフレームの中で、複雑に交絡して改善するサイクルを回していく事になる。(持論のレクチャーよりカルチャー論争はやはり間違っていない) 

 

ハーバードビジネスレビューから(https://hbr.org/2013/11/a-framework-for-reducing-suffering-in-health-care)

患者が受ける苦痛はAvoidableとUnavoidableに分けている。テストの山、

医師は特に臨床的苦痛に集中する傾向があるが—症状を軽減し、根本的な病気を治療し、副作用を防ぐ。すべての臨床医は、情報を提供し、患者の病院外での環境や、その不安や恐れを知り、軽減し、思いやりを示し、信頼を確立することにより、心理社会的苦痛を軽減する必要がある。→これ、もろに総合診療ですね・・。僕らはUnavoidable sufferingを極限まで減らし(Mitigate)、かつAvoidableな苦しみを0に近づける(Eliminate)ことがQIの役目。

 

改善のた目には、公式、非公式に経験に裏打ちされた確かな知識と、appropriate subject matter knowledge acquired through formal and informal learning and reinforced with experiences.

Methodology とQI toolの違いは説明できるか?:前者は設計図(例えばIKEAの説明者),後者は道具箱(ドライバーやハンマーetc) 

 

QIの3つのメイン methodologyをまとめます。

Six Sigma(-6SD):基本コンセプト ハズレ・エラーを極力減らして改善!

ハズレの値の抑制!(つまりはあり得ない頻度の低い有害事象の抑制)100万回作業を行ってもエラーの発生を3.4回に抑えること、つまり6σを目指したということに由来。このポイントは極論するとシックス・シグマは、エラーの抑制に主眼がおかれている。歪みやエラーが発生しているプロセスに着眼し、そのプロセスの平均値向上を試みるよりも、ばらつきを抑えることに力点を置いてコントロールしていく。生産業街では、たとえ平均値が向上しても、品質のばらつきが大きく品質不具合が発生してしまうと悪い。

このSix sigmaモデルはDMAIC(既存の改善)かDMADV(新しいプロジェクト)を使用する。
 
*DMAICプロジェクトは
  • Define:定義
  • Measure:測定
  • Analyze:分析
  • Improve:改善
  • Control:管理
 
DMADVはこちら。
  • Define:定義
  • Measure:測定してCTQ(Critical To Quality)を特定する(Identify)。
  • Analyze:分析
  • Design:設計
  • Verify:検証

以上、これが有名なSix sigmaモデル。これを半年かけて、本来ならばBIDMCで検証するはずだったのだが。。。

Lean Model: 基本コンセプト 無駄に着目して改善!

極論すると無駄を徹底的に削いでくことで、効率化を進める(Leanとは贅肉だそうな)リーンモデルは部分部分での改善活動では威力を発揮、しかし全社的な活動として展開するのには現場の理解と経験が必要であり、ムダ削りの文化が根付くのには時間がかかる。

*NEJM catalystより:https://catalyst.nejm.org/doi/full/10.1056/CAT.18.0193

Lean Thinking詳細

"Lean thinking is not a manufacturing tactic or a cost-reduction program, but a management strategy that is applicable to all organizations because it has to do with improving processes. All organizations

— including health care organizations — are composed of a series of processes or sets of actions intended to create value for those who use or depend on them" 

 

The Toyota Production System (TPS)  seven categories of waste: overproduction, [waiting, transporting, processing, inventory, motion, and correction.]

