皆様こんにちわ
年度が変わっても忙しくデーター集めやら、システマティックレビューを書いていたりと、慌ただしくしております。
卒業は問題なくできたわけですが、やった仕事を形にするまではしばし闘いがつづきます。
さて、今日は旧友の腐れ縁の友達である長嶺由依子医師がロンドンの留学環境とバンコクの留学環境を比較してくださいましたので
本人の許可をえてここに貼っておきます。良く質問される事なので、参考になればと思います。
※写真はDTMHさよなら会 Emiliano(イタリア) とSophie(オーストリア)最後の飲み会
たしかに彼女がいうよに小さい臨床に特化したクラスの方が仲良くなるかもしれない気がします。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
勝手にバンコク、ロンドン、東京比較!
一度でも海外に住んでみると、生活の視点で街のいろんなポイントが見えるようになってくるもんですね。
ちょー個人的な感想かつ視点ですが・・・笑、上記3つの街の感じは以下の通りですね。
○○○生活目線○○○
■街の綺麗さ
ロンドン<<バンコク<東京
■電車の車内の綺麗さ
ロンドン<<バンコク=東京
■電車のICカードの感度の良さ
ロンドン<<バンコク=東京
※ロンドンのICカードは反応が悪いので、ラッシュアワーなどのピーク時間にはいちいち改札の入り口が大混雑です。
■エスカレーターの速さ
東京=<バンコク<ロンドン
※ 高齢化率は東京21.8%(2014)、ロンドン10.6%(2011)、バンコク15%前後(2015, タイ全体)
※ 15歳未満人口比率は東京11.3%(2014年)、ロンドン 16.3%(2011)、17.6%(2014, タイ全体)
高齢化率や年少人口による事故予防的措置だけとは言えなそうですね。ロンドンは街としても段差も道の凸凹も多く、なかなか高齢者や小さい子が行動しづらい環境ではあります。かつての時代の生産年齢人口を対象とした街の構造だなぁとつくづく思います。
■Wi-Fi環境
東京=バンコク=<ロンドン
※各国とも携帯を契約してしまえば変わらず。ただ、スピードに関しては日本のみがLTE。ダントツです。
■生活費
バンコク<<東京=<ロンドン
■家賃
バンコク<<東京<<ロンドン
感覚的に、同じ広さの部屋(1DK)を借りたとして、月の家賃がバンコクと東京で5倍、東京とロンドンが2倍です。したがって自動的にバンコクとロンドンの間には10倍の開き。バンコクはこの金額出したらもっと広いところに住めますね。街の思いっきり中心地のイメージです。
例)3万円、15~20万円、30万円
■食事の美味しさ
ロンドン<<<バンコク=<東京
アジアの食事は味が重なり合ってそれぞれが主張しながらも全体として素晴らしいハーモニーを奏でる掛け算の味、ロンドンの食事は例えば芋とケチャップが足し合わさるというベースのない足し算の味
■人のフレンドリーさ
ロンドン<<東京<バンコク
東京は外国人として見えていないので、贔屓目入ってるかもです。。。
その他電気代、インターネット契約、ガス代などなどもロンドンが最も高いです。
○○○留学先目線○○○
ここからはロンドンとバンコクの比較です。
■言葉の理解に対する寛容さ
ロンドン<<<バンコク
英語ネイティブの国とノンネイティブの国ですからそりゃ違う・・・かもしれませんが、それ以上に国民性もありそうですが笑
※ ロンドンでは、大きな大学院のクラスに行けば行くほど、先生方の話すスピードは早く、生徒が理解できているかは問題とされづらい傾向があります。先生方が留学生に対しての理解が高いコースの場合は、ゆっくり話し、理解を確認しながら進んでくれることもあります。本当にケースバイケースです。下手すると、日本語だったらわかるのに英語だと何言ってるかわからないから学びが薄くなってしまう可能性すらあるかと思います。
※ バンコクは最初から、「自分たちもネイティブではないから、私たちが話している英語もわかりづらいところがたくさんあると思うので、遠慮せずにわからないことは聞いてください」と言ってくれるそうです。あったかい。
■先生と生徒のフラットさ
バンコクの方がまだわからないですが、イギリスは授業に関するフィードバックを強く求めてくれるので、授業の構成や内容が良くない、もしくは求めるものと違う場合にはガンガンフィードバックします。講師や教授と生徒の間に尊敬に基づく関係はあれど、パワハラのような関係性は存在しません。
■学費
バンコク<<<<<<<<<<ロンドン
7~10倍ですね。
バンコクは日本と同様、国内、留学生ともに学費が変わりません。
ロンドンは、国内の学生と留学生の間に、2~3倍の学費の差があります。
授業内容、受けられるサービスは全く一緒です。
ここでは教育はビジネス。お金払えるなら来ていいよ~~~ってな雰囲気です。
