第四部 Generalist in 古都編

Generalist大学教員.湘南、城東、マヒドン、出雲、Harvard、Michiganを経て現在古都で奮闘中

Risk and Evidence Based Intervention Closing.

2021-01-15 23:18:45 | Harvard medical school

みなさまこんにちわ。

集中セミナーが続いてましたが、今日でRisk and Evidence Based Interventionのクラスはおわりました

実は、この講義を運営されているのは、Luke Sato先生で有名な日本のルーツを持つ先生です。

授業の間に日本語で話しかけられたことが、本当に嬉しかったのを覚えています。

Professional schoolの中では自分はハーバード関連病院の先生達に比べて知識も経験も乏しく、まず言語レベルで難しい法律用語などの言葉に瞬発力でついていけないので、このままでは本当に悔しくて悔しくて、恥ずかしく、さらに申し訳ないので、いつか立派な人材になって恩を返したい。そう決めました。この歳になって、自分にの不甲斐なさに嫌気がさす毎日です。

Reference* https://www.rmf.harvard.edu/Products-and-Services

CRICOは本当にQuality and safetyの分野で世界を牽引する会社ですが、利益というよりは病院のRisk riductionと費用の減少、安全性の向上、研究の促進、この分野の研究費を提供する財団として非常に良い正のスパイラルの作用が働いていると確信しています。

かくも隣の施設や病院はまるで別の国のように介入できない我が国の医療文化と比べると、信じられないくらいかけ離れているのですが、CRICOの全ての人がWin-Winでメリットしかないビジネスモデルに日本全体の医療の質と安全向上のチャンスがあるようにも感じています。

毎回常に4名以上のスタッフがClass に出席しているのですが、教員達の熱量がものすごかったです。いつもだったら同級生10名とDr. Luke SatoとCRICOのメンバーでディナーに行くのだそうですが、COVID-19 pandemicの今年はそれもできず、自分のオフィスにすら一年近く行っていないのでホコリを被っているのではないかと不安だとのことでした。はやく、収束してくれないなかと、不満ばかりがつのりますが、逆に今の環境と上司に感謝して楽しもうと思います。

ややセンチになってますが、全ての人に本当に感謝しています。

 

 

 

 

 


コミニケーションエラーが医療訴訟のKey

2021-01-10 17:18:16 | Harvard medical school

みなさまこんにちわ。

医療訴訟に発展する原因のうちにコミニケーションエラーが様々な研究結果から重要であることがわかってきています。

Ref) Malpractice Risks in Communications Failures, 2015 Annual Benchmarking Report, CRICO Strategies

これは、自分が我が国の医療訴訟ケース3400例を解析した印象としてもほぼ同様の感覚をもっています。これはもうまずいなぁという医療訴訟はかならず重大なコミニュケーションエラーがあります。有名な大学病院の医療訴訟などで、医局毎に同じ手術件数を競っていたり、適切な会話ができない雰囲気は必ずエラーが発生しますので、そのようなDisruptive behaviorがあればなるべく早い段階で認識して、評価して、介入しなければならないと考えています。

しかし、それを客観的に数値化することは困難です。

コロナの速報をみていて、本質的なことは同じように感じます。よりよい治療法やワクチンを開発して確実に提供することも大事ですが、システムレベルで(私達は知りません的な、押し付け合い)縦割りの構造をできるだけ減らし、良質な患者ケアの提供ができるかはとても重要な問題と思います。日本の医師数は1000人あたり米国並ですが、病床数が桁違いに多く、少ない医師人数で多くの病床を見ているという諸外国では信じられない状況がじつはあります。

作ってしまった病床数は利益をあげないと潰れてしまいますので、我が国がもつ本当の意味での病床数が効率的効果的に機能するためには極論するとMacro system レベルでのコミニケーションとシステムの改善にありますし、Micro system レベルでは組織-組織、集団-集団、医局や講座レベルで共通目標(Vision とコンセプト)の設定が必要だと思います。

日本で最も救急搬送件数を受け続けている古巣の研修病院が取り上げてられていましたが、病院間での連携と適切なコミニケーションがやはり重要だと思います。施設や後方支援病院や外科系の診療科など、知らない、見たこと無いものに対して医療者が不安になるのは当たり前だと思います。経営上の問題もあるでしょう。

我が国の医療の歪を俯瞰的に観察するに、よかれと思って責任感をもって頑張るところに必ずしわ寄せがくるようなシステム的な欠点があります(逆を言えば、国民皆保険もフリーアクセスなど良い面もそれ以上に多いと思います)。SNSのツイッターを見てしまうと疲れるので、見ないようにしているのですが、一言ではYes/No、良い悪い判断は不可能で難しい問題です。

 

話を戻しますと

Malpractice Risks in Communications Failures, 2015 Annual Benchmarking Report, CRICO Strategies

 

医療裁判にまで発展する原因としてコミニュケーションエラーが(これはうっかりとかいうレベル以上に)があるそうですが、もっともっと根深い人間としての問題があるように思います。このあたりを近いうちにHarvardのメンターと研究に落とし込みたいなぁと今は考えています。

 

 


米国医療訴訟 Risk and Evidence Based Intervention Program

2021-01-04 10:09:48 | Harvard medical school

みなさま、こんにちわ。

しばらく2週間ほどゆっくりしてしまっていました。

さて、今日からWinter 集中プログラムです。Harvad Medical Schoolの特徴として、Fall とSpring の間にSummer program とWinter programがあります。

どうも米国のリサーチ分野の分類で言えば、Generalistとしての僕の専門領域はHospital medicineであり、その中でも医療の質と安全領域になるようです。

以前僕が書かせてもらった論文から。

 

OGPイメージ

Academic Hospitalistは先駆を切らねばならない-日本の大学でGeneralがこれから爆発するために- - 第三部 熱帯夜の明けに~Generalist in 出雲 大学編~

みなさまこんにちわ。インフル発熱や子供が心配なお母さん、アルコールの人などなど楽しい寝れない救急外来当直明けからの〜内科初診外来+僕の独特な...