Five S!(5S)まさからの日本からの逆輸入

  • 整理→Sort
  • 整頓→Set in Order
  • 清掃→Shine
  • 清潔→Standardize
  • しつけ→Sustain

 

  • 無駄→Waste
  • むら→Unevenness
  • 無理→Overburden
 
Lean thinkingの結論(IHI)
 
"Lean management is not a new concept, but it is relatively new to health care. While skeptics are right when they say, “Patients are not cars,” medical care is, in fact, delivered in extraordinarily complex organizations, with thousands of interacting processes, much like the manufacturing industry. Many aspects of the Toyota Production System and other lean tools therefore can and do apply to the processes of delivering care.
Courageous, forward-thinking health care organizations such as Virginia Mason and ThedaCare, along with others, are leading the way by demonstrating that lean management can reduce waste in health care with results comparable to other industries. Leaders of these organizations emphasize the importance of creating an organizational culture that is ready and willing to accept lean thinking.
Without a receptive culture, the principles of lean will fail. The Institute for Healthcare Improvement believes that many management and operations tools in other industries can be applied successfully to health care. Lean principles hold the promise of reducing or eliminating wasted time, money, and energy in health care, creating a system that is efficient, effective, and truly responsive to the needs of patients — the “customers” at the heart of it all.”
 
簡単なまとめ:リーンモデルは新しい概念ではないけれども医療にとっては比較的新しいとされる。医療は製造業と同様に何千ものプロセスが相互に作用する非常に複雑な組織の中で行われている(いやもっと複雑で不安定であるはず!)トヨタ生産方式やその他のリーンツールの多くの側面は、医療を提供するプロセスに適用可能。医療における無駄を削減できることを実証が進んでいる。組織のリーダーは、Lean thinnkingを受け入れ組織文化を作ることが重要。でなければこのモデルの原則は失敗するかも。リーンの原則は、ヘルスケアにおける無駄な時間、お金、エネルギーを削減または排除し、効率的で効果的なシステムを構築し、患者のニーズに真に対応できるシステムを構築する- だってすべての中心にある患者。
*Going Lean in Health Care Innovation Series 2005 (IHI)より

講義Discussionで使われたTOYOTA Lean thinkingでKAIZEN測ったおもしろ研究:学んだことは、このようにOutcome measure やProcess measure(時にBalance measure)な物を最初に定義して、現場の問題の正確な抽出しておくことが大事だと思う。また、Time courseの評価点を複数置いているのもの面白い。

The model for Improvement (etc PDSA等)

 

SMART AIM は必読!! 臨床研究のFINERに張る。

  1. SPECIFIC - Is the statement precise about what the team hopes to achieve?
  2. MEASURABLE - Are the objectives measurable? Will you know if the changes resulted in improvement?
  3. ACHIEVABLE/Attainable - Is this doable in the time you have? Are you attempting too much? Could you do more?
  4. REALISTIC/Relevant - Do you have the resources needed (people, time, support?)
  5. TIMELY-time framed - Do you identify the timeline for the project - when will you accomplish each part?

 

QIのモデル流れ:

What are we trying to accomplish?
How will we know that a change is an improvement?
What change can we make that will result in improvement? 

 

IHI DemingのProfound knowledgeのVideo.  Y=ax+bx2+cx3.... では説明できない。感情・心理など含むもっともっと複雑で構造。

1. Appreciation for a system 2. Understanding variation 3. Building knowledge 4. Human side of change

人の行動を改善するというY(従属変数)を考えた時に、aXなどの単変量では説明できず。極めて複雑な交絡をもつ行動パターン(システムが成り立っている)すべての変数はシステムの中で他の変数との相互作用がある。さらに時間の変化でもそれらは変動する。

人に行動を変えてもらおうと考えるためには、システムがどのように相互作用しているのか、変化しているのか、私らが持っている理論、そして最終的には人間の行動について考える必要がある。これら4つの要素が、デミングが話したProfound knowledge。そして、この見方を用いて4つの構成要素を通してそれを適用すれば、従属変数をさらなる構成要素へ分解して考えることができ、結果的に成功のチャンスを得る

*http://www.ihi.org/education/IHIOpenSchool/resources/Pages/AudioandVideo/Whiteboard1.aspx

*Langley, Gerald J.. The Improvement Guide . Wiley.より

1. Appreciation for a system

The boundary of a system:外と中のシステムの協会をしる。大きなシステムは客観視するのが難しいが、その分改善後の威力は大きい!

