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日本が生んだ盲目のダークヒーロー『座頭市物語』

2021年09月04日 14時16分32秒 | 映画


【個人的な評価】
「午前十時の映画祭11」で面白かった順位:10/13
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★★★
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
アクション
時代劇
盲目
殺陣

【あらすじ】
その腕を見込まれ、座頭市(勝新太郎)は、
下総にある飯岡の助五郎一家に草鞋を脱いだ。

近くの溜池にフナ釣りに出かけた市は、
そこで平手造酒(天知茂)という浪人に出会う。
平手は助五郎と敵対する笹川の緊蔵一家の食客だった。
盲目にも関わらず、
微かな呼吸の乱れから自身の労咳の病を市に言い当てられ、
平手は驚く。

互いの剣の腕に興味を抱きつつ、
2人の間には静かな友情が芽生えるが、
その先には宿命の対決が待っていた―。

【感想】
「午前十時の映画祭11」にて。
1962年の日本映画。

初めて勝新太郎の映画を観た。
今の若い子には『ワンピース』の
藤虎のモデルと言った方が伝わりやすいかも。
なんとこの作品、シリーズが26個もあるのよ。
MCUよりも多い。。。
しかも、そのすべてに勝新太郎が出ているという。

座頭市って、
座頭(=江戸時代における盲人の階級の一つ)の市さんってことらしいね。
ずっと「座頭市」でひとつの名前かと思ってた。。。

さて、この映画は今から60年近く前の作品。
なんだけど、ストーリーもキャラクターも今観てもとても魅力的。

特に市のキャラクターはものすごくかっこいい。
目が見えないのに、
音や気配で相手の位置を察知し、
一瞬にして斬り伏せる。
それでいて、その力をひけらかすことなく、
謙虚に過ごしているんだ。
ジャンプ漫画の登場人物かって。
当時からこういうヒーロー像は描かれていたんだなと感慨深く感じる。

そもそも演じた勝新太郎の渋さがすごい。
当時30歳なんだけど、貫禄ありまくり。
今の俳優さんって、
若い人で渋みがある人いない気がする。
綺麗な顔した人ばかりで。

そんな市が友情を深めた相手、平手造酒。
彼もまた体に病を抱えているという役どころ。
無駄な殺生は好まぬ、謙虚な人格者。
だからこそ、この2人はお互いに
妙な親近感を覚えたのかもしれない。

しかし、2人がたまたま身を寄せたところが
敵対する陣営だったのが運の尽き。
それが思わぬ悲劇につながることに。
出会う場所が違えば、
いいライバルであり続けられたはず。

正直、アクション自体は少ない。
でも、目にも止まらぬ市の居合抜きは圧巻だね。
僕は時代劇にはあまり興味がないのだけど、
殺陣に関しては昔の映画の方が断然かっこいいと思う。
アクション映画は、
もはやハリウッド映画や韓国映画と
埋めることのできない差がついた印象はある。
だから、格闘や銃撃戦よりも、
こういう殺陣をもっと極めた方がいいのかなと思った。

ちなみに、勝新太郎の豪快な逸話は枚挙にいとまがないそうで。
今だったら炎上しそうなことも(笑)
でも、トラブルがあっても人情深い性格だから、
憎むに憎めないところもあったんだろうなー。
喉頭がん発表の記者会見で、
「タバコはやめる」と言った側から
タバコを吸ったというエピソードは好き。
こうありたい(笑)

午前十時の映画祭11 デジタルで甦る永遠の名作

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