Academic Hospitalistは先駆を切らねばならない-日本の大学でGeneralがこれから爆発するために- - 第三部 熱帯夜の明けに~Generalist in 出雲 大学編~

 

 

僕の所属するプログラムはほぼ全て必修が決まっているので一つも落とせません。しかし、まさに自分が研究してきた内容そのままなので、読んだことある論文ばかりなので助かります。

 

Harvard大学の医療の質と安全分野の研究は、先行研究とランドマークレポート的にも確実に世界一であると思います。

理由の一つにErrorから学ぶという姿勢、訴訟からRisk reductionのために実際に行動に移す姿勢を重要視してきたからとおもいます。

後述しますが、大学の医療訴訟対策機関であるCRICOは全米一位の医療訴訟に負けない、また訴訟に発展させない取り組みをどこよりもがんばってきたとのことで授業ではそのようなエラーを起こさない、裁判に発展させない、負けない、様々なノウハウとスキルを学びます。

単に訴訟で負けないとか勝つとかそういものではなく、研究対象としてどうすれば訴訟に発展するようなエラーを防ぐことができるか?またどのようにして、患者リスクをへらす介入ポイントを探るかということが大事です。これは患者への安全性を高める当たり前の大きなメリットがあるだけでなく、一生懸命働いている医療職の精神的摩耗・時間的ロス・離職を防ぎ、結果的に双方にとって建設的な良い結果を生むものになる重要な取り組みです。僕はこれをホスピタリストの病院の治療(どの病院でも、"患者"として側面がありそれに対する的確な診断と治療が必要と考えてきました)

今回は、そのような内容を少し記載しておきます。

冬季集中セミナーの前半は医療訴訟と対策&質の改善についてです。後半はリーダーシップWSで集中的にマネージメントを学びます。

 

前者は

  • Captive Malpractice Company
  • The Business of Malpractice
  • The Financing of Malpractice
  • Protecting Providers: Medical Legal Process
  • Malpractice for the Provider’s Perspective
  • CARe Program
  • Coding, Analytics, Data Visualization
  • Promoting Safety: Patient Safety Risk Mitigation
  • Risk Assessment Programs
  • Patient Safety Organizations
  • Risk Specialty Areas: Emergency Medicine, Surgery, Obstetrics, Primary Care
  • Simulation in Health Care
  • Patient Safety Adoption Initiative
  • Spread and Sustainability of Patient Safety Initiatives
  • Technology and Risk

です。

 

ちょっとだけ医療訴訟の話の内容を記載しておきます。

なぜ医療訴訟の研究が重要であるか?それは、もっともMedical errorの改善の余地可能な、Human errorやSystem errorレベルを洗い出すことができること一般的に言えます。しかし、訴訟の研究は医療者側(Provider)を訴訟から守り、そして患者側の安全も同時に守るという視点に直結していることが特徴といえます。通常のインシデントレポートやエラーの報告からだけではは訴訟における医療者提供者を守る視点などは含むことはあまりありません。

世界で最も医療訴訟の対策と医療安全介入を行っている自前の保険会社(CRICO)の活躍が大きいです。大学専属の医療訴訟に対する保険会社であり、かつエビデンスの高い介入を実際に実装することで訴訟を減らし、患者の満足度を上げ、訴訟での支払いをへらす事で大学附属の保険会社としても利益があがるという非常にWin-Winの素晴らしいシステムです。

我が国の21倍も医療訴訟件数が多い米国だからこそ会社運営ができるのかもしれませんが、日本の医師賠償保険にはこのような医療者側(被保険病院・施設・医師)への質の改善と安全の介入は全く行っておらず盲点であると思います。(そもそも大学病院でも医療の質と改善の専門家が、Evidenceに沿って横断的かつアクティブにImplementationできている施設はすくないと思います)。

自分もこのような会社を作り、全国の病院に介入しようかと思いましたがかなりの心労と体力的な負担になりそう断念しました 笑。

脱線しましたが、Harvard Medical School 関連の医療訴訟のデータ(CRICO report)では

原告の勝訴が2%、医療組織側が14%、和解31%、却下・取下げ等が53%とこれだけみると米国(特にHarvard CRICO)では訴訟を起こしても殆ど医療施設が負けることがないことがわかります。ただ、先述したように日本の医療訴訟の21倍の訴訟数がありますのでそのあたりを加味すると、どの医療現場でも金銭目的で医療訴訟に発展する風土があるとも言えます。

 

