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アンディーこと安藤裕貴先生から新しい書籍
「武装せよ!当直研修医のためのERのTips288個のレジデントクエスチョン」
を献本頂きましたので、どれどれ、ふむふむ、ホレホレ、惚れ惚れと読ませて頂きました。
うーむ・・、これは、一言で言えば、【現場感】です。指導している現場が見えてしまうので、そのERを見学させてもらっている指導医レベルは唸ります。
このような書籍を作り上げる事ができるということは、多分本物の御人です。ガチで優秀で、おそくら殆どの研修医の先生が一緒にERで過ごしていたら絶対リスペクトを一心に受けているだろうなぁ、悔しいなぁ〜という感情が起こり、誰の目にもERの指導風景が映像化されると思うのです。
研修医向けのアンチョコ本はあまりERの魂が入っていない(このときは、コレとコレとコレをやっておけ的な)ことが多いのですけれども、これは違います。
多分、研修医向け??(タイトル的にはそうであるのかもしれませんが)研修医向けの内容では絶対にありません。初診や当直を行う医師、プライマリーケアに携わる医師は全員読んだほうが良い内容と判断します。多分知らないことだらけだと思います。だからタイトルはレジデントを消したほうがいいかも?というのが後から感じたFeedbackです。
僕が特に驚いた点は3つに集約されます。
1つめ レジデントクエスチョンは研修医レベルの疑問ではない、研修医がふと指導医に質問をする時に、指導医側が懐をえぐられるような、冷や汗を書くような、というよりもPubMedをすぐに調べなきゃ!!って焦るレベルのクエスチョンなんです。これを、研修医レベル??うーん、まぁ僕の能力が研修医レベルなのだと思います。最近の研修医は超優秀なので全然OKです、悔しくなんか無いです!! ただ知識を紹介する本は5万とありますが、この本は知識の現場での使い方とそのメリット、デメリットまで教えてくれる工夫があります。
2つめ 無駄な事が全く無い・・なぜこのような疑問を解決していくスタイルをとったのか?なんとなく考察してみました。なぜなら、すごく読みやすくて、わかりやすくて、ちょっと調べるのに非常に良いからです(文献もしっかり読み込んである事が誰の目にもわかります)。医学書にありがちな、網羅的に全てを少しずつ載せていくという戦略は、僕のQuality improvement and safetyの戦略的にも超ブブーです。
推察するに、長い年月をかけて指導医が他者に相談や質問され続けてきた、そしてこっそり調べて学んできた蓄積をまとめた、または研修医やベテランの先生達が頻回に躓くことをまとめたのかもしれません。
そして、これらを徹底的にリストアップします。その最も重要な事を抽出する作業をすれば重要なことは上位20%の項目で約80%の需要に答える事ができます。
この書籍のトップ288は、おそらくはERの現場の90-99%を網羅するかもしれません。これは分析学的にPareto Chartの理論と同じなのです。
この手法は驚きました。多分、経営学やマネージメント理論が採用されています。
3つめ Physical や検査の意義、考え方、ベイズ理論を用いた診断学の根本的な内容を重視して、ERの現場で必要Physical などを絞って網羅的に入れてもらっています。これも驚きました。正直、Physicalは役にたつ(High yield)なものと、そうでないものとがあります。この本は、役に立つものだけ、忙しい現場で診断に寄与する可能性が高いものを抽出してくれているからです。面白いPhysical 的にPPPT(patellar-pubic percussion test)を役に立てることがデキるように記載されていたり、ERの本でこのような臨床医の心構え的な感性を感じ取ることは初めてであったかもしれません。とても感銘をうけておりました。
強いて欠点をあげるとすれば、表紙が漫画的だったので内容がそっち系か誤解しやいかもしれません。そのギャップもあえて狙っているだろう安藤先生の深淵は計り知れません。僕だったら、このレベルの書籍は海外の正書に匹敵するので格式高く、売り出すと思います。
“Andy’s ER clinical pearls”
こう名付けて相応しい書籍です。
(改定版の時は僕が表紙を作りたいです。)
Amazon ↓ 表紙はコレです。
みなさまこんにちわ。
NEURAL GP networkのGP researchのコーナーを書きましたので転載します。
全体の管理者(兼)GP Research プロジェクトリーダーの燃える闘魂 です。
このコーナーでは研究面の情報も提供いたします。
今回は総合診療医のメンター&メンティーのお話です。
