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自分の自分による自分のためのブログ。
だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

興奮、恐怖、笑い、感動、すべてが揃った超名作『ターミネーター2』

2021年08月15日 13時57分09秒 | 映画


【個人的な評価】
「午前十時の映画祭11」で面白かった順位:1/11👑
人生で面白かった映画:2/1782
   ストーリー:★×900
  キャラクター:★×900
      映像:★×900
      音楽:★×900
映画館で観るべき:★×900

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
アクション
SF
タイムトラベル
カーチェイス
銃撃戦
ターミネーター

【あらすじ】
人類滅亡の“審判の日”が3年後に迫ったある日。
未来社会を支配するコンピューターのスカイネットから、
新型ターミネーターのT-1000(ロバート・パトリック)が送り込まれた。

どんな物体にも変化できる液体金属であるT-1000は、
未来で人類の指導者となる少年、
ジョン・コナー(エドワード・ファーロング)を抹殺する使命を与えられていたのだ。

そして、そのT-1000を追って、
T-800型ターミネーター(アーノルド・シュワルツェネッガー)も再び現れた。
今度は味方として。

未来の人類の命運をかけた戦いが今始まる。

【感想】
「午前十時の映画祭11」にて。
1991年のアメリカ映画。

感無量すぎる。・゜・(ノД`)・゜・。
僕が映画好きになるきっかけとなった作品。
同じ映画はあまり何回も観ないけど、
これだけはたくさん観たと思う。
『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)が公開されるまで、
ずっと人生で一番好きな映画だった。
オチを知っているのに今でも必ず号泣。
朝っぱらから目が腫れた(笑)
もう『ターミネーター2』しか勝たん。

前作とは比べものにならないほどのスケールなのよ!
前作が640万ドルの制作費に対して、
今作は1億ドルちょい。
いくら前作がヒットしたからといって、
15倍以上にもなるのすごいけど(笑)

とにかく無駄がなくてテンポよく進むから、
137分ずっとスクリーンに釘付け。
シーンが変わるときも、
必ずその直前のセリフに関連したシーンになるからわかりやすい。
だから、公開当時6歳の自分でもハマったんだと思う。

しかも、どの要素もずば抜けて強烈で。
冒頭でターミネーターが素っ裸で現れるインパクトの強さ。
執拗に無表情で追いかけてくるT-1000の怖さ。
バイクにまたがり片手でショットガンのリロードをするT-800のかっこよさ。
T-1000の液体金属という今観ても驚く映像技術の高さ。
2体のターミネーターによるバトルの壮絶さ。
T-800とジョンの交流から生まれる温かさ。
そして、ラストのT-800との別れの悲しさ。

2時間の間に、
興奮して、恐怖して、笑って、泣くっていう。
こんなに複数の感情を高いレベルで揺さぶってくる映画、
滅多にないからね。
だから、この映画が大好きなんだよ。
思い出補正を差し引いても、
この映画は本当に面白いと思う。

また、個人的にはサラのこのセリフが一番印象深いんだよね。
「ターミネーターは、片時もジョンから目を離さず、彼を守る。
 怒鳴りも酒に酔いもせず、ジョンを見守ってくれる。
 そしていざとなれば、命を捨ててジョンを守る。
 父親代わりの男は大勢いたが、
 その役を果たせるのはこのマシンだけ」
ってやつ。
最愛の息子を守れるのは、
未来において人類を滅亡へと導くターミネーターだったなんて、
皮肉すぎる現実。

この映画を超える作品、
今後出会えるのだろうか。
あまりにも名作すぎて、
この後の『ターミネーター』シリーズが
これを超えられていないってのもすごい話だけど(笑)

それにしても、みんな若いよなー。
30年前の映画だから当然だけど。
この前『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』でジョー・モートンを、
『ファイナル・プラン』でロバート・パトリックを観たけど、
本作では2人ともシュッとしてる(笑)
あと、エドワード・ファーロングの美少年さはヤバいね。

午前十時の映画祭11 デジタルで甦る永遠の名作

午前十時の映画祭11 デジタルで甦る永遠の名作

午前十時の映画祭11 デジタルで甦る永遠の名作

 

オンラインゲームを舞台にした、かつてのジム・キャリー作品を思わせるエモさ爆発の『フリー・ガイ』

2021年08月14日 14時28分45秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:2/166
   ストーリー:★★★★★★★★★★
  キャラクター:★★★★★★★★★★
      映像:★★★★★★★★★★
      音楽:★★★★★
映画館で観るべき:★★★★★★★★★★

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
アクション
ラブストーリー
オンラインゲーム
グランド・セフト・オート
モブキャラ

【あらすじ】
ルール無用・何でもありのオンライン・ゲーム
<フリー・シティ>のモブ(背景)キャラとして、
平凡で退屈な毎日を繰り返すガイ(ライアン・レイノルズ)。

ある日、彼は新しい自分に生まれ変わるため、
ゲーム内のプログラムや設定を完全に無視して自分勝手に立ち上がる。
ありえないほど“いい人”すぎるヒーローとして。

ゲーム史上最大の危機が迫る中、
果たしてガイは世界を救えるのか…!?