Temporal effects: Dyanamic complexsityを知る。

Leverage: システムの小さな改善が大きな威力をうむ

Constraint:システム上の制限や制約を知る。

Types of change in system:First order(悪いところから元に戻す),とSecond order(さらによくする)

Central Law of Improvement:全てのシステムはその成果物が受け手に届けるために作られている。

Unintended consequences: システムは単純な線形因果関係から成っていない。計画的ではなく意図せず得られた結果は多くの場合、誤解されやすい。

2. Understanding Variation

時間や状況による問題の変化を理解する 。観察、測定しうるものはすべて変化する。この変動の解釈に基づいて決定を下さなければならない難しさをしる。

Stable process & Statistical control:統計的に理解可能な、変動の乏しい変化

Unstable process: 共通の原因以外に特殊な原因(special cause)による変動しうる。Special causeを除きとれば安定して予測可能になる。

3. Building the knowledge: Skillfully building knowledge by making changes and observing or measuring the results is the foundation of improvement.測定と観察を繰り返して構築していく。

Enumerative study 人、資料、請求書などの項目群に対して情報を作成し、行動を起こす調査、国勢調査は良い例 (項目のグループのいくつかの側面についての推定)

An analytic study  将来的に製品、プロセス、システムのパフォーマンスを向上させるために、原因システムに対してアクションを起 (選択肢のうちの1つが他の選択肢よりも優れているという予測)、最終的なゴールは質やパフォーマンスの予測.QIは基本的にほとんどがこれになる。

4. The human side of Change: 他者と自己との違いを認識する。1) Difference in people, 2) behavior is driven by motivation, 3) fundamental attribution error, 4) intrinsic and extrinsic motivation(人を動かすときに内的動機が必要か、外的同期が必要か), 5) attracting people to the change リーダーとして、人はどのように動くか、その改革は他者にとってどれだけ魅力的なのか?心理学的アプローチをリーダーとして身につける。下記のフレームワーク。

1. Relative advantage of the change over other changes or the status quo (What is in it for me?) 改革のメリットを意識

2. Compatibility with current culture and values   既存と新しい変化との拮抗

3. Minimal complexity in explaining the change    その変化を説明する際に複雑さ・難しさが極限まで減らされている(シンプルに伝えられるかどうか)

4. Allowing people to try and test the new change 人々が新しいことを始めたり、テストすることを許す

5. Opportunities for people to observe the success of the change for others 実際にその変化でうまく行っているのを観察する

今日感銘を受けた言葉:

  • Leaders of improvement need some understanding of the four parts of profound knowledge and their interactions.
  • The success of an organization will depend on the integration of its components, not their individual performance.
  • Deductive and inductive learning.
  • The Plan-Do-Study-Act (PDSA) Cycle helps facilitate this process.

*Langley, Gerald J.. The Improvement Guide. より

 

KAIZENを始める前に、Charterを作成する(企画書 兼 特権書みたいなもの)。

General description; 何を我々はなそうとしているのか?明確にする。

Expected Outcomes and Measures;どのようにアウトカムを評価するか?(ex, 待ち時間、患者満足度、支出etc) 数値を使う

Performance Measures and Goals; 結果的にどこまでをどれくらいの時間で目指すか?数値を使う

Gudidance:どのような行動を実際に行うか?

(Numerical goalsが無いと、予測と修正、そして専門家や部署との共通理解が進まない!!)

*Langley, Gerald J.. The Improvement Guide chpahter 5より抜粋

Outcome measures. Outcome measures are measures of the performance of the system under study. They relate directly to the aim of the project. Outcome measures offer evidence that changes are actually having an impact at the system level.成果の指標とは、解析対象のシステムのパフォーマンスの指標になり、プロジェクトの目的に直結。成果の測定は大事で、改善行動が実際にシステムレベルで影響を与えているという証拠を提供しなければならない。 