去年までは卒業式まで、卒業する本人と家族の分のチケットを買わないと参加できない状態だったそうですが・・・大学の自治会が頑張って大学本部と交渉を続け、今年から卒業生とその家族はタダで参加できるようになったそうです。・・・って当たり前だろ。って感じですが・・・。そこでお金取る発想って・・・と呆れること多々。
■文化交流・友人関係の構築
ロンドン<<<バンコク
※ ロンドンは完全に自分次第。クラスの雰囲気や住む場所や自分が大学以外のコミュニティを持っているかなどに依存するかと思います。Student unionがほぼ毎週末Weekend tripのようなものをやってくれているようですが、参加するのは学部生がほとんどですかね・・・。これも所属する大学、大学院の規模によるかと思います。一般的に、こじんまりしている方が和気藹々。私のところは大学側のサポートはほぼなし。少なくとも私の大学は。大きすぎて・・・笑
※ バンコク、とはいえ、マヒドンの情報だけですが、最初のオリエンテーションからみんなで行くアユタヤ旅行や国別対抗出し物大会など、文化・伝統の交流が目白押しのようです。入学の書類の中に、「あなたの国のTraditional wear持ってきてください」ってがっつり書いてあります(笑
■熱帯医学研修で学べる中身
2016年のマヒドンでの熱帯医学研修を夫が受け、ロンドン大学熱帯医学校の熱帯医学研修を私が受けるので、12月以降に私がヒーヒー言いながら終わったらまた比較できるようになるかと思います。
関心ある人いたら聞いてください~(2016年12月以降に・・・笑)
どちらのコースも各国家庭医の受講者は多い模様です。ロンドンの方はアメリカ家庭医の専門医取得後の単位取得コースとしても認定されていますし、イギリスの家庭医の先生方も多く受けています。バンコクはアジアど真ん中、イギリスはアフリカが近く、アメリカは南米が近いためそれぞれ熱帯医学の領域の疾患を持った方達が受診することが多いので、それぞれにあったコースになっていることが予想されます。
ちなみにマヒドンの熱帯医学研修は6か月。ロンドンの熱帯医学研修は3か月。値段はそれでもロンドンがマヒドンの2倍。受講者はマヒドン20名程度、ロンドン70名程度?
------------------------------------------------------------------------
ということで長嶺先生、ありがとうございました。恐ろしく的を得ている鋭い洞察力。
私なりの感想を追加しておきます。
学費は安いですが、DTMHで4,000USD(高いですよ)/6ヶ月、MCTM含めて90,00USD/年です。そんなに安くないと思います。またタイ人よりも確か2倍以上高かったとは思います。それほどUKは高いのか?➠高いですね。
また気になる期間ですが、確かにMahidolは6ヶ月もありますが、それでも決して長いなんて言う人はいなかったように思います。みんな色々と疲れていたりと(飲み会が多いからかもしれませんが・・)ただ最後の一ヶ月は、旅行する欧州組がいました。MCTMはそれも込みでの一年ですので、休むこと無く継続です。
なぜ六ヶ月かかるのか?一つの原因として、フィールド・トリップが3回もあること、また回診や色々な病院での実習(記憶しているものだけでも①3カ所の郊外の病院見学、②HIVクリニック、③Sanke ファーム、④ハンセン氏病専門病院、⑤航空医学実習、⑥海洋医学実習、⑦空港実習・検疫実習、⑧他多数)など現場に出ることが多い事から、DTMHコースとして世界標準で決められた授業時間と単位以外に、行事やその他のクラスでみっちり詰まっています。その分、仲間意識が芽生えたのかと思いました。
私なりの感想と欠点は
①スケジュールがあまりにも頻回に変わりすぎる事(よって、こまめな日本人は振り回されます)これは、平均月2回帰国して【修行】していた私のDTMH生活ではかなり厳しく、時にフラストレーションが募りました。
②教育方法:アジア的なやり方で当初詰め込み教育的に感じました(ただ確かによくわかっていない連中や既に専門家も多数いる混合集団を相手にするにはああするしか無かったのかもしれません)。
長所は間違いなく患者さんが自分の病院にいることでしょうか。東南アジアのセンター病院である当院にはタイ全土だけでなく、ラオスやカンボジア、ミャンマーの国境付近の外国人が搬送されてきます(おそらく彼らは医療費無料です:翻訳が必要で時々クラスメートが呼びだされます)。DTMHの時の臨床現場での患者さんとの接触は僕の1年の中で考えると約2割程度しかなく、8割はMCTM期間でした(MCTMではバンコク残留組でしたので週3回4ヶ月間必修参加です)
やはり自分で診察して、カルテをみたり、画像をみたりして学んだことは全く忘れません。ホンネで言えば上記のように短所もありますが、長所もそれ以上にあって、苦楽を共にした仲間ができたという事が一番の宝かもしれません。