みなさまこんにちわ。
いいかげん、本当に食事がしんどいです。やはりウォシュレットは重要です!おケツ保護の為にも、もし次に海外に住む場合は例え5万円かかってでもつけようと思います。
長期滞在もそろそろ飽きて、スウェーデンのみなさまにとても良くしていただいたお礼に、第一報の調査をまとめに入らなければなりません。
もとより、お金がかかっている正式の仕事ですのでしっかりとインパクトを与えれるように開始します。二国間での調査表は3月に英語で僕が作成しましたが、ここまで医療システムと育成システムが違うと同じ土俵で比べることがとても難しいです。その意味で単にアンケートを取ると言うことではなく、やはり現地で調査して様々なconfunding factorとBiasを考慮した上で作成しないといけないと感じました。
今回はもっとも日本と異なる点についてここに記載しておきます。その名もPrimary health care centorです。ここは、なんとほとんどのプライマリケア医が勤務している場所で、臨床・教育・研究の最前線であります。しかもほとんどが国営です。院長は看護師の女性であったり、日本の医療界にありがちなくだらない年功序列や男性優位の役職配置ではなく、ちゃんとした実力や人間性を持った人がマネージメンをしているその違いに衝撃を受け数日間カルチャーショックでした。
では始まり始まり
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PHCセンターのスタッフ紹介。約30人程度が勤務している。
こちらの先生たちの役割はかなり明確に別れており、日本のような開業医的な役割の立場の医師はほとんどいません。驚くべきことに、GPが産婦人科検診やSTD、また小児科の喘息外来や、耳鼻科の中耳炎や難聴、マイナー外科や骨折、いわゆる救急外来も全て担当されていました。
みなさまこんにちわ
もう、いい加減に毎朝のハムと卵とチーズだけの食事に飽きてきました。多分一生分食べました。。もう無理です。ウォシュレットがないので、おケツもとても痛いです。
さて今回、ファイザーの国際共同研究費と副院長の超絶特別なご好意で僕はこのようなチャンスをいただいております。自身の訓戒として応援くださる方々の期待には倍返し!で応える努力をする(結果は知らない)ので、今後の自施設や島根県内、ひいては日本全体のために良いアイデアはないか毎日朝から夜まで食らいついてディスカッションをしております。深夜にしかまとまった時間が取れないために、もっとも重要なエッセンスだけでも忘れないうちに記載していこうと思います。他のことは時間のあるときに論文にするためにここに書いて行きます。
本題、では今日は、スウェーデンの医療背景と医学部について。
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みなさまこんにちわ
現在、北欧の都はMalmöにおります。すでにご飯が飽きて日本食が恋しいです。早く島根に帰りたいですがまだまだ帰れません。
何をしに来ているかというと、本院の副院長が研究責任者、私が下っ端のinvestigatorとしてLund大学Patrik Midolv先生達との共同研究を開始しました。
これは日本の医療状況と似ているスウェーデンのPrimary care physicianのClinical reseachの状況・支援体制・教育方法・システム等を本邦と比較するというものです。
こちらでとっても皮膚から吸収する斬新な感覚がありました。
ここスウェーデンの幸福度は世界的にもっとも高い国の一つとされているらしいのですが、何が日本と違うのかというと自分が感じた鋭い直感(外れることもある)では、他者への優しさ(必要以上に優しすぎる)、仕事は生産性が高い適度な感じまでとし、必要以上に何かを求めない点にあるのかと感じます。
毎回、セッションの前には「コーヒーとお茶どっちか飲む?」が挨拶がわりにあり、毎時間毎に調子こいてもらって居たらおしっこが我慢できませんでした。
今日は、晴れの土日です。むちゃむちゃ多くの人が外でランチやコーヒーを飲んで居ます、皆なんとなく幸せそうです。とてもゆったりして居ます。
隣の国はよく見えると言いますが、それ以上にうらやましく見えてしまうのは美しい空のためかもしれません。
