第四部 Generalist in 古都編

Generalist大学教員.湘南、城東、マヒドン、出雲、Harvard、Michiganを経て現在古都で奮闘中

Mahidol Tropical Medicine Short course for Japanese を終えて

2017-12-27 22:18:04 | Mahidol University編

みなさま、こんにちわ。

師走です。年末です。もはや恒例になりつつある、年末のイベントで母校Mahidol(多分人との繋がり、そして思い入れは格別)日本人医療者の為のショートコースにスタッフとして参加してきました。

40名の参加者(海外からの医療者多数)、多数のタイ人講師、スタッフ、日本からは4名の実行委員会メンバーで開催しています。

12月18日(1日目)消化管寄生虫症 講義、顕微鏡ワークショップで実際の国境沿いの患者の便スメアを作成して自分たちで診る。

 

12月19日(2日目)マラリアを学ぶ一日。マラリアの生活史を理解し、各マラリア原虫について、Trophozoite, schizont, gametocyte各ステージの特徴について学習し、顕微鏡実習、ワークショップを行いました。Thick smear, Thin smear, 染色の実習、簡易キットの実習をワークショップ形式で学びました。

12月20日(3日目)Leprosy(ハンセン氏病)専門病院の訪問
午前中はハンセン病の専門病院Rat Pracha Samasai Instituteを訪問しました。日本ではもはや診ることができないハンセン病をこの病院はなんと年間152例の新規患者さんを診察しています。勿論タイでもとても珍しい疾患となってきておりますが、ミャンマーやマレーシア国境付近では未だに診ることできます。DTMHでは実際の患者さんのスメアを作成して鏡検したことでとても記憶に残っています。

12月21日(4日目)病棟ラウンド, Travel Medicine

Acute febrile illnessの解説を私は行いました。といっても基本ですが、この病院のデーターで研究をしてましたので疫学もよく知っています。

午後はDr. WasinによるTravel Medicineの講義の後Travel clinicの見学を行いました。何より同期のWasinがアジャン(教員)になっていたのが凄く新鮮でした。

授業終了後は熱帯医学部のMuseumを見学。

 

12月22日(5日目)デング熱、病棟ラウンド、メリオイドーシス

デング熱とメイオイドーシスのレクチャーと、病棟ラウンドと続きました。

あぁとても懐かしい、この質問攻めの雰囲気。

参加者の先生方もとても熱心に質問と意見が出ていたので僕は極力邪魔しない、円滑にすすめることだけに注意しておりました。

 

自分は大学院生のときは日本の時とは本気で桁が違うほど辛くて(DTMHは楽しいだけだったのですが)、楽しめていませんでした。が、、、今となってはやはりその分とても力がついていたなぁと思うのです。

海外の大学院に入学して卒業するということは、きっとそういうことなのかなと思います。

何より、このMahidolの縦の繋がりは結束が堅く、例え別々の場所で働いていてもこの時になっては皆であつまりワイワイとこのコースを運営するのが一年の楽しみでみもあります。

ということで、来年も同時期に開催予定です。

 

(先輩たちと)

 

(Tropical Medicine のDean達のアトラクション USJかよ!)

 


Harvard ICRT JAPAN 授業開始前の予習について

2017-12-13 11:12:10 | Harvard medical school

皆さま、こんにちわ。

続々とHarvard ICRT JAPAN合格の連絡が届いておりまして(個人的に5人以上からいただきました)、一番多いのがどのようにして授業に臨んだらよいですか?という質問ですので、そちらに対して私見を作成しておきます。コースの内容は全くDubai コースと同じです。お役にたてば幸いです。

まったくの初学者であれば、下記のようなものをお勧めします。

【やっておくべき課題】

その1 リスニング力を補う為の疫学・統計学用語を仕込む

おそらく日本人参加者の宿命宿敵である英語の基本的能力が足りていないことが予想されます(まずリスニングの強化)
しかし今日明日で絶対にレベルは上がりませんので、これを補うために直前には専門用語の事前学習(単語をみておく)が多分有用なのではないかと考えております。私は逆に難しい漢字の統計用語が自分の理解とミスマッチしている事がありこれで終了後に勉強したりしました。

※統計基礎用語集     統計学用語の日本語⇨英語の作業

http://www.qmss.jp/qmss/glossary/stat-glossary-ej.htm

 

その2  簡単な臨床疫学の指定した本を数冊 流し読みしていく。

世間一般にいろいろとありますので、そちら方をAMZONで自由にどうぞ。

また役に立つサイトが多々ありますので、一部引用させていただきます。

※ネコでもわかるStata入門 東京大学大学院経済学研究科博士課程

http://www.fbc.keio.ac.jp/~tyabu/econometrics/stata1Cat.pdf

※新谷先生の医学書院記事

http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02927_03

※STATA コマンド 検索でたくさんでてくるはずなので参考にしてください。

などなど

 

その3   指導医のビデオをみる(実際の講義の初期ととほぼ一緒です)

※STATA Basic のKCのyou tubeをみて臨む。これにつきます、そもそも同じ先生なので。
https://www.youtube.com/watch?v=kepM_tbQokw

になります。

 

時間があれば、これを始まるまでの課題とすれば良いかと思います。

 

 最後にKC先生と。

 

                          T.W


Laryngeal Height (physical ) ≦4cm はCOPDの検出に有用。

2017-12-07 15:06:45 | 総合診療

みなさまこんにちわ。

あまりにも更新していない理由は、色々と執筆業やお話業がたまり自分で自分の首を締めているからでありまして(言い訳)

Mahidolの時のような爽やかかつ穏やかな(メタ認知を働かせて)気持ちで、このブログ業務ができないのが無念です。

さて、とはいえ執筆業やお話業ではとても良いことが多く、自分は自分が一番勉強になっており、メンター達からの指示は絶対にて

基本的に全て受けております。

 

ただその調べる過程で原著に記載がない内容をふとMeSHで調べれば本当に興奮するオモロ-な事に出会えたりします。

これだから医者は辞められません。

今日知ったLaryngeal Heightの有効性+通常のCOPD問診

いつかこの再試をやろうとおもっていたら、すでに2015年はpublishされてました。

僕らの世界ではShort tracheaとの兼ね合いが気になるところですが、指の太さは個人差があるのと、指2-3本とかは測り方が厳密でないために

cut offを引いてでのLRの出し方が難しいかもしれないですね。数値化できない感覚的アートの世界です。

下記、お話業で使うスライドです。

LH<4cmとCOPDの問診と組み合わせるだけでなんとLR+ 29。。

結論、結構感覚的にそうかもしれないと思っております。