また有名な

Jena, AB et al, N Engl J Med 2011;365:629-36の論文では、

医師が65歳までに訴訟に直面すると予測される累積グラフで、リスクの低い専門分野の医師では45歳までに36%の医師が最初の医療訴訟に直面すると予測されます。リスクの高い専門分野の医師では88%と極めて高い割合で訴訟に発展しています(なんだこれは?日本では考えられない・・)。また65歳までにはリスクの低い専門分野の医師達で75%が、リスクの高い専門分野の医師の99%は医療訴訟を経験していると予測されています。

米国では臨床医をやっていると訴訟は必発であり、精神的に摩耗しやすいようで、実に恐ろしいです。

 

一方で、医療訴訟の診療科別傾向性では大きなばらつきがありまして、これは我々の日本の複数のデータでも特徴的な傾向があります。

医師一人あたりの換算で、脳神経外科、胸部心臓血管外科、一般外科が米国では訴訟に遭遇しやすい診療科です。やはり米国では高度な外科系専門家になればなるほど極めて高い訴訟リスクを背負っているといえます。

冬休みはだらけてしまいましたが、このような感じで、再び全力で闘争を開始したいと思います。忘れないように自分のout putをこちらにしるしていこうと思います。

 

 

 

 


Quantitative Approach to Qualityのコースがやっと終わり。

2020-12-11 01:55:40 | Harvard medical school

みなさまこんにちわ。

今日は思い出に残る日になりました。

COVID-19で色々ありました・・

いつかこの日を思い出すかもとしれないと記載しておこうと思います。

 

自分の診療が難しくなろうが、家族がかかろうが、自分が倒れようが、全ての物事は進んでいきます。

 

今日はHQS703 Quantitative Approach to Quality 終了の日で、最後のQuality improvement projectのプレゼン発表でした。先週はReseearch Proposalのプレゼン発表でした。この二つが、秋学期の山場であとは大きな学期末試験を2つこなすだけです。統計・疫学など研究の内容は当然自信がありますが、医療経営学の話は正直自信ありません。

 

ハーバードの授業は当初はチンプンカンプンでストレスでしたが、6月から始まり現在は好きな授業に関してはほぼ100%ついていけるようになりました(自分の専門の関係ない分野のつまらない授業は不思議と全く何いっているのかわからない・・というか昼の疲れなどあり深夜に集中力が0になります)。

元々統計・疫学、ベースとなるプロの医療者としての実臨床の知識と経験のおかげスポンジのように吸収するとはこの事なんだと実感できています。なんとなく研修医の一年目の終わりころの感覚に近いです。

その意味で、執筆や論文や講演や国の事業などをガンガン一人で楽しくこなすようになってからようやくハーバードに在籍している今こそが、留学の一番ベストのタイミングであったのだと感じています。

MHQSは実務重視のかなり特化しているのか年齢高めのプロフェッショナルスクールなので、多分一本もその分野で英語原著を書いていない場合は学びの吸収量が減るかもしれませんし、かといって副院長クラスの年齢になって学ぶには遅すぎると思いました。

*同級生を見るとだいたい中間層は35才くらい上は60歳手前の同級生もいます。みんなすごく熱心でいい人ですが、残念ながら自宅待機です。

コロナで辛いことが多いですが、きっと辛いながら今を落ち着いて呼吸しながら、学ぶ必要があるのかなと。

いつか、思い出してみたいと思います。

 

 

 

究極的には、この下記のスライドを人に説明できることが目標ですね。

QIとQIっぽいresearchの違いを説明できるようになったと思います。

これから期末テストに向けて、要所要所を日本のみなさまにお裾分けしようとわかりやすく簡単に書いていこうと思います。しばしお待ちください。


成功後の維持:Quality Control or Sustainabilityについて

2020-12-05 00:57:31 | Harvard medical school

 

みなさま  こんにちわ。

秋学期の激動がすぎて、いい感じに詰め込まれてきております。日々の大学改革や質の改善の行動でもっとも使える内容になってきていることは強く感じます。こういう学びが日本に全くないことが、変化の激しい環境に対応する集団や組織としての脆弱性の一部になっているのかもしれないなぁと感じます。この学問をしていると、むしろ環境の変化がチャンスと感じる要素があると思います。

やはりこの分野のハーバードの教員はほぼ若い優秀な女性なので、QI+教育となると女性が多いのでしょうか。

さてQIは日本でも理解されていると思いますが、QCとQPも重要です。Overlapする要素もあるのですが、だいたいの感じはこれです。

  • Quality Control (QC) focuses on day-to-day operations: これは日々の医療の質の管理の部分で、QIで実施介入できた内容をそのまま標準化して管理するための作業
  • Quality Improvement (QI) becomes necessary when stable, controlled processes are incapable of producing satisfactory results. Model for Improvement, Lean, TQM, Six Sigma, and other:これまでここで紹介してきた医療の質・変革ツールを複数用いて行っている改善
  • Quality Planning (QP) refers to an overarching system for managing quality.  これまで紹介してきたRCAの内容などを用いて、QI を立案するためのプランを立てる時期

また

では変化できた、QIできた!後に、どのように持続していけば良いか?これも極めて重要なところだと思いますが。今回はSustainabilityの話です。

この言葉を聞くと、SDGsSustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称を思い浮かべるかと思いますが、QI成功後の持続のために必要な要素はIHI的に6つあるとされます。

それが現場でQIは目立つので頑張るけど、上記のQCができていないアルアルに繋がっているらしいです。(知らんけど)まぁそうでしょうね。簡単にいうと、SustainableのためにはQC!!であるわけです。