【感想】
最近、★が限界突破してしまう映画に出会いまくってるんだけど、
これは最高に面白かった!
あらすじや予告じゃ
全然この映画のよさが伝わって来ないのが
悲しいほどに(笑)

ゲーム、特に海外のオンラインゲームをやる人は好きな世界観だろうなー。
舞台となっているのは『フリー・シティ』というゲーム。
ここは常に何かしら犯罪が起きているカオスな街。
言ってみれば『グランド・セフト・オート』のような状態なのよ。

そこのモブキャラのひとりであるガイが本作の主人公。
彼はプログラムされたNPC。
だから、同じことの繰り返ししかできない、、、はずだった。
"あること"をきっかけにそのループから抜け出すってのがこの映画の主な話。

ここがこの映画の一番のメッセージかなと思う。
主人公は毎日同じことを繰り返すだけのモブキャラ。
つまり、特別な能力があるわけでもない普通の人だ。
そんな人でも、ほんの1歩踏み出すだけで
人生を大きく変えることができるってね。
そう言うとものすごくハードルが高そうに聞こえる。
でも、この映画ではそんな大それたことは言わない。
普段着ている水色のシャツをヘンリーネックのTシャツに変えてみる。
いつも頼んでいるコーヒーをカプチーノに変えてみる。
もちろん、それがすぐに直接何かを変えるわけじゃない。
とはいえ、気分は変わるし、意識も変わる。
いつもやっていることとは違うことを試してみる。
まずはそういうことから始めるのが大切。
そんな印象を受けた。

しかも、この映画はゲームの中だけで完結する物語じゃないんだよ!
このゲームは、キーズ(ジョー・キーリー)とミリー(ジョディ・カマー)が共同開発した
『ライフ・イットセルフ』が元になっているんだよね。
そのゲームシステムを丸パクリしてできたのが、
この『フリー・シティ』。
ミリーはその証拠を突き止めるために
『フリー・シティ』を"モトロフ"というキャラでプレイ。
そこでガイと出会い、いっしょに証拠探しをすることに。
敵地への潜入やバトルといったスリリングな展開は興奮モノ!
さらに、ガイがNPCと知った後のエピソードは涙が出るほどの感動。・゜・(ノД`)・゜・。
夢のようなゲームだよ、これ。
まるで人間かのように振る舞う高度なAIを持ったモブがいるゲーム。
いずれ現実のものとなりそうだけど。

この映画、20世紀FOXがずっと温めていた企画だそうで。
でも、途中でディズニーに買収されちゃったんだよね。
だからこそのファンにはたまらない要素もぜひその目で確かめて欲しい!
僕はその30秒ほどのシーンに★を
66兆2000個あげてもいいと思ったから!
いやー、まさかすぎるシーンで。
「ええ?!それ出しちゃう?!」って。
ありがとう、ディズニー。・゜・(ノД`)・゜・。

ちなみに、カメオ出演でドウェイン・ジョンソンや
ヒュー・ジャックマンなども出ているそう。
どこにいるかわかったらすごいけど(笑)

ただのドタバタ映画かと思いきや、
僕の好きなゲームの世界を舞台に、
かつてのジム・キャリーの映画を
彷彿とさせる展開がとてもよかったなあ。
あのちょっと不思議な世界観で、
現実世界をよりよくするためのヒントをくれるようなお話。

これはオススメしたい映画。

フリー・ガイ|映画|20世紀スタジオ公式

映画館だけで大ヒット上映中!ライアン・レイノルズ主演 『フリー・ガイ』公式サイト。主人公(ヒーロー)になりたい、すべてのただの人(フリー・ガ...

