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自分の自分による自分のためのブログ。
だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

やっべえ家族から義理の娘と孫を連れ戻すサイコスリラー『すべてが変わった日』

2021年08月17日 23時41分57秒 | 映画


2021年日本公開映画で面白かった順位:107/169
【個人的な評価】
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
サイコスリラー
サイコパス家族

【あらすじ】
1963年、モンタナ州の牧場。
元保安官のジョージ・ブラックリッジ(ケビン・コスナー)は、
妻のマーガレット(ダイアン・レイン)、
息子のジェームズ(ライアン・ブルース)、
その妻のローナ(ケイリー・カーター)、
生まれたばかりの孫のジミーと幸せに暮らしていた。
しかしある日、
ジェームズが落馬して首の骨を折り、
この世を去るという悲劇に見舞われてしまう。

3年後、
ローナはドニー・ウィーボーイ(ウィル・ブリテン)という若者と再婚。
マーガレットはスーパーの駐車場で、
些細なことで苛立ったドニーが
ローナの頰を叩いているのを目撃してショックを受ける。
心配したマーガレットはケーキを焼いて、
ローナたちが住む家を訪ねるものの、
3人はすでに引っ越していた。

胸騒ぎを感じたマーガレットは、
ノースダコタ州にあるドニーの実家に向かったという
ローナとジミーを取り戻すことを決意。
ジョージと共に車に乗り込み、
救出の旅に出るのだった。

ローナたちの暮らす屋敷に住んでいたのは、
女家長ブランチ・ウィーボーイ(レスリー・マンヴィル)が
暴力と支配欲ですべてを仕切る異様な一家だった。
常識が通用しない一家を相手に、
マーガレットとジョージは義理の娘と孫を取り戻そうとするが……。

【感想】
世の中いろんな家族がいるとは思う。
しかしこれは、、、
実際にいたら即縁を切りたいなと思うやべぇ家族だ。
このウィーボーイ家というのは。

のどかな牧場で幸せに暮らす
ジョージたち家族に突如降りかかる不幸。
息子が落馬事故で亡くなるのだけど、
それはただのきっかけに過ぎない。
問題は、義理の娘が再婚した相手だった。

ちょっとしたDV野郎かなって思ったらとんでもない。
彼はまだ生ぬるい方で、
その家族がとんでもないサイコパス野郎の集まり。
とはいえ、言葉ではなかなか説明しづらいんだけどw

もともと義理の娘と孫が連れ去られているという
パワーバランスも関係しているとは思う。
でも、言動の節々から怪しい感じがプンプンしてくる。

ジョージたちの質問には基本答えない。
うまくはぐらかすところに不信感が募る。
そして、屋敷に着いたときにドニーの家族から振られる質問。
「なんで車にキーをかけるんだい?」って。
「いや、普通かけるだろ」って思うよね。
そこを聞いてくる時点で常識の通じなさが伝わってくる。
むしろ、キーかけてなかったら
なんかするつもりだったのかっていう不安が。。。

ようやく孫のジミーに再会し、
マーガレットが抱きかかえた瞬間も怖かった。
「抱き癖がつくと自分で歩かなくなるからすぐ降ろせ」
と詰め寄るドニー。
百歩譲って子育てには各家庭の方針があることは認める。
ただ、ここに至るまでにウィーボーイ家は
やべぇ家族だって認識が生まれてる。
だからあらゆる発言に疑心暗鬼しかない。

すべてはここの女家長のブランチが悪い。
暴力と暴言による家族の支配。
そんな環境で育てられた子供たちも当然
暴力と暴言による支配が当たり前になる。

そんな家族から義理の娘と孫を取り戻すのがミッション。
ここは『ファイナル・プラン』や『ドント・ブリーズ2』
を彷彿とさせる展開。
ケビン・コスナーによる"仕返しおじさん"炸裂!

後味はかなり悪いけど、
やべぇ家族の一部始終を観たかったらぜひ(笑)

映画『すべてが変わった日』公式サイト

1963年、元保安官のジョージ・ブラックリッジと妻のマーガレットは、落馬の事故で息子のジェームズを失う。3年後、息子のジミーを育てていた義理...