研究に関しては、話し合いながら進めますので絶対にポシャらないようにFeasibility優先で参ります。どうせ提出しなければならない書類や報告書があるので、ちょいちょいまとめの文章を作成して行きます。
美しい街並み
最高の天気で朝ラン
みなさまこんにちわ、あまりにも雑多な用事が多く色々と時間だけが過ぎ去り、はや4月になりました。
4月は本当に素敵ですね。何気なく吸う空気もどこか心を軽くしてくれるような暖かさがあります。
さて、同時に研修医を預かる身分としてどうしても研修医のメンタルヘルスケアがきになるところではあります。今回は自分のダメ指導医ぶりは棚に置いておいて、日経メディカル様から依頼された原稿をこちらに載せさせていただきます。
名付けて「ヤバイ指導医に遭遇しちゃったら」です。ではお話のはじまり、はじまり〜
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全国の初期研修医の皆様、こんにちわ。個人的に、ついに冬眠が終わり活動的になる春が来ました! 春といえば「出会いと別れ」、きっとこれをお読みの方の中には、初期研修がまさに終わることに寂しく思っている人も、新しくやってくる後輩研修医の指導を不安に思っている人も、新しい医師としての生活に期待を膨らませている新研修医もいることでしょう。しがない大学教員として、研修医のメンタル維持のために私が贈る第1回目のテーマは「Disruptive physician(問題行動を起こす指導医)に出会ったら」です。
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架空ケース:激ヤバ指導医の場合
外科を志望するA君は、怖いと有名なB先生(30代男性外科医)の下で研修を行うこととなりました。
B先生はテキパキと診療をこなす腕の良い一般外科医ですが、感情の起伏が大きい性格で、オペ室や救急外来で気に入らないことがあると、突然大声でスタッフや研修医を罵倒し、時にものにあたることもあります。
外科へのコンサルトがあった時には、他科の医師がいかに能力が低いか大きい声で吹聴することなどもチラホラ。怒り出すポイントが誰も分からなかったために、周囲はなるべくB先生との接触を避けているようでした。研修医達の間では、B医師に注意するポイントなどが既にSNSで広まっており、B医師の在籍する医局にはこの5年間で誰も入局していません。
一方、B医師の女性問題の悪評は周囲に知れ渡たり、若い看護師の数名はB医師がいることを理由に離職してしまう騒ぎに……。周囲のスタッフは院長に報告することを検討するも、いざこざに巻き込まれるのが面倒で、色々と恐れて何も言えなくなってしまっているようです。
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ヤバイ指導医とみられる行動とは
研修医の会話を聞いていると、「デキレジ」「ヤバレジ」などという言葉が飛び交っています。デキる指導医もいれば、ヤバイ指導医も確実に存在しています。
適切な訳が浮かばないので、この「Disruptive physician=ヤバイ指導医」と設定します。実は、このヤバイ指導医が与える医療安全・医療経済・臨床教育におけるネガティブインパクトについて様々な研究がなされており、欧米ではなんと、既にガイドラインまで登場している始末です1)。
「架空ケース」のような激ヤバ指導医は滅多にいないにしても、先行研究の疫学的調査ではDisruptive physicianの特徴を満たすようなヤバイ指導医は、5%未満の割合でいるのではないかと指摘されているようです。セッティングにより異なりますが、1年間で皆様がヤバイ指導医の問題行動に遭遇する確率は最大98%で、報告されたケースの36%が結構陰湿なもののようですよ2)。一体どんなことでヤバイ指導医とされてしまうのか、その気になる定義は学会や機構(Canadian Medical Protective Association, Council on Ethical and Judicial Affairs, American Medical Association, Joint Commission on Accreditation of Hospital Organizations)によりマチマチですが、概ね表1のようにまとめられます。
表1 ヤバイ指導医と定義されやすい行動(文献1,3より改変)