20世紀スタジオ公式

 

スーパーヒーロー映画の中で一番おバカでスプラッターでカオスだった『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』

2021年08月13日 23時21分04秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:5/165
   ストーリー:★★★★★
  キャラクター:★★★★★★★★★★
      映像:★★★★★★★★★★
      音楽:★★★★☆
映画館で観るべき:★★★★★★★★★★

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
アクション
コメディ
スプラッター
DC
スーサイド・スクワッド
ハーレイ・クイン

【あらすじ】
政府職員のアマンダ・ウォラー(ヴィオラ・デイヴィス)は、
14人の終身刑となった受刑者たちに、
減刑と引き換えにある任務を与えた。
それは「スターフィッシュ計画」と呼ばれる秘密の実験を行っている
ナチス時代の研究所ヨトゥンヘイムを破壊すること。

引き受けたのは強烈な個性を持った悪党たち。
ジョーカーと別れて彼氏募集中の身になり、
ますますクレイジーになったハーレイ・クイン(マーゴット・ロビー)。
最強スナイパーのブラッドスポート(イドリス・エルバ)。
水玉を飛ばし、
まわりがみんな母親に見えてしまう
ポルカドットマン(デヴィッド・ダストマルチャン)。
平和のためには暴力もいとわないという
矛盾な生き様のピース・メイカー(ジョン・シナ)。
ネズミを操って戦うラットキャッチャー2(ダニエラ・メルシオール)。
そして、食欲意外に興味のない
サメと人間のハーフであるキング・シャーク(シルヴェスター・スタローン)。

果たして彼らは、
決死のミッションを成功させることができるのか。

【感想】
DCエクステンデッド・ユニバース第11作目。
2016年に公開された『スーサイド・スクワッド』の続編、、、
ではなくリブートでもない。
単に“ジェームズ・ガンのスーサイド・スクワッド”ということらしい。
作品のポジションがわかりづらい(笑)

しかしだよ、このジェームズ・ガン監督はもう天才かって。
世界観の構築が秀逸すぎて、
今年一番笑った映画かもしれない(笑)

いろんな悪党キャラが集結して
減刑と引き換えに無理ゲーなミッションに挑むってのは
2016年版といっしょなんだけど、
圧倒的にこっちの方が面白い。
理由はいろいろ振り切ってるから。

2016年版はヒーローを悪党に置き換えて
かっこよく見せようとしたから、
ジョーカーとハーレイ・クインしか目立たないし、
頭数が多いだけで地味に終わってしまった印象。

今作はR15+指定ってこともあって、
人が面白いぐらいにグッチャリ死んでいくんだよね。
顔は吹っ飛ぶし、
頭は割れるし、
体は引きちぎれるし、
血もブッシャー!
内臓もドッパーン!って。
それをテンポよく軽快なリズムに乗せてやるから、
グロさよりもポップさに寄っていて、
ある意味清々しい。
元々悪党の集まりなんだし、
それぐらいやっても不自然ではないし(笑)

キャラクターそれぞれにきちんと見せ場もあって、
中でもハーレイ・クインが赤いドレスを身にまとって、
敵をグッチャグチャにぶっ殺しまくっていくのがすごく映える!!

しかも、彼女だけ攻撃がヒットした瞬間、
血の代わりに花びらが出るっていう演出なの。
あれだけ人が死にまくっていく中で、
ひとりだけ画面を花びらでいっぱいにする対比が
とても強烈で好きだった。

終盤は巨大怪獣とのバトルなんだけど、
街で大暴れして建物を破壊しまくり、
それから逃げ惑う人々ってのが、
昔の日本の特撮モノを観ているかのようで、
懐かしい気持ちにもなれた。
しかも、その巨大怪獣がね、、、
なんともB級感満載なのがまたよくて(笑)

ジェームズ・ガン監督すごすぎ。
これだけのキャラクターを登場させながら、
それぞれのよさを引き出し、
人が死にまくっているグロさの中でも笑いを忘れず、
最後に巨大怪獣とのバトルに持っていくというカオスな展開。
変にかっこつけないで、
彼の持つ世界観を存分に発揮させたのがよかったんだと思う。
あんな展開、彼にしかできないんじゃないか。
それに、彼はこの作品に加えて、
マーベルの『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー3(仮)』も作ってるからね。。。
才能とバイタリティに溢れすぎてる。。。

昨日観た『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』もそうだったけど、
ここにきてDC作品がすごくよくなってる、、、!
それだけに惜しい。
ユニバースに注力しないのが。。。

映画『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』公式サイト。大ヒット上映中!

大ヒット上映中! 映画『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』公式サイト。ようこそ、究極のカオスへ――こいつら、全員ヤバすぎる。この...