映画『すべてが変わった日』公式サイト - 1963年、モンタナ州の牧場。元保安官のジョージ・ブラックリッジと妻のマーガレットは、落馬の事故で息子のジェームズを失う。3年後、未亡人として幼い息子のジミーを育てていた 義理の娘のローナが、ドニー・ウィーボーイと再婚。暴力的なドニーがローナとジミーを連れてノースダコタ州の実家に引っ越したと知ったマーガレットは、義理の娘と孫を取り戻すことを決意する。 しかしジョージとマーガレットを待ち受けていたのは、暴力と支配欲ですべてを仕切る異様な女家長、ブランチ・ウィーボーイだった……。

 

伝統や慣習に阻まれ、生まれたばかりの我が子と離れなければならない母親の苦悩を描いた『モロッコ、彼女たちの朝』

2021年08月17日 18時57分53秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:80/168
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ヒューマンドラマ
イスラム社会
女性の権利
未婚の母

【あらすじ】
臨月のお腹を抱えてカサブランカの路地をさまようサミア(ニスリン・エラディ)。
イスラーム社会では未婚の母はタブー。
美容師の仕事も住まいも失った。

ある晩、路上で眠るサミアを家に招き入れたのは、
小さなパン屋を営むアブラ(ルブナ・アザバル)だった。
アブラは夫の死後、
幼い娘のワルダとの生活を守るために、
心を閉ざして働き続けてきた。
パン作りが得意でおしゃれ好きなサミアの登場は、
孤独だった親子の生活に光をもたらす。

商売は波に乗り、
町中が祭りの興奮に包まれたある日、
サミアに陣痛が始まった。
生まれ来る子の幸せを願い、
養子に出すと覚悟していた彼女だが……。

【感想】
これは重いテーマ。
母親目線からしたらその辛さをより強く感じるかもしれない。
とにかくサミアの置かれた状況が過酷すぎて。

仕事も失い、住む場所もない。
街中を彷徨い、
仕事や住む場所を求める続けるものの、
断られてばかり。
ようやくアブラの家に招き入れられるも、
最初は肩身の狭い想いを強いられる。

それは、サミアが未婚で身重だから。

これはモロッコという国の状況を知らないと理解しづらいかもしれない。
詳しくは以下のインタビューに書かれています。

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/86207?page=1&imp=0

モロッコでは婚外セックスや中絶は違法とされている国。
さらに、婚外子や未婚の母というのは、
家族やコミュニティから疎まれる存在。
あらゆる場面で差別を受けてしまうのだそう。

そんな環境で子供を生んでも
「罪の子」とされてしまう。
サミアに限らず、
生まれてすぐに我が子を養子に出さざるを得ないケースはよくあるそうだ。

「どうせ養子に出すのだから」
そう言って、我が子が泣きわめいても放置していたサミア。
しかし、やはり母性には抗えない。
授乳を行い、我が子に触れ、
その幸せを噛み締める。
本当はいっしょにいたい。
でも、伝統や慣習がそれを許さない。
そういう国があることを、
この映画は教えてくれた。

そんな状況にあっても、
サミアに救いの手を差し伸べたアブラの優しさは身に沁みる。
彼女は夫を亡くし、
娘と2人暮らし。

モロッコでは、
女性が埋葬や葬儀に参列できないという伝統があるそう。
アブラも夫の葬儀に出られず、
最後の別れができなかった悲しさを口にする。

そんなこともあって心を閉ざしていたアブラ。
しかし、サミアと生活を共にすることで、
彼女もまた、
人間らしさを取り戻していく。
この保守的な国の中でも、
人との触れ合いこそが変化や成長のきっかけだと気づかせてくれる。

日本でも女性の立場を巡る問題はよく取り沙汰される。
ただ、国によってはもっと強く抑圧された環境にいる人も存在するのだ。
それも、“伝統”や“慣習”という、
一部の人が大昔に作った、
今となってはその存在理由すらよくわからないものに支配されて。

伝統や慣習自体は否定されるべきものではないけれど、
誰かが生きづらさを感じているのであれば、
少しずつ改善していける社会になるべきだし、
そのためにはどうしたらいいのだろうと考えさせられる映画だった。

映画『モロッコ、彼女たちの朝』公式サイト

第92回アカデミー賞®モロッコ代表。第72回カンヌ国際映画祭 ある視点部門 正式出品。心の奥にやわらかく触れる、実話から生まれた“...

映画『モロッコ、彼女たちの朝』公式サイト