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だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

"孤独からの救い"と"自由"の狭間で揺れた『アンモナイトの目覚め』

2021年04月20日 23時33分30秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:26/74
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ラブストーリー
同性愛

化石

【あらすじ】
1840年代、イギリス南西部の海沿いの町ライム・レジス。
人間嫌いの古生物学者メアリー・アニング(ケイト・ウィンスレット)は、
世間とのつながりを絶ち、
母親と2人でこの町に暮らしていた。

かつて、彼女の発掘した化石が大発見として世間をにぎわせ、
大英博物館に展示されたが、
女性であるメアリーの名はすぐに世の中から忘れ去られた。

今は土産物用のアンモナイトを発掘し、
細々と生計を立てている彼女だが、
ひょんなことから裕福な化石収集家の妻シャーロット(シアーシャ・ローナン)を
数週間預かることになる。

美しく可憐で、
何もかもが正反対のシャーロットにいら立ち、
冷たく突き放すメアリー。

ある日、メアリーが高熱を出して倒れてしまうが、
シャーロットの献身的な介護のおかげで無事に回復。
それをきっかけに、2人の間にあ温かな感情が芽生える。

何もかもが正反対の2人だったが、
お互いへの感情は次第に大きくなっていき……。

【感想】
女性同士の恋愛を描いた映画。
同性愛モノって今まであんまりハマったことがなかったんだけど、
これは面白かった!

それは、物語の始まりの時点で、
お互いに「好きじゃない」という状態から始まっているから。
同ジャンルの映画だと、
どちらかが一方的に好きっていうパターンが多いから、
この時点で興味を惹かれた。
この後、どうやって愛し合っていくようになるのかって。

特にメアリーはもともと人間嫌い。
だから、都会からやってきた金持ちの女性なんて、
タイプが違いすぎて余計に仲良くなんてなれないよね。

でも、本当にメアリーって人間嫌いだったのかってのは、
この映画を観てまず初めに感じること。
単に人とうまく関わり合えないだけで、
本当は寂しかっただけなんじゃないかって。

その証拠に、
メアリーへの想いが爆発したときの濡れ場のシーンは、
ものすごく獣的でエロティック。
あんなに露わになって相手を求める姿は、
人間嫌いとは到底思えない。
むしろ、これまで感じてきた孤独を
埋め合わせるかのような勢いに圧倒されちゃう。

ここでのケイト・ウィンスレットと
シアーシャ・ローナンの演技はすごかった。
大女優2人の体当たり演技に感動すら覚えるよ。。。

現実の世界でもそうだけど、
人付き合いよりも優先順位が高いものがあるって人はけっこういると思う。
オタクとかは特にそうだと思うけど。
それが、シャーロットにとっては化石だっただけ。

それゆえにあまり人と関わらなくなって、
余計にコミュニケーション取りづらくなっていった気がするんだよねー。
よっぽど劣悪な環境で育ったとか、
人に裏切られ続けたとかっていうことでもない限り、
社会性に特化した生物である人間が、
そこまで人間嫌いになることはないのでは、、、?
シャーロットも特にそういう設定があったわけではないし。

だから、一見とっつきにくそうな人、
他人に興味なさそうな人でも、
仲良くなったら案外面白くていい人っていうのはよく聞く話。

ただ、難しいのが距離の取り方。
シャーロットにとって、
メアリーはかけがえのない人であることに変わりはない。
とはいえ、やっぱり彼女は化石の優先順位も高いまま。
だから、自分を近くに置いておこうとしたメアリーに、
シャーロットは違和感を覚えちゃった。
拘束されることで、
まさに棚に並べられた化石のようになることを感じたんじゃないかな。

ずっとベタベタしていたい人と、
きちんと自分の時間は欲しい人、
このタイプの組み合わせは難しいね(笑)
メアリーは前者だったけど、
それは若さゆえっていうのもあるのかも。

同性愛をテーマにしてはいるけど、
そこに至る人間ドラマや、
カップルの価値観の違いを強く感じられるヒューマンドラマで、
見ごたえのある映画でした。

映画『アンモナイトの目覚め』 公式サイト

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