ワーナー・ブラザース映画

 

これがDCの本気!キャラクターの深掘りとストーリーの作り込みによって生まれ変わった『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』

2021年08月12日 20時41分29秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:1/164👑
   ストーリー:★★★★★★★★★★
  キャラクター:★★★★★★★★★★
      映像:★★★★★★★★★★
      音楽:★★★★★
映画館で観るべき:☆☆☆☆☆(配信のみ)

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
アクション
スーパーヒーロー
DC
ジャスティス・リーグ
スーパーマン
バットマン
ワンダーウーマン
ジョーカー

【あらすじ】
スーパーマン(ヘンリー・カヴィル)亡き後、
宇宙からの侵略者の対抗手段を考えていたブルース・ウェイン(ベン・アフレック)。
彼はダイアナ・プリンス(ガル・ガドット)と組み、
超人たちのチームを作ることを決意。

地球には、
手に入れた者に絶大な力を与える
「マザーボックス」と呼ばれる3つの箱が眠っていた。
それを狙うステッペンウルフ(キアラン・ハインズ)の野望は
必ず阻止しなければならない。

一筋縄ではいかない個性的なヒーローたちは、
それぞれに過去を抱えながらも、
チームとしてひとつにまとまっていくが……。

【感想】
2017年に公開されたDCエクステンデッド・ユニバース第5作目『ジャスティス・リーグ』。
これは、マーベルにおけるアベンジャーズ同様、
DCのスーパーヒーローチームだ。
本来はザック・スナイダーが監督を務めていたのだが、
娘の自殺により降板。
『アベンジャーズ』(2012)の監督を務めた
ジョス・ウェドンが後を引き継いだ。

しかし、ザック・スナイダーが意図したものとは
異なる作品になったこともあり、
ファンの間で「真の『ジャスティス・リーグ』が観たい」
という運動が起きた。
その結果、配信限定ではあるものの、
日本では2021年5月に日の目を浴びることになったと。
具体的にはカットや構成の変更、
および特殊効果やシーンの追加が施されている。

もうね、、、感無量だった。。。
監督が違うだけでこうも変わるのかと。。。
オリジナル版も個人的には好きだったんだけどね。
マーベルのヒーローたちは人間に毛が生えた戦闘力の持ち主が多いけれど、
DCは超人の集まり。
戦い方はまさに『ドラゴンボール』そのもの。
そんな彼らが大暴れするってんだから大興奮で。

ただ、ストーリーは何の説明もないまま
「マザーボックス」の話になってるし、
フラッシュやサイボーグなど、
いきなり出てきたヒーローもいて、
すべてが唐突感あった。

それが今回のザック・スナイダーカットではすべて解消されてるんだよ!!
前作でなぜスーパーマンが亡くなったのかっていう
おさらいが冒頭に描かれている上に、
今作のストーリーもどういう経緯でそうなっているのかも語られるから、
お話のつながりがとてもわかりやすくなっている。
そして、いきなり出てきたフラッシュやサイボーグのエピソードも増えている分、
彼らに感情移入しやすくなってた!
もう目頭熱くなるぐらいにいいエピソードでさ。。。

しかも、活躍の場も多いから、
今回ようやく全員にまんべんなく見せ場があるんだよね。
バトルシーンはマーベル以上のド派手さでメチャクチャかっこいいし、
ようやくDCでもスーパーヒーロー集結の真骨頂を観れたなと。

てか、スーパーマンがマジで強すぎなのよ。
パワーとスピード、その両方を兼ね備えていて、
みんなが手こずっているラスボスを
ひとりでフルボッコにするぐらいのチートさ(笑)

オリジナル版にはなかった新ヴィランや新ヒーローも出てるし、
エピローグでは今後のユニバースを期待させる展開だったりして、
ファンとしてものすごくうれしかった。
ジョーカー(ジャレット・レト)もいるしね。
あー、この広がりをさらに加速させて欲しいけど、、、
DCは今後各キャラクター単体での展開に注力するらしいし、
もうこのメンツで揃うのはもう難しいのかな。。。(泣)

ちなみに、今作は241分と劇場公開できなそうな尺。
今まで観た映画の中で一番長い
(これまでは『風と共に去りぬ』の231分が一番長かったw)。


元カレとヨリを戻す最も効果的な方法を提示してくれた『元カレとツイラクだけは絶対に避けたい件』

2021年08月11日 22時19分53秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:122/163
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★☆☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
パニック
アクシデント
未練タラタラの元カレ
ラム酒

【あらすじ】
友人の結婚式のため小型機でインド洋に浮かぶ
南の孤島へ向かうことになったサラ(アリソン・ウィリアムズ)。
タイミング悪く、
偶然乗り合わせたのはかつての元カレで
今は気まずい関係のジャクソン(アレクサンダー・ドレイマン)。

内心穏やかでないものの、
大人の余裕を演出しながら、
目の前に広がる真っ青で美しい海と一面の快晴に心弾ませ、
空の旅は始まった。

ところが、離陸直後に突如パイロットが心臓発作で急死。
この設定、映画ならジャクソンが元空軍とか、
元CIAとかで、
奇跡的になんとか着陸させるんだろうけど、
元カレ、生憎ただの人。
ってことは、
「まさかのバッドエンド」!?