Process measures. Process measures are measures of whether an activity has been accomplished. For example, process measures could be whether inventory checks were made or whether patients received evidence-based interventions. Process measures are often used to determine if a PDSA Cycle was carried out as planned.プロセスの測定は、改善するための活動が達成されたかどうかの尺度である。例えば、再検査や、再評価、アナウンスなどが行われたかどうか、あるいは患者がエビデンスに基づいた介入を受けたかどうかなど、プロセスの尺度と考えることができる。プロセス測定は、PDSA(PDCA)サイクルが計画通りに実施されたかどうかを判断するためによ頻用。

Balancing measures. To achieve an improvement in some measures while degrading performance in others is usually not acceptable. In making changes to improve outcome and process measures, we want to be sure any related measures are maintained or improved. いくつかの分野で改善を達成する一方で、逆に他の分野でパフォーマンスを低下させてはならない。OutcomeとProcessの評価を改善するための変更を行う際には、関連する尺度が維持またはむしろ一緒に改善されていることを確認しする(悪くなっていないかどうか?)。

 

Plan-Do-Study-Act(PDSA) 

Step 1: Plan    Plan the test or observation, including a plan for collecting data.

  • State the objective of the test.
  • Make predictions about what will happen and why.
  • Develop a plan to test the change. (Who? What? When? Where? What data need to be collected?)  

Step 2: Do    Try out the test on a small scale.

  • Carry out the test.
  • Document problems and unexpected observations.
  • Begin analysis of the data.

Step 3: Study    Set aside time to analyze the data and study the results.

  • Complete the analysis of the data.
  • Compare the data to your predictions.
  • Summarize and reflect on what was learned.  

Step 4: Act    Refine the change, based on what was learned from the test.

  • Determine what modifications should be made.
  • Prepare a plan for the next test.

 

  • 変化が改善につながるという信頼を高めるため。
  • 提案されたいくつかの変更のどれが望ましい改善につながるかを決定する。
  • 変化からどの程度の改善が期待できるかを評価する。
  • 提案された変更が実際の対象環境で機能するかどうかを判断する。
  • 変更のどの組み合わせが品質の重要な上記の3つの尺度に尺度に望ましい影響を与えるかを決定する。
  • 提案された変更によるコスト、社会的影響、および有害事象や他のBalanceing measuresを評価する。
  • 実施時のコンフリクトや抵抗を最小限に抑えるため

*IHI ホームページより

 

Quality improvement Data collectionの時のヒント!

1) 明確なわかりやすい調べたいアウトカムを表明する 

2) データはサンプリングで費用対効果をMaxに(全ての電話を解析ではなくて、10回に1回と決めて)

3) 集める時のバリアブル、定義などを完備したデザインとフォーマット準備

4) データ収集は明確にわかりやすくトレーニングする( errorを減らす)

5) 予定通り行かないところは、詳細に記録に残しておく(なぜDataが得られないか、Miss entryはどのような時に起きるか) 

余談:研究との質の改善の違い? 研究における測定と改善における測定は異なる。研究の方法論では現場の改善ができない。改善には改善の科学が必要である。

なるほど確かに、いくらEvidenceを見せても行動は変わらないですね。確かにその学問的な科学的手法が必要であるということ。

 

*日本語では、とってもいい論文をみつけました。

鮎澤 純子先生. 医療安全・質管理の理論と実際 ―測ることができないものは良くならない.日本内科学会雑誌第101巻第12号・平成24年12月10日

9月21日 Program directorのDr Tessと面談30分:Capstoneのアイデアと戦略ついて褒められる。この歳になって褒められると異常に嬉しい。明日からもっと頑張ろう。

 

医療のシステムの考え方 Micro/ Meso/ Macro*

Microsystem: A healthcare clinical microsystem can be defined as a small group of professionals who work together on a regular basis, or as needed, to provide care to discrete populations of patients. It has clinical and business aims, linked processes of care, a shared information environment, and produces services and care that may be measured and leveraged as performance outcomes.

Demingの考え方をDr Eugene Nelsonが医療に応用した。

*As soon as a patient and the patient’s health need is exchanged with the provider- a clinical microsystem is formed. 