そして面白いのが、QCできていないというのは、多くの場合Senior leader トップの責任と言いきってます。下記6つをリーダーとしては心がける必要がアリそうです。

 

Standardization denotes specific, detailed, documented standard procedures. 標準化とは、具体的で詳細な、文書化された標準的な手順を意味します。現場のスタッフだけでなく、監督者、より高いレベルの管理者、幹部クラスが熟知する必要があります。現場の混乱を最小限に抑え、機器や消耗品の資源を確保し、スタッフが何をすべきか、いつ、どのようにすべきか?を確実に把握することで、標準化してサポートしなければならない模様。(Ope 室でのチェックリストや病棟のバンドルもそうですね)

Accountability means a process is in place to review implementation of standard work. 業務が標準化されているか確認するためのプロセス。ベストプラクティスを維持している組織は、各勤務日またはシフトの最初に現場の申し送りや相談を採用。これにより標準的な業務プロセスにスタッフの注意を維持可能。しかし、現場のスタッフだけではなく管理者も時々参加するようにした方が良い。

Visual Management involves the use of clear, simple data displays at the unit level that show performance on key quality measures over time, and track problems the team is currently addressing. 情報は見える化する!!明確でシンプルなデータを表示し、主要な品質指標のパフォーマンスを経時的に表示し、チームが現在取り組んでいることの問題点を全体で確認。情報は、チームが見渡すことができるよう透明性高く表示を!これが各自の相談と調整に必要。スタッフは毎日データを見直し、更新する。

Problem Solving means methods are available for developing frontline improvement skills so staff can address issues as they arise.問題は必ず起きる。スタッフが問題が発生したときに対処できるように、問題に対して現場のQI+QPが用意されていることを意味する(これは難しい、この表なことを理解できるとなるとMBA的、リーダーシップ的、マネージメント的なことを理解している人が多いチームになりますね)。一貫した品質を維持するためには、第一線のスタッフが日常的に日常的な問題を無視しないことが必要です。頻繁に報連相することで、QC品質に関する問題を提起したり、トリアージしたり、単純な問題を処理したり、ガッチリしたQIプロジェクトを要する問題を提議させる。

Escalation involves frontline staff scoping issues and raising those that require management action to resolve. 第一線のスタッフが問題を視野に入れ、管理者による解決策を必要とする問題を提起できる(しなければならない)。これは日本は得意、上に持って帰る、上が判断する作業ですね。

Integration means active communication and consistency of purpose between levels of management and professional staff, and across departments. 経営層と専門スタッフの間、現場、部門を超えた積極的なコミュニケーションによりと見える化したGoalを持ち続ける。これは、組織がそのミッションステートメントの約束を果たすためには不可欠。これには戦略的意図と現場の品質目標との調整、改善イニシアチブの優先順位付け、開始、管理、改善能力の構築など、多くのことを行うため横断的な視野と視座が必要。(だから米国ではHospitalisがQIやってることが多いんだと思います。)

 


Scale-up approaches 改善成果の拡大戦略  しまねでやってること。

2020-12-04 14:10:06 | Harvard medical school

みなさまこんにちわ。

最近は、期末テストとPersonal quality improvement project発表 (僕はAI coaching によって僕は痩せるかどうか?!毎日2ヶ月体重付けました・・果たして成果は?)、とResearch proposal 発表や申請書提出(6P程度の科研費申請みたいなものです:慣れているので簡単ですが普通に自分の研究とFull time workerやりながらだとLiterature reveiwなど時間かかってしまい睡眠不足に)で追われてしまう全く更新できませんでした。やはりアウトプット目的でない勉強は効率が悪く、僕の年齢だと忘れる、忘れる。

さて今週のテーマは、Scale-up approaches です。

簡単にいうと、Change management (変革)やQuality improvement (改善)のPDSAがうまくいって、標準化された時に、これまで学習してきたような

Micro sytemからMeso systemそしてMacro systemへとどのようにスケールアップしていくかという話になります。

これはいつも自分が一生懸命考えている、虫の眼・鳥の眼問題、視野・視座・視点が調整できない問題とも繋がりますのでとても感得できる内容です。

実は今、Harvard Medical Schoolの大学院課題をゴリゴリにこなしながら、島根全体のフィールドを使わせていただいて全国の総合診療医育成ロールモデルとしてなんとか貢献できないかを考えています。幸いに信じられないくらいの強力な支援をいただき、真剣に行動にうつしておりますが、やはりこの考え方がとても大事だと思いました。とってもうまく行きつつあります。

僕のプログラムはQuality and safetyとはいえ、ビジネススクールの要素が半分くらいあるのでそれがまた面白くもあります。

人間の性でどうしても避けようがないのですが、自分の医局だけ、自分の病院だけ、自分の島根県だけ、自分の国だけに固定されてしまいやすくなりますので、その現場、その空間で調整することがやっぱり大事だなぁと思います。

逆を言えば、夜は色々な国をやりとりをして、昼は島根のことだけを考えていると、どうしても時々視座や考え方が極めておかしくなって物事をみたりしていることに気付きますのでメタ認知して自分を制御しなければなりません。