完全に「詰んだ」2人が取った、
まさかの行動とは一体――。

【感想】
あおーいそら。
しろーいくも。
ひろーいうみ。

いいね、夏。
青く輝く海を前に白い砂浜でコロナビール飲みたいよ。

だ が し か し!
この映画は、もう飛行機にも乗りたくないし、
海にも行きたくないなと思わせるパニックムービー(笑)
B級感満載だけど、
夏にヒヤッとしたいときにはちょうどいいかも(笑)

元カレとワンナイトした後の気まずい雰囲気の中、
海のど真ん中でまさかのパイロットの突然死!
「前にちょっと操縦の仕方を教えてもらったことがある」
レベルのヒロインがなんとか操縦するも、
嵐は突っ切らなきゃいけないし、
燃料は漏れるし、
救助は呼べないしの絶体絶命の連続!

ブレイク・ライブリーがサメから逃げる
『ロスト・バケーション』(2016)のスタッフが作ってるだけあって、
アクシデントのフルコースかってぐらいのスリルは確かにある。

あるんだけど、
とにかくパニクってるカップルが映ってるだけなのと、
そもそも気まずくなる動機が弱いから、
キャラクターへの感情移入はできない。
前夜にヤッてるならむしろ仲良しじゃない、
アナタたち!って。

これは邦題が悪い気も(笑)
コメディに寄せたタイトルにして、
ワンチャンバズりを狙ったと思われるけど、
中身はコメディゼロのガチパニックだから、
ギャップが悪い方に働いてる。
せめて『元カレとヨリを戻す唯一の方法』とかの方が、
まだ内容的にも合ってる気がした(笑)

でも、ハリウッドのこういうパニックムービーは好き。

映画『元カレとツイラクだけは絶対に避けたい件』 公式サイト

2人が生き残るためにした究極の決断とは――『ロスト・バケーション』制作陣が放つ驚異の“落下G”体験!- 8.6 FRI TOHOシネマズ 日...

映画『元カレとツイラクだけは絶対に避けたい件』 公式サイト

 

日本で原爆研究に勤しんだ若き研究者たちの葛藤を描いた『映画 太陽の子』

2021年08月11日 15時19分11秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:113/162
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ヒューマンドラマ
第二次世界大戦
原爆

【あらすじ】
1945年の夏。
軍の密命を受けた京都帝国大学・物理学研究室の
若き科学者・石村修(柳楽優弥)と研究員たちは、
原子核爆弾の研究開発を進めていた。
研究に没頭する日々の中、
建物疎開で家を失った幼馴染の朝倉世津(有村架純)が
修の家に居候することに。

時を同じくして、
修の弟・裕之(三浦春馬)が戦地から一時帰郷し、
久しぶりの再会を喜ぶ3人。
ひとときの幸せな時間の中で、
戦地で裕之が負った深い心の傷を垣間見る修と世津だが、
一方で物理学に魅了されていた修も、
その裏にある破壊の恐ろしさに葛藤を抱えていた。
そんな2人を力強く包み込む世津はただひとり、
戦争が終わった後の世界を見据えていた。

それぞれの想いを受け止め、
自分たちの未来のためと開発を急ぐ修と研究チームだが、
運命の8月6日が訪れてしまう。
日本中が絶望に打ちひしがれる中、
それでも前を向く修が見出した新たな光とは―?

【感想】
三浦春馬さんの最後の作品ですね。。。
76年前のちょうど今頃が舞台。
日本人として知っておいて損はない事実。
元々はNHKでやっていたドラマの視点を変えたものがこの映画版。

日本に原爆が落とされたということは
多くの人が知っていることだろうけど、
日本でも原爆研究が進められていたというのは、
知らない人もいるかもしれない。

本作は、海軍主導で進められていた
「F研究」を題材としたフィクション。
アメリカに追いつけ追いこせで原爆研究を進めていたものの、
結局は先を越された挙句、広島・長崎に原爆が落とされてしまい、
自分たちが研究していたことの行き着く先をまざまざと見せられるという話。

この手の映画らしく淡々と進んで行くので、
映画としてドラスティックさやロマンチックさがあるわけではないけれど、
当時の日本の状況を知るにはとても有意義。

前線では多くの仲間が毎日のように死んでいるのに、
自分たちは実験ばかりで何の成果も挙げられておらず、
成功する兆しも見えない悶々とした想いを抱えて
葛藤する研究員たちの姿が印象的だったなー。

日本が先に原爆の実用化に成功していたら、
あの戦争の未来は変わっただろうか。。。

ちなみに、当時の日本ではそのF研究よりも前に、
陸軍主導の「二号研究」というのが始まっていたそう。
「二号研究」が始まったのは、
アメリカの原爆開発であった
「マンハッタン計画」の翌年ぐらいだったそうだけど、
結果としてアメリカがこの競争に勝ったことになる。

ネットでざっと調べると、
二号研究の費用は当時2,000万円ほどだったのに対し、
マンハッタン計画は103億円だったとのこと。
金がないなら頭を使えとはよく言うけど、
ちょっとそんなこと言ってられないスケールの差だな。。。

『映画 太陽の子』公式サイト

柳楽優弥×有村架純×三浦春馬×監督:黒崎博「青天を衝け」。【静かな涙が、あふれる夏になるーー】”日本の原爆開発”を背景に、3人の若者たちの決...