実は島根の総合診療のAcademic activity(研究面での貢献)は本当に高いです。
僕らNEURAL GP networkでは臨床医が日々の診療で遭遇した疑問をリサーチクエスチョンとして、実際に研究してアウトプットしたり、また学びになる症例は一生の教訓としてCase reportとして楽しく発表することを目標に活動を行っています。
ビジョンは”研究業績”の為の研究ではなく、臨床現場や政策に応用するための研究なので、現場の疑問がとてもおもしろいです。
研究に関しては、鉄は熱いうちに打て!ということで、現場の総合診療医の高い志の”鉄”は、鍛えて鍛えて”鋼”になるように、シマネのみんなで一生懸命がんばり始めました。
やっぱり僕の経験的に後期研修医の間にまず英語でCase reportから始めておくと、PubMedの使い方や効果的な検索の仕方を習得できるので非常に学習効果が高くなると思います。間違いありません。
Case reportを一度投稿する過程を練習しておけば、原著論文の投稿プロセスはほぼ同じですので国際誌投稿への心理的バリアも殆ど感じなくなると思います。
アウトカムを出すために何が一番重要かということを考えると、海外の研究でも多数エビデンスがでております。それは、研究においてはMentorshipが一番重要であり、Mentor(メンター)もMentee(メンティー)も意識してMentorshipを考えると良い相乗効果が生まれます。1)
教えてもらえる事を当たり前と思わないこと、感謝できること。また適切な姿勢と距離感をとれること。優秀なメンターはほぼ100%激務です。多くの場合、病院内外、県外、国外と色々なメンティーに対してメンタリングを要求されるからです。
そして、やはり優秀なメンターとメンティーから構成されるネットワーク網が重要であることがわかってきています。これはエビデンスとして面白い論文でした。)2
一般書では、やはりSanjay Saint先生の書籍が素晴らしいです(徳田先生方が翻訳されていますので是非)。)3 下記
是非、お読み下さい。Sanjay Saint先生は僕の尊敬しているホスピタリスト、医療の質/安全、メンタリング、臨床研究の分野で米国を牽引する素晴らしい米国のリーダーです。
研究の全ての工程は、経験的にも適切なメンターがいればかなり心理的肉体的負担を少なくすることができます、結果的にあっという間に成果を出す事ができます。
総合診療医における研究ではメンターが、とても重要だと感じる今日この頃、僕がお世話になってきたメンターの先生達にはやはり育てて頂いた感謝の気持ちしかありません。
初回はこの辺で、次回からこのコーナーでは我々シマネの総合診療医達が臨床現場で頑張って実施して発表した研究成果をなるべく楽しく分かりやすく紹介していこうと思います。
チームビルディング
これまで僕が若い頃から一番大事にしてきた内容です。
組織運営やチームのマネージメント、また笑顔で人が集まるための秘訣をGlobis経営大学院の田久保先生に教えていただきます。
一人で2倍の分を成長することは、ある一定の年齢になると難しいです。
でも、ネットワークや仲間、チームがあれば2倍どころか、4倍も16倍も簡単に可能です。
世界中の同じような頑張っている人とつながると、どんどん可能性が広がるというのもネットワークで説明できるように思います。
このマネージメントやリーダーシップの内容は翌日から必ず現場でお役に立つとおもいますので医療者はこの機会にみなさまご参加いただけますと嬉しいです。勿論無料で日本の様々な医療組織がよくなることを考えて外部開放します。
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職場で他診療科や上下関係、他職種、または同僚がなかなか上手に動いてくれない!そうお悩みの事も多いかと思います。
そこで、全ての医療職/学生を対象にグロービス経営大学院研究科長 田久保善彦先生に、【チームを造り、成功させる秘訣】のエッセンスを教えてもらう機会を作らせていただきました。
下記から、田久保先生の事前レクチャー(8分程度)を6本を見れますので、参加される方はぜひ事前学習されて望まれると当日さらに深い学びが得られると思います。
参加者は"志"のある方ならばどなたでもOKです。
みなさまのご参加を本気で待っております!!
(島根県の総合診療医はこの機会に一緒に学びをお願いします)
9月22日夕方18時からZOOMで開始致します。
申し込みはこちらから (URLを配布致します)
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeI_7R3SipJBlIzu9kjEZdi5s065dz6EYe9QIVagI5EhIaEwg/viewform