*Share aim & Can be patient-centered 
*例えば、ICU やオペ室は典型的なMicro systemの例
 
Mesosystem: Links microsystems together to allow them to move from disparate units to those that support patients along their continuum of care.
Collection of interrelated microsystems that combine to provide care to a pop8ulation of patients with a common thread
Goal:actively guide dialogues between microsystems. 
Outcome: micro systemの繋がりを調整することでの質や価値の評価。

Macrosystem: The container that holds meso- and microsystems.
典型的には国や政府、病院群、学会などのケアを提供する集合体で、共有された目的を達成するために、より小さなシステムを監督し、役割と権限を与える。
 
下記が具体的なイメージ:
*Likosky DS. Clinical microsystems: a critical framework for crossing the quality chasm. J Extra Corpor Technol. 2014;46(1):33-37.

 


風邪のみかた講義 試験問題とその解答

2020-09-05 21:45:51 | 総合診療

皆様こんにちわ。

新型コロナウィルスの猛威は今度は世界の至るところに拡散し、日本ではニュースになっていない国で惨劇です。ボストンも毎日500人レベルで新規感染者が出ているようで非常に今後どうなるか見えない状況です。

さて、医学部で授業をすることは楽しく、若い学生さんの勉強したいというエキスを吸って色々と人生楽しんでおります。例えば今年の、感染症チュートリアルでの感染症診断学と風邪のみかたの授業の回答を見て素晴らしかったので、シェアしたいと思います。

一般の方には、意外かもしれませんが、医師は臓器別に得意な領域を作って研鑽していくことが多いために、風邪のみかたを学生のうちに学ぶことはありませんでした。

(少なくとも僕らの時代は)

この風邪のみかたの講義は、毎年毎年、工夫して進化してきたのですが、今年の試験問題は、下記のように風邪の病態を考え、原因を考えて、鑑別診断を考えて、患者さんに丁寧に説明できる

というレベルまで期待して試験を作ってみました。しかしこの出来が素晴らしく、色々と一人一人チェックして(余力時間を使って3日もかかりました)学生さんの答えを引用させていただきました。

*注意:下記の答えは医学生さんが書いたものです。人間力が素敵ですね。このような実際の現場感覚を来年以降も試験に出し続けたいと思います。

 

記述問題

あなたは卒後2年目の初期研修医です。

特に既往がない62歳女性が37.8℃の発熱を主訴に夜間の救急外来に受診しました。症状は咽頭痛から始まり、軽度の鼻水、軽度の頭痛、膿性痰を伴わない軽い咳があります。あなたは咽頭の診察で特に問題となる所見が無く、下顎のリンパ節の圧痛が無いことを確認しました。

 

しかし、この患者は2週間前に孫が「溶連菌」であると近医で診断されたとのことで、自分も感染しているのでは無いかと心配し、抗菌薬処方を強く希望しています。

 

あなたは医師として(1)風邪とは病態的にどのようなものか、(2) Centor 基準、(3) 抗菌薬投与の必要性の有無とその理由について、実際の患者に説明するように論理的に説明してください

 

(1)

風邪とは、鼻水、咳、喉の痛みや熱、頭痛、関節痛などが出る、ウイルスによる感染症です。ウイルスといってもたくさんの種類があって、例えばインフルエンザもウイルス感染症の一種ですが、もっと症状が軽くて放っておいても治るようなものをまとめて風邪と呼んでいます。今回のように全身色々なところに症状が出ている場合、風邪である可能性は高いと言えます。

(2)

 お孫さんが溶連菌感染と診断されたということで、自分もそうなのではとご不安なのはとてもよく分かります。そこで、溶連菌の感染がないかを簡単に調べさせていただきます。喉の痛みを調べる際にはよくCentorスコアという基準が使われています。Centorスコアには次のような項目があります。