『映画 太陽の子』公式サイト

 

天地を揺るがす超魔術と巨大怪獣の殴り合いだった『白蛇:縁起』

2021年08月10日 23時46分32秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:98/161
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★★☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★★☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
アニメ
アクション
ラブストーリー
仙術

輪廻転生

【あらすじ】
『白蛇:縁起』は中国の四大民間説話の1つ
『白蛇伝』の前世の話。

晩唐の時代、
国師が民間人に蛇を大量に捕獲させていた。
白蛇の妖怪「白」(見た目は人間の美少女)は
国師を刺殺しようとしたが失敗。
彼女は逃亡の末、
記憶をなくしてしまったものの、
捕蛇村の少年「宣」に救われる。

「白」の記憶を取り戻すため、
2人は冒険の旅に出る。
その旅の中で2人は恋に落ちるが、
白が白蛇の妖怪ということも明らかになってしまう。

一方、国師と蛇族との間に激しい戦いが始まろうとしていた。
2人の恋に大きな試練が待ち受ける。

【感想】
中国産のフル3DCGアニメーション映画。
最近、中国のアニメが劇場公開されるケースが増えているように感じる。
『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』(2019)や
『ナタ転生』(2021)がそう。

本作は中国で有名な『白蛇伝』という説話をモチーフにした話。
白蛇の妖怪である女性と人間の青年の
冒険と恋路を描いたアクションラブストーリーだ。

ストーリー自体はテンポがいいというより、
やや急ぎ足に進んで行く印象ではあるけど、
話自体はシンプルなのでわかりやすい。
とにかく、白の記憶を取り戻すことと、
彼女を狙う者たちとのドッカンバトルがメイン。

そして、映像がすごい。
今回はヒロインが蛇に変身するので、
素早くヌルヌルとした動きや尾っぽの振り回しなど、
なかなか斬新な戦い方。

しかも、国師が超魔術(ここでは仙術と呼ばれている)の使い手で、
彼が繰り出す強力な魔術の数々がド派手すぎてメッチャカッコいい。
キャラクターデザインは中国っぽいので好みはあるかもしれないけど、
日本でも受け入れられやすそうなデザインで、
僕は好きだった。

あとは、けっこういろんな映画を彷彿とするシーンが多い。
国師が従える軍と蛇一族の乱闘は
『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)の決戦シーンだし、
白が巨大化して戦うシーンは
『ゴジラvsコング』(2021)並みの勢い。
さらには『タイタニック』(1997)を思わせる構図まで。
所々、ディズニーやピクサーみたいに感じるところもあるので、
映画好きな人ならピンと来るところはあるだろう。

けっこうトントン拍子に話が進んで行くので、
あんまりキャラクターへの感情移入はできなかったけど、
最後まで観ると大冒険の中にロマンチックさもしっかり入れ込んでいて、
上記のいろんな映画の要素も踏まえると
「幕の内弁当」っていう感じがするかな。

出ている吹き替えの声優さんが好きなら観てもよいかと。

ちなみに、続編もあるらしいけど、
日本で公開するかはまだわからない。

「白蛇:縁起」日本語吹替版

中国で歴史的な大ヒットを記録したアニメ映画の日本語吹替版が今夏上映!”千年を超える恋”を描いた壮大なラブストーリー!出演:三森すずこ、佐久間...

「白蛇:縁起」日本語吹替版

 

圧倒的に面白いストーリー展開と工夫を凝らした映像表現に脱帽の『ターミネーター』

2021年08月09日 14時53分32秒 | 映画


【個人的な評価】
「午前十時の映画祭11」で面白かった順位:1/10👑
   ストーリー:★★★★★★★★★★
  キャラクター:★★★★★★★★★★
      映像:★★★★★★★★★★
      音楽:★★★★★★★★★★
映画館で観るべき:★★★★★★★★★★

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
アクション
SF
タイムトラベル
カーチェイス
銃撃戦
ターミネーター

【あらすじ】
ロサンゼルス、現代。
夜の寂れた路地裏に突風が吹き荒れ、
電流がほとばしった瞬間、
闇の中から全裸の大男が立ち上がった。

ターミネーター:T-800(アーノルド・シュワルツェネッガー)は、
人類の未来を担うジョン・コナーの母、
サラ(リンダ・ハミルトン)を抹殺するため、
機械が人類を支配する未来からタイムトラベルしてきたのだ。