げげっ、なんとなく自分にも当てはまるような(ドキドキっ、汗)。もちろんここには、大事な前提条件があって、たった1回だけであったり、稀にみられる程度で決めつけてはいけないという注意書きがあります3)。あくまで日常的に見られるような指導医を指します。
続けて、どのような人間的な性質がヤバイ指導医に進化しやすいのでしょうか? その性質は表2にまとめられます。
表2 ヤバイ指導医に進化しやすい医師の特徴(文献1,3より改変)
今回の内容、ハラハラドキドキしますね。書いている自分自身が恥ずかしく、心がとても痛いです。
医師という時点で、大なり小なり当てはまってしまうのではないかと思いますが、このヤバイ指導医の問題行動が研修医という相手に絡むと、物事はさらに厄介なのです。なぜかというと、本質的に自分は「とても熱心な指導」を行っているというような正当化ができてしまうためで、さらには立場が最弱の研修医は、自分が悪いからだと自身を責めて何も言えなくなります。
さらに都合が悪いことに、それらのヤバイ指導医は往々にして病院のための利益をあげていることが多く、組織の中では「あの人はああいう人だから」と全体の問題として取り上げにくくなるそうです。研修医の皆様、心当たりはないでしょうか?
このヤバイ指導医のDisruptive behaviorがもたらすネガティブインパクトは強大で、代表的なところではスタッフのモラルの低下やモチベーションの低下、コメディカルや若手の離職率の増加、医療事故や有害事象の増加、チーム作業効率の低下、患者満足度の低下などが考慮されています。
こと研修医教育に限れば、研修効率の増悪、研修医のモチベーションの低下、講座や医局の評判の低下と人員の減少など多数あります。面白い見解では、そのようなヤバイ指導医の問題行動を、若手が真似してしまうようになるかもしれないとのことです1)。
初期研修終了を契機に、急に他科のベテランの先生にまで横柄になる研修医などはそうかもしれません。皆様はお心当たりはありませんでしょうか? そして、一番の心配事である負の影響が研修医のメンタルヘルスの問題です。
では、そのようなヤバイ指導医に遭遇したら、どのように対応したら良いでしょうか?
いくつかの解決方法として、(1)必ず一人で悩まない、(2)客観的評価を行う……につきます。それでも、どうしても追い込まれてしまった場合3)は 、自分ではなくその人の指導方法がおかしいと割り切り(鈍感力)、そして自分は「あぁはならない」と反面教師にしましょう!
周囲の信頼できる同期や先輩に相談する際には、Disruptive behaviorの客観的指標や参考文献を基に根拠を持って相談してくださいね。単なる大人げない感情論で人は動きませんので。
そして最後に、忙しい臨床業務、病院運営の業務、研究も行いながらの研修医の指導を行っている指導医の諸先輩方は、研修医の皆様の時代とは比べものにならないぐらい恵まれない時代を過ごした可能性があります。また私も含めて、ほとんどの指導医は、「指導する方法」を学んでいるわけでもないのです。ですので、皆様がほんの少しの心構えで、指導医から円滑に良い指導を受けるための秘策を授けます。
それは俗にいう「なべおたま」です。
つまり「なるほど」「勉強になります」「おっしゃる通りです」「確かに」「またご指導お願いします」です。
謙虚かつ積極的に学ぶ姿勢を持つ研修医を無下に扱う指導医は、そんなに多くはないはずですよ。これからの新しい生活、頑張ってください! 応援しております。
■参考文献
1) GUIDEBOOK FOR MANAGING DISRUPTIVE PHYSICIAN BEHAVIOUR, College of Physicians and Surgeons of Ontario, April 2008.
2) Disruptive behaviour in the perioperative setting: a contemporary review. Can J Anesth/J Can Anesth (2017) 64:128-40.
3) Reynolds, Norman T. "Disruptive physician behavior: use and misuse of the label." J Med Regul 98.1 (2012): 8-19.