  • 38℃以上の発熱があること
  • 咳がないこと
  • 喉のリンパが腫れていて痛いこと
  • 扁桃腺が腫れて膿が出ていること
  • 年齢が低いこと

これらの項目は、溶連菌による感染症で起こる症状と溶連菌に感染しやすい年齢を考えて決められています。これらの項目に2個以上当てはまっている場合、溶連菌に感染している可能性が高いのではないかと考えられます。今回の場合、この診断基準に当てはまっている項目はないので、溶連菌に感染している可能性は比較的低いと思われます。

(3)

 とはいえ、ご心配に思われて「抗菌薬を」と言われるのも無理はないことかと思います。しかしお伝えしておきたいのは、仮に今回の症状が溶連菌ではなくウイルスによる風邪の可能性が低く、抗菌薬は全く効かないどころかむしろ体に悪い影響がでる可能性があります。

 溶連菌のような細菌とウイルスは全く別の存在です。抗菌薬というのは細菌の体の特殊な構造を利用した薬なので、ウイルスを倒すことは基本的にはできません。また一方で抗菌薬は体の中の善玉菌も殺してしまうので、下痢などお腹が悪くなるような副作用が出ることがあります。他にも皮膚や腎臓、血液などに副作用が出ることもあります。

 これが、風邪には抗菌薬が効かず、むしろ体を悪くする可能性があることが理由です。それゆえ、細菌に感染している可能性が低い場合は、むやみに抗菌薬を使うのをひかえる方が良いでしょう。今回は、Centorスコアの結果などから、溶連菌のような細菌の感染ではなくウイルスの感染が疑われるので、抗菌薬ではなく風邪に対する対処療法のお薬を使った治療から始めさせていただこうと思います。もし数日の経過で、症状が良くならなかったり、むしろ悪くなったりするようでしたら、再度診察・検査をさせて頂きます。ご連絡下さい。私はまだ研修医の身ですので、より詳しい先生に診ていただいて説明をしてほしいなどありましたら、何なりとおっしゃってください。


Title IX Harvard Campus について

2020-09-02 11:38:50 | Harvard medical school

みなさまこんにちわ。

今日は初っ端から感銘を受けたオンラインオンデマンド。

ある日突然、この様なメールがきます。この様な授業は履修登録していないのでよくわかりません。

”This message is to inform you that HMS: Preventing and Responding to Sexual Harassment and Other Sexual Misconduct (2020-21) was added to your learning plan.

Please click this link to access the course”

 

これは、Title IXについてです。

同級生が「タイトル9、タイトル9」って言うものだから、Gender biasか何かの映画か何かかな?と勘違いしてしまっていました。

これは、米国の法律で性別を理由に正当な権利が障害され、不利益を被ることがないように定められているもので、全ての学生が受講しなければならないものでそのE-learningのクォリティーの高さに脱帽しました。ってか、日本の医学部の授業もこの様なレベルのものを多数作って仕舞えば本当に人件費を節約できるのではとアイデアが浮かびます。

 

海外にLGBTの友人が多い僕としてもここまで、ちゃんとやっていることに本当感銘を受けました。また教員であるだけで、全てのセクハラ・アカハラのパワーになっていること(Power dynamics)に言及していて、全ての行動に対して注意と自己省察をする様に心がけ続けるの大事だと再認識します。

 

面白かったのが、何度も何度も、Harvard CommunityでのClimate! Climate! Culture!Culture! って力説されていて(世界中なんとなくCultureなんでしょうか?響が好きですね)、なんとなく建設的に健全に学びリーダーになっていくと言うHarvard communityの風土を感じることができたのは価値がありました。

何より知らない単語をいくつか知ったのでよかったです。 #quid pro quo  見返りを求める 

合計だいたい2-2.5時間ほどです。普通に聞けば試験はとっても簡単でした。

興味がございましたら、下記になります。

https://titleix.harvard.edu/

*初めて受講される方、ビビらずにOKです好きな時にできます(僕はビビって夜集中できる時にと・・わざわざ当直明け外してコンディション整える。いい思い出です)。