そしてT-800を追って、
1人の戦士カイル・リース(マイケル・ビーン)もまた、
未来から現代に送り込まれた。

未来の人類の命運をかけた戦いが今始まる。

【感想】
「午前十時の映画祭11」にて。
1984年のアメリカ映画。

これはすごい、今観てもすごい。
全身が震えるほどの面白いストーリー。
執拗に追いかけてくるターミネーターの恐怖とスリリングな展開。
映像技術がまだ未熟だった時代の工夫を凝らした映像表現。
そのすべてがパーフェクトだと感じる。
当時34歳の若さでこれを作り上げたジェームズ・キャメロン監督のすごさたるや。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』もそうだったけど、
メインキャストと監督が20代~30代で固まっていると、
名作になるのではないか疑惑(笑)

僕はこの映画の世界観がすごく好きなんだよ。
詳細な設定は後から付け足されたとは思うんだけど、
未来において、"スカイネット"(本作ではまだこの名称は出てきていなかったけど)と呼ばれる
戦略防衛コンピュータシステムが突如自我に目覚める。

脅威を感じた人類が停止させようとしたところ、
スカイネットはそれを自らへの攻撃として捉え、
1997年にロシアに向けて核ミサイルを発射。
これに触発されて、
人類同士が核戦争を始めるんだよね。

その後、スカイネットは機械軍を編成し、
生き残った人類の殲滅を開始。
絶滅寸前にまで追い詰められた人類側に、
ジョン・コナーという指導者が現れ、
機械軍に抵抗していくってのが、
この映画における未来の話。

どうしようかと考えたスカイネットは、
「そうだ!ジョンの存在をなかったことにすればいいんだ!」とし、
過去にターミネーターを送り込み、
その母親であるサラ・コナーを抹殺することを計画。
それを知ったジョンは、
自分の部下であるカイルを、
母親の護衛にと過去に送る。
小さい頃にこの映画を始めて観たとき、
すんごい夢のある話だと思った。

ジョンの父親はカイルなんだけど、
カイルは過去で死んじゃうんだ。
ジョンは死ぬことがわかって、
自分の部下を過去に送り込むんだよな。
もちろん、カイル自身もそれをわかった上で、
その任務を引き受ける。
だって、そうしないとジョンが生まれないから。
ジョンが生まれないと、
この人類vs機械の戦争に勝つことができないから。
自分の部下が、
若き日の自分の父親っていう心境も、
どういうもんだろうかっての、
一度味わってみたいけど(笑)

あと、やっぱりシュワちゃんがいいよね~。
あの屈強な肉体に、
ピクリとも動かない表情は、
小さい頃恐怖しか感じなかったもん。
当時のシュワちゃんはまだ英語が得意じゃなく、
あまりいい役がもらえなかったらしいけど、
逆にそれがサイボーグを演じる上でよかったとのこと。
それで彼は一躍スターになったのだから、
どんな役が当たり役になるかわからないもんだね。

でも、この歳になって観ると、
シュワちゃんのかっこよさよりも、
サラの成長の方が興味深く感じる。
彼女はそれまでレストランでウェイトレスのアルバイトをしている
普通の女子大生だったのに、
この一件があってからきっと猛勉強をしたんだろう。
戦闘技術と組織論を学び、
それをすべてジョンに叩き込むという
最強の女戦士に成長しているから。
本作でも冒頭では女の子の顔をしているけど、
ラストでは完全に達観した戦士の顔になっているのも印象深い。

ちなみに、僕が初めて観たセックスシーンがこの映画。
純愛もロマンもへったくれもない、
いつ死ぬかわからない極限状態における男女の情愛は、
幼い男の子には衝撃的でした(笑)

午前十時の映画祭11 デジタルで甦る永遠の名作

午前十時の映画祭11 デジタルで甦る永遠の名作

午前十時の映画祭11 デジタルで甦る永遠の名作

 

いじめ問題をきっかけに生まれた孤独な優等生と不良少年との絆に今年最大級に泣いた『少年の君』

2021年08月08日 23時46分41秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:5/160
   ストーリー:★★★★★★★★★★
  キャラクター:★★★★★★★★★★
      映像:★★★★☆
      音楽:★★★★☆
映画館で観るべき:★★★★★

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ヒューマンドラマ
いじめ
受験戦争

【あらすじ】
進学校に通う成績優秀な高校3年生のチェン・ニェン(チョウ・ドンユイ)。
全国統一大学入試(=高考)を控え、
殺伐とする校内で、
ひたすら参考書に向かって息を潜め、
卒業までの日々をやり過ごしていた。