最近やったことといえば、Stakeholderを全員列挙して、その多くの人材が喜んで楽しく活躍できて本人のためになるだろうDriver とモチベーションや要望や需要を分析、それに対する供給と戦略の調整と大学上層部、県行政上層部との交渉と決定ですね。これもHarvardの課題内容と恐ろしいくらいドンピャシャリではまっています。

うまくいったらいったん評価して、再度作り直しながら次のサイクルへ。結局は短期間で学習したことでしたが現場で圧倒的に毎日頻用しているのでとても本質的で重要なことを、単に僕が知らなかっただけであったということに気付きます。

まるで、なんとなく聞いていた心雑音や呼吸副雑音の聴診をしていたかのような過去の自分に気づけるので楽しいです。

もちろん理論だけでは全然ダメで、学びながら現場で実践がないと鼻クソです。なので、これはとてもいいサイクルになっています。

初期研修医が診察しながら本を読むみたいな感じです。

最近は本当だったらボストンの美しい街並で自分の勉強だけ専念できたのにぃ〜と、高額な授業料を支払ってコロナの影響で文句ばかりいって嘆いていました。が、400年以上の歴史でこんな感じで現場とバーチャル?の世界でいったりきたり学んでいるのは僕だけかもしれないので、10年後僕が生きていればいつかすごく役に立つかもと、ここは踏ん張りどころと考えてじっとじっと静かに耐えています。

 

 

 

 

IHIの普及のためのフレームワークです。下記6つを考えます。左から右へ広がっていくイメージです。

・システム側組織の、責任者の明確化/インセンティブ/リーダーシップの設定

・成功事例とデータ

・コミュニケーションツールの設定とチャンネルとメッセージの用意

・社会システムへのスケールアップ

・IHIガイドラインを用いてスケールアップの活用

・現場のFeedbackに応じた普及活動の向上させる

 

 

 

スケールアップするためのフレームワーク:この流れを意識する。いきなり大きなことから始めない。

ポイントはScalable unitの開発:成功事例や効果の高い治療や活動などをセットアップした後に、次の大きなスケールでうまくいくための規模へ拡張子したものを事前に作成しておく。

大きなシステムで挑戦を開始したらあとは以前までやってきたようなChange managementやLeadershipです。

 

*Barker et al. Implementation Science (2016) 11:12 DOI 10.1186/s13012-016-0374-x

 

もっともっと面白い考え方がありました。

 

* Gareth J. Parry, et al. Recommendations for Evaluation of Health Care Improvement Initiatives. ACADEMIC PEDIATRICS 2013;13:S23–S30より

これは、一見うまくいった変革や改善が、他の施設や文化ではうまく行かないことを完全に説明した論文だと思います。

非常によく考えられていて、最初小規模のテストや試みがものすごくうまくいっていたとしても(成功率100%)、背景が違うとその成功率はガクッと落ちるということを示唆しています。

つまり先進的な治療や試みや組織の変革も小規模で導入できたとしても、急激にMesosytemに取り込むと背景がまだ統一されてきていない幅が広い状態だと失敗割合が高くなるので人々の評価も下がってしまう可能性を危惧します。背景が似たような状態に集約されていれば必然的に成功率も高いのでうまく評価を得て大きなスケール規模で展開できるという考え方だと思います。

 


実装?KaizenのImplementationの際に注意すべきこと。

2020-11-16 12:38:52 | Harvard medical school

今日は、Implementationについてです。実装と日本語に訳されることが多いですが、いやいや普通に多くの人が耳馴染みがないために、個人的には実行、実施の方がNative Japaneseの感覚に近いと思っています(なんか武器を装着するみたいでよね)。

さて、色々な問題点を分析し、そして改善案を実施しなければなりませんがその際の注意点があります。

以前、世界のTOYOTAの講演でPDCA+SDCAの話を聞きブログにしました。

 

OGPイメージ

TOYOTA KAIZEN と医学教育改革、医療の質・安全学会でぶっこむ。 - 第三部 熱帯夜の明けに~Generalist in 出雲 大学編~

みなさまこんにちわ。医療の質・安全学会にお呼びいただいたのでお話ししてきます。私のテーマは本邦の医療訴訟判例から読み取れる診断エラーについて...

TOYOTA KAIZEN と医学教育改革、医療の質・安全学会でぶっこむ。 - 第三部 熱帯夜の明けに~Generalist in 出雲 大学編~

 

 

P(plan) D(do) C(check) A(act) 、これは方針管理や、抜本的改善、革新的な活動・アイデアなどで頻用する。ここから、組織全体が持つべき方向性・Standard化した行動や業務などを作成し浸透させることが重要ですね。一方で、組織の活動の標準化(つまりは毎日の医療行為の標準化と質が保たれているか?良い教育が行われているかなど?)に関しては、PDCAではなく、SDCAを用います。

つまり、S(Standardize 標準化) D(do) C(check) A(act)が重要で、行うべき標準化されたやり方、規則、考え方は遵守できているか、できないのであればなぜか?これを考えるのが重要と思います。

 

さて教科書では、このように記載されていますが、正直本質は一緒です。覚えるというよりは感得するということが大事かなと思います。

 

• Implementation is about how to make a change an integral part of the system. どのようにして変更をシステムの不可欠・重要な部分に組み込むか?


