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自分の自分による自分のためのブログ。
だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

強制収容所の実情を告発するために命がけで脱獄した2人の囚人の逃避行『アウシュヴィッツ・レポート』

2021年08月01日 21時05分48秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:106/155
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ヒューマンドラマ
ホロコースト
ユダヤ人
ナチス
逃避行

【あらすじ】
第二次世界大戦中の1944年。
ユダヤ人が収監されたアウシュビッツ=ビルケナウ強制収容所で、
過酷な労働を強いられて殺害される人々の遺体記録係をしている
スロバキア人のアルフレート(ノエル・ツツォル)は、
ナチスドイツによるその残虐な行為の証拠を持ち出し、
有力者に届けるために脱走を企てる。

協力した仲間たちは
「正直に話せば全員宿舎に戻れる」
と執拗に拷問される一方、
アルフレートたちはホロコーストの真実を
世界に伝えるため国境を目指す。

奇跡的に救出されたアルフレートとヴァルターは、
赤十字職員にアウシュビッツの実態を告白し、
レポートとして提出するが……。

【感想】
本日、ホロコースト系映画の2本目。
これもまた事実に基づいて作られた作品。

個人的にはさっきの『復讐者たち』よりも、
この映画の方が面白かったかな。
これはアウシュビッツ=ビルケナウ強制収容所で行われていた
非人道的な行為の数々を告発しようと、
脱走したユダヤ人2人の逃避行。

強制収容所内における拷問の怖さと、
逃げている2人がいつか見つかりやしないかというスリルが、
映画としても楽しめる構図。
とはいえ、メチャクチャスピード感あふれる
ドラスティックな展開かというとそんなことはないんだけど(笑)

この映画で、個人的に一番印象的だったのは終盤のシーン。
無事に脱獄して、
ポーランドにある赤十字社にたどり着くんだけど、
そこで強制収容所の悲惨な状況を伝えても信じてもらえないのよ。
ドイツがこの強制収容所を「難民キャンプ」と発表していたから無理もない。
しかも、赤十字社はそこへ食糧や石鹸なども寄付していたんだよね。
当然、囚人たちに届くわけもないのだけれど。

映画を観ている側、
というより歴史的事実を知っている側からしたら、
なかなか信じようとしない担当者にイライラしてくる。
「その証言の確からしさは?」なんて、
会社で上の人が言うようなことをしれっと言ってくるあたりが、
「このポンコツたぬきが!」って思っちゃったけど(笑)

結局、脱獄した2人によるレポートによって、
12万人の命は救われたわけだけれど、
それが正式に受理されるまでにはけっこうな時間がかかり、
その間に失われた命も多いという。
250万人がアウシュビッツ=ビルケナウ強制収容所に送還され、
そのうち110万人が何らかの形で命を落としたそうなので。。。

そして、この映画、
エンドクレジットまできちんと観て欲しい。
ここでいろんな人のスピーチ音声が流れるのよ。
いつ誰が発したものかは僕にはわからなかったのだけど、
ユダヤ人や黒人、LGBTなどのマイノリティに対する
差別的・侮辱的な発言のオンパレード。
今これをリアルで発信したら間違いなく炎上かつ
下手したら殺されるんじゃないかってぐらい、
聞いていて衝撃を受ける発言の数々。

当然、かなり昔のものだろうけど、
そもそも映画の冒頭で、
「過去を覚えていない人は、過去を繰り返す運命にある」と、
ジョージ・サンタヤーナという哲学者の言葉が紹介されるんだ。
このユダヤ人への迫害は、
現在も形を変えて残り続けているという
メッセージだよなーって感じる。

自分はホロコーストでユダヤ人が大量に殺された
という事実を学校で習った程度でしか知らないけれど、
その中でも抗うことができずに死んでいった人、
この映画の2人のように抗って脱獄できた人、
そしてさっきの『復讐者たち』のように生き延びて報復をしている人など、
いろんな人がいるんだと改めて知ることができる。

映画『アウシュヴィッツ・レポート』公式サイト

映画『アウシュヴィッツ・レポート』公式サイト

 

ユダヤ人からナチスへの報復を描いた『復讐者たち』

2021年08月01日 16時37分07秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:116/154
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★☆☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ヒューマンドラマ
ホロコースト
ユダヤ人
ナチス
復讐

【あらすじ】
1945年、敗戦直後のドイツ。
ホロコーストを生き延びたユダヤ人男性のマックス(アウグスト・ディール)は難民キャンプに流れ着き、
強制収容所で離ればなれになった妻子がナチスに殺された事実を知る。
絶望のどん底に突き落とされたマックスは復讐心を煮えたぎらせ、
ナチスの残党を密かに処刑しているユダヤ旅団の兵士ミハイルと行動を共にすることに。

そんなマックスの前に現れた別のユダヤ人組織「ナカム」は、
ユダヤ旅団よりもはるかに過激な報復活動を行っていた。
ナカムを危険視する恩人のミハイルに協力する形で
ナカムの隠れ家に潜入したマックスは、
彼らが準備を進める“プランA”という復讐計画の全容を突き止める。

それはドイツの民間人600万人を標的にした恐るべき大量虐殺計画だった……。

【感想】
毎年ホロコーストを題材にした映画は公開されるのだけど、
今年は4本も。
まずはこの『復讐者たち』。

この手の映画は歴史のお勉強も兼ねているのだけど、
これはホロコーストで迫害されたユダヤ人のナチスに対する“報復”がテーマ。

最初のテロップから映画の中に引き込まれる作りがよかった。
「想像してみて欲しい。もし何の罪もない自分の家族が殺されたら?
 兄弟、姉妹、両親、子供たち」
主人公のマックスはまさにそんな苦難を味わう。
離ればなれになった家族。
その安否を気遣うも、
殺されて埋められたと。

これ以上の復讐の動機はないよね。
やがてナチス残党処刑を行なっているユダヤ旅団に合流した彼は、
より過激な報復活動をするユダヤ人組織「ナカム」の存在を知る。

目指している方向は同じはずなんだけど、
ナカム(中村という人のあだ名にしか聞こえないけどw)とは、
程度の激しさに大きな差があった。
彼らが行おうとしているのは大量虐殺。
マックスも気持ち的には絶対ナチス全員亡き者にしたいはずなんだけどね、、、
罪もない人々まで巻き込んでしまうことに葛藤があるんよ。
それをやったらナチスと同じじゃないかって。

今この時代に平和な日本にいると、
いきなり家族が殺されるという事態にはなりにくいけど、
マックスの気持ちを考えると、
とても心苦しい内容だった。

「真の復讐とは、遠く離れた地で、次の世代と平和に暮らすこと」
みたいなセリフもあって、
長い目で見たらそうなんだけどね、、、
感情的にはなかなか受け入れられないよね。。。

ユダヤ人がナチス狩りをしていたという史実は初めて知ったけど、
ユダヤ人の歴史を知る上では有意義な作品。

ただ、ストーリーの進行的には暗く淡々と進んでいくので、
勉強にはなるものの、
映画として面白いかというと、
それはまた別のお話(笑)

映画『復讐者たち』公式サイト

1945年、ホロコーストを生き延びたユダヤ人たちによる驚くべき復讐計画とは― 知られざる史実に基づく衝撃サスペンス 7/23(金)よりヒュー...

映画『復讐者たち』公式サイト