• A common mistake is to go straight to implementation and skip testing. よくアルアル間違いは、いきなり直行して猪突猛進して実行していまし、重要な評価やテストをやらないことです。


• Implementation should be managed as a series of cycles.  一連のサイクルとして管理されるべき

 

• Once improvements are implemented, practices need to be established to ensure the change becomes the normal way the business is run. Some of the practices that help make improvements permanent in an organization are standardization, documentation, training, measurement, and appropriate resourcing. Periodic self-audits can be useful in determining whether these practices are being followed.

変革や変化が通常の運営プロセスになるように確立する。その改善を永続的なものにするのを助ける実際的な手順はの

標準化

文書化

トレーニングの繰り返し、

評価とテスト

資源の確保

定期的な次組織の観察や調査はこれらのプラクティスが守られているか決定する場合に有用。


• The increased permanence of a change associated with moving from testing to implementation is usually accompanied by increased awareness of and reaction to the change. 変化の定着を向上せるということや実際にテストから実行へ移行する際にどれだけ注目されて、抵抗があるかということと関連する。

• Many of the ways in which people become motivated to support a change begin before implementation is started. スタッフがその変革にサポートする意欲を保つために数多くの手法があるので、実施する前に十分に検討する。

*Gerald J. Langley, The improvement guide より

 

今日はこの辺りで。

 

 


医療訴訟アウトカムリスク予測モデル

2020-11-12 11:45:43 | Harvard medical school

みなさまこんにちわ。今日はとても悔しい授業内容でした。

自分が簡単な予測式で発表しようと思っていたもので(内科に絞ったものは投稿中ですが)、今年2020年のa division of the risk management foundation of the Harvard Medical Institutions IncorporatedからCRICO strategiesというもので衝撃でした。

その予想式では、標準的なポリシー、プロトコールの手順のエラーがaOR 2.45, 患者のアセスメント不足がaOR 1.85、書類不備がaOR 1.76などであり、患者側の明らかな要因があるとaOR 0.64, 第三者機関が関与しているとaOR 0.47と逆に敗訴するリスクは下がるとの内容です。

まさにこれは、僕はDiagnostic errorとSystem errorでLogistic 解析で既にやっていたことで、自分が知らなかっただけで、米国の法曹界と医療界のコラボレーションですでに結構出来上がってきていました。この Harvardが運営するCRICOは本当にすごい、こういうことができるのがこの大学の超越したところだとひしひしと感じます。日本のぼっち医師では、もう相手にすらされない圧倒的なパワーを前にして悲しくなります。

 

日本では法曹界の先生方はprediction ruleなどで、どういう要素が医療訴訟の勝敗に関与するかあまり興味がなく、判例一例一例毎のexpert opinionで動いているようなので、正解のない答えを扱うとそうなると思いますが、医療の質の改善的には本当にocean blueであると考えています。

 

正直悔しいですが、自分が知らなかっただけで、手法も考え方もまったく同じで、あながち自分の考え方や戦略は全く外れていなかったという確定的な自信にもなりましたが、やはり遅れている研究結果の報告に自分の時間の使い方に無駄がなかったか、時間マネージメントが足りなかったことを後悔します。

我が国で、研究を本気でするためにはどうしても専念する必要がありますね・・・・・。

この予測式から、ある一定の患者数あたり、どのように介入すれば莫大な医療訴訟費用を減らすことができるか?すでに米国で介入が始まっているので、我が国にも5-10年後くらいに導入になると思います。かなり訴訟関連費用は減ると思います。

 

37000の判例で右側のVariableは調整されています。

要約するとこんな感じです。

 

また、その中でも、inadequate patinet assement (患者さんに対するアセスメント不足)では

医師の診断エラーがどれくらいHarmfulであるか、我々の日本のデータもほぼ同様の解析結果でした。

唯一の希望は、日本と米国の司法制度の異なり、また訴訟に対する文化や考え方の違いから二国間比較は可能であるので今後の楽しみに取っておきます。

救急やプライマリケアといった、診断がついていない、そして複雑性が高い高度な臨床能力を必要とする診療科はやはり丁寧な卒後教育(トレーニング)と生涯教育の上に成り立っているなぁと実感します。

 

 

 


Quality improvement におけるControl Chartの選択の方法

2020-11-08 12:46:55 | Harvard medical school

Improving health careのコンセプトを真に理解して解析するためのもっとも大事なコアの部分です。

これは、臨床研究で言えば、FINERたてて、Null hypothesisとHaを決めてDataの検定を決定するときのコアだと思っていただければと思います。

医療の質と改善の学問はかなり楽しいです。これは・・・自分のような研究者も好きで、Activitistでもあり、教育が臨床が好きな人に向いているとしか思えません。

COVID-19で辛いことが多いですが、前向きに、全ての仕事に感謝して取り組みます。

 

一見わかりにくいですが、ImprovingのためのDataはAtrributes data(BinaryやDichotomusやCategolical dataですね)かVariables (Continuous) dataか?を考えます。

この時に大事なことは、CountとMeasureの違いですね。前者は一個二個など数えられること、後者はメジャーで計測するイメージであれば良いかと思います。

さらに極論すればこうなります。

はじめに

まず前提として、物事がうまくいっているかどうかをみたい時に、折れ線グラフを作ってよくあらわしますよね。この折れ線グラフを走らせたものをRun chartと仰々しく名前がついております・・。(一瞬、なんのことかわかりませんでした)。その折れ線グラフの解釈をより正確に行い、介入やマネージメンに用いるためにControl chartが作られたといえます。

Control Chart 

Control chartはRun chartの延長線上にあるのでRun chartがもつすべてのことを含んでいる。医療のプロセスの平均から3σの距離に上限管理限界UCLと下限管理限界LCLを追加したものである.これは,プロセスの能力を示し,プロセスが許容されるパラメータの範囲内にあるかどうかを監視するのに役立つ.

次に

評価したいOutcomeがmeasurement/VariavleかAttributeかを考えます。前者は主に連続変数、後者はいわゆるカテゴリカルデータです。

ここでは前者をまず考えます。

 

わかりやすくいうと、横軸に日付やイベント数を例えば書いたとして、それがサブグループであれそのサブグループの中の平均や標準偏差を見ることができますね。(その日の血液培養陽性率とか)その場合はXBar-Chartを使うことになるわけです。

XBar Chartについて

極論すると、Xbarの意味は、”sample mean”という意味ですので、その値は集団の結果であるはずです。なので連続変数で集団の値であればX-Bar chartを選択します。そして、その中でもXbar-RかXbar-Sに別れます。

・Xbar-R

ここも極論すると、Xbar-R generates a sub-chart of the Range of the values within each subgroup 

Xbar-R Chartはその集団のRange(変化の幅:最大ー最小)を反映したグラフを下にもう一つつけます。なので、Xbar R (rangeのR)Chartなんですね。例:CBCの採血からの表示時間を1日3つのランダムサンプルをとるとして、1日目が72、78、84分だとする、この場合Rは84-72=12分。これを別のChart として表示していきます。Boxplotsで表示も可能でしょう。

・Xbar-S

ここもさらに極論するとXBar-S uses the StdDev of the within-group measurements for the control limits or Sigmas。

要するに、グループ内の標準偏差を用いて表示します。

そこで、はて?それでどう使い分けるのか?と気になると思います。これは慣習的に(きっと深い意味があるのかもしれませんが、P-valueと一緒です)If subgroups sizes>10, use Xbar-S、そのサブグループのサンプル数が10を超える場合はXbar-S Chartを使うということになっています。

まとめますと、X-Bar Chartsを使うときは!
1)Distribution: Normal できれば
2)Data type: MeasurementsつまりContinuous data
3)Data group type: Rational subgroups >1 observation、基本2以上。10を超えるとXbarーRからXbarーSへ変更

と極論で斬ると良いでしょう。ふぅ、やっと頭の整理がつきました。

 

IR-chart(I chart, Xbar chart)について

ここがまた当初混乱の元ですが、このI chartは色々な名前があります。そもそもIndividual dataに対して用います、根本原則でIndividualとはサブグループのn=1になります。(つまり、横軸は日付で縦軸は体重などの場合ですね)。が上記のようにRangeがついたらIにRがついてIRです。また、それらは単にXbar-chartと呼ばれることもあります。これらなんと全て同じ意味です。自分の名前に少し圧倒されたように初学者が陥りやすいところです。日常でよく見るものなので基本中の基本のChartなので深く考えずに上記名前は全て同じ!と理解すると良いでしょう(この辺りは、日本語の教科書もなく、ネットにも見られないので勝手に極論します)

 

P-chartについて

  • Binary Outcome!!
  • - Y軸はパーセンテージ/比率になる
  •  σとcontrol limitは、標準誤差に基づく。
  • 二項分布
  • 各ポイントにはそれぞれのCLがある
  • 狭い限界≠変動性が減少
  • 大規模サンプルサイズ
    - CLからプロセスの予測ができない(同じものを除く
    サンプルサイズ)
    - 能力は全体の割合
  1. Maximum subgroup size: When n>1000 and p>.1%, use an IR-chart instead of a p-chart. The control limits on the p-chart will be too narrow. 母集団が大きくて1000を超えたり、p>0.01→代わりにIR-chartを使う。
  2. Rare events: When p <1.5% and between events or opportunities between events plotted on an IR-chart or specialized chart such as t-chart)
  3. P should be <50%: Customarily, we chart “non-conformities”, but if p>50%, then reverse the measure and chart conformities instead. 起こる確率は50%未満でないといけなくて、それより大きい場合は分母の対象を逆に。

1) Lloyd P. Provost、 Sandra MurrayThe Health Care Data Guide: Learning from Data for Improvement より引用

 

P-chart, and U-chart/C-chartの違い

ここでも極論すると、P-chartは教科書的には、Classification of items/unitsと書かれていますが簡単にいうとBinominal distributionをとるものを使います。Yes or no、Pass/ Failなどのアウトカムです。調査した数のうち何らかの属性を持つ項目の数と持たない数がはっきりとわかる場合ですね。例えば、帝王切開数/全出産数などが良い例です。

次に、UとC-chartはPoisson分布をとることが前提です。(Poisson分布については基本なので、また時間のあるときに書きます)。簡単にいうと、エラーやアクシデント、など時空間の領域または調査単位で発生した事象の数といえます。

UとC-chartは

  • The incidents are counts (whole numbers)   Event のカウント!
  • Incidents at any one place or time are independent of incidents at other places or times:その場所や時間で発生した出来事は他の時空間(笑)とは独立している。
  • The area of opportunity (region) is well defined (との機会の領域は明確になっている、その施設内や部門内などがわかりやすいかも)
  • The chance of an incident at any one place or time is small(そのイベントが起きてしまう確率は低い)
  • The area of opportunity (region) for each subgroup is: Constant! (そのエリアや部門が変動する場合は確率が変わるので、一定の場合は前者はC-chartに、変動する場合は後者はU-chartになる)下を参照

**勝手な覚え方、CはCONSTANT!でCOUNT!です、UはUnstableのU!!

C-chartとU-chartの違い:大事。エラーが起きる(カウントできる)もので、エラーが起きなかったものを測定できない場合は、U or C chartになる。さらに、U-chart とC-hartの違いは、測定期間中のRiskは同等であると考えられるかどうか。ほぼ同等であれば、C-chartで、unequalであればU-Chartになる。

 

 

*https://sixsigmastudyguide.com/control-chart/  より

前回載せました別のフローチャートではこのようになっております。

教科書で多く見られるのは

平均+幅 Xbar+R chart 

平均+σ  Xbar+S chart 

個々の値+Range chart はXmR chartを選択

 

*パーセンテージにご注意

Percentageはcontinuous measuresに見えるが、多くの場合は違う。ここポイント。

- 小数点があり、スケールが連続しているので連続データのように見えますよね。
-例えば、18.3%の患者に有害な転帰があった- アウトカムの分類は実際にはBinaryです(Bernoulliプロセス)。
- しかし、時には本当に連続していることもあり、その代表例は体脂肪率。

- サブグループが非常に大きい場合はp-チャートの管理限界が非常に狭くなるわけなので見かけ上の有意な管理外シグナル(コントロールチャート上で意味のある)を得ることができてしまいます。これは、研究における大規模な標本サイズと似ていて、小さな違いは統計的には有意であっても、臨床的には実際には全然意味がない場合を理解。
- ガイドライン的には サブグループ(分母)が1000以上の場合、IR-チャート変更すべき

 

Donald Wheeler says when in doubt, you can use the IR chart for any type of data: counts, rates, events, measurements, etc.

Wheeler先生はおっしゃったわけです、迷ったら、数、割合、イベント、計測数あらゆるものを試してとりあえず表してみろ。と。

 

 


QUASI EXPERIMENTAL STUDY DESIGNS

2020-11-05 12:31:54 | Harvard medical school

みなさまこんにちわ。

今日は、Quality improvementの研究でもっとも大事だと思う(勝手に思っている)内容ですね。だって現場の感覚に沿っているので。

この辺りは、EpidemiologyとBiostatisticsの基本がないと難しいのですが、僕の場合はGCSRT時代に"津川先生のブログ"で昔勉強しました。なかなか、日本語でわかりやすく書いてある本質的な内容がないところを、津川先生のブログは神です。僕もGeneralisitが病院でQIをシンプルに勉強したい人が出てくるかもしれないことを考えて、やはり日々の感動や驚きはOutputし続けなえればならないと思います。

そもそもHarvardのEpidemiologyとBiostatisticsのコンセプトはだいたい同じなので、津川先生が書いてくださっている内容は不思議とだいたいテストや課題のポイントになってドカドカ出されます。恐ろしいくらいの的中率です。津川先生、お会いしたことはないですが、勝手に尊敬しています!!

さて、INTERRUPTED TIME SERIES (ITS) ANALYSIS USING SEGMENTED REGRESSIONは上記のように簡単にJMPでFigureを作れそうです。僕はSTATAが好きですが、Visualizeする場合はどうしてもJMPに軍配が上がりそうです。

 

さてQUASI EXPERIMENTAL STUDY DESIGNS基本的な考え方としては、”A study design used to estimate the causal effect of a non-randomized intervention on an outcome in a target population”になります。ここ大事です。何でもかんでもRCT!RCT!のように言えば言い訳ではなく、実際の医療の現場、教育の現場、政策の現場ではそうは言えないですよね。そこで登場する概念です。

種類は大きく分けて3つ

•Simple before-after / pre-post

•Interrupted time series (ITS)

•Difference-in-differences / controlled interrupted time series (DID/CIT)

です。

ITSは必ずしも介入によるものかどうかは言えないので永遠のLimitationです。可能であれば同じ時間でコントロールを立てて、比較が望ましくなります。DIDは、差の差のを比較するわけで、CITSは、フォローアップ期間中に介入群がそのベースラインの傾向から逸脱する(ベースライン平均値と傾き)を比較した場合に比べて大きいかどうかを比較します。それでも、その他の要素が影響している可能性があるので、わかりやすく言うと1) コントロール群を立てる時に出来るだけ注意し,2 ) 潜在的交絡因子をregressionやマッチングで調整するのですね。

 

授業で用いた教科書はこの論文です。

Reference

1) International Journal of Technology Assessment in Health Care, 19:4 (2003), 613–623.

Y = ß0 + ß1time + ß2post + ß3time*post

ß0 = baseline LEVEL of outcome

ß1 = baseline TREND of outcome (slope prior to intervention)

ß2 = change in LEVEL after the intervention

ß3 = change in TREND after the intervention (the difference between pre-intervention and postintervention slopes)

 

このようなモデルに当てはめるときの、QIにおける極論的な理解は下記になります。

Outcome Methods of Statistical Analysis
Continuous  Linear regression
Binary Logistic regression
Counts Poisson regression

極論ですが、僕にはわかりやすく感じます。Poisson regressionでまだ論文を発表したことがないので、今やっているCapstone QIで試しに使ってみたいと思います。