そんな中、同級生の女子生徒がクラスメイトのいじめを苦に、
校舎から飛び降り、
自らの命を絶ってしまう。
少女の死体に無遠慮に向けられる生徒たちのスマホのレンズ、
その異様な光景に耐えきれなくなったチェン・ニェンは、
遺体にそっと自分の上着をかけてやる。
しかし、そのことをきっかけに激しいいじめの矛先は
チェン・ニェンへと向かうことに。

彼女の学費のためと
犯罪スレスレの商売に手を出している母親以外に身寄りはなく、
頼る者もないチェン・ニェン。
同級生たちの悪意が日増しに激しくなる中、
下校途中の彼女は集団暴行を受けている少年を目撃し、
とっさの判断で彼シャオベイ(イー・ヤンチェンシー)を窮地から救う。

辛く孤独な日々を送る優等生の少女と、
ストリートに生きるしかなかった不良少年。
2人の孤独な魂は、
いつしか互いに引き合ってゆくのだが…。

【感想】
やってくれるぜ、中国映画。。。
まさか今年に入って一番泣くとは。。。。・゜・(ノД`)・゜・。
本当にアジア映画って、
たまにずば抜けて面白い感動作に当たる。

舞台は"高考"を控えた高校3年生のクラス。
高考とは中国の全国一斉に行われる大学入試のことで、
毎年1,000万人ぐらいが受けるとか(日本のセンター試験、今年は53万人ぐらい)。
もはや現代版"科挙"といっても過言ではないぐらいに、
熱の入れようがすごい。

なので、生徒たちにかかるプレッシャーはハンパなく、
劇中でもひたすら勉強勉強勉強。
そんな状況の中で、
ひとりの生徒がいじめを苦に飛び降り自殺。
まわりがスマホで写真を撮る中、
主人公のチェンはそっと自分の上着をかける優しさを見せるものの、
それがいじめの主犯格の気に障ったのか、
今度は彼女がいじめられることに。

椅子には血のような赤い水を撒かれるし、
階段からは突き落とされるし、
体育の授業ではボールをぶつけられるし、
詐欺師まがいのことをしている母親のことが
クラスのLINEに上がる始末。
いじめの内容そのものは、
日本でもありそうなことではあるんだけど、
まわりが受験勉強に忙しくて、
見て見ぬフリってのが残酷なんだよね。
本当は助けたいんだけど、、、みたいなそぶりすらなく、
他人にかまっている暇すら惜しいっていうのが伝わってくる。
頼れる友達も親もいない中でのチェンの孤独な日々は辛さしかない。

そんなときに、ひょんなことから出会った不良のシャオベイ。
素行は悪いけど、根は優しく、
チェンが助けるときに壊された彼女のスマホの修理を自ら請負うほど
(盗品を売り捌くために修理のスキルもあるw)。

優等生だけど孤独かつ受験勉強に捉われ自由のないチェンと、
自由気ままだけど何も持っていないシャオベイ。
決して交わることのなかった2人だからこそ、
お互いに欠けている部分を補え合えたんだろう。

だから、2人の距離は自然と縮まっていくよね。
チェンは常にいじめの標的にされているから、
やがてシャオベイがボディガードのように
彼女を離れたところから見守るようになるんだけど、
これがまたラストに大きな意味を持ってくるんよ。。。

いじめの主犯格はチェンの告発によって停学処分になるんだけど、
そこからの報復なんかもあったりして、
なかなかにバイオレンスな展開なのもスリルがある。

でも、それだけじゃないのがこの映画の面白いところ。
終盤に向かうにつれて、
チェンとシャオベイの関係性も熟成していって、
それであの展開だからね。。。
ネタバレになるから言えないけど、
いじめをきっかけとした話で、
まさかここまで感動ストーリーになるとは思わなかった。
お互いを想うがゆえの決断。
愛を超えて、
人としての尊い選択に涙が止まらなくて、
マスクびちょびちょ。

いじめ問題、受験戦争、優等生と不良の交流など、
情報量は多いものの、
それらがうまく嚙み合って、
とても素晴らしい作品になってた。

これはマジでオススメしたい。

映画『少年の君』公式サイト|7月16日公開

映画『少年の君』公式サイト|7月16日公開|第93回アカデミー賞国際長編映画賞ノミネート!

https://klockworx-asia.com/betterdays/

 

映画の未来を憂うほどの映画愛に満ちた『サマーフィルムにのって』

2021年08月07日 23時40分00秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:41/159
   ストーリー:★★★★★
  キャラクター:★★★★★
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★★☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ヒューマンドラマ
SF
タイムトラベル
映画制作
映画愛

【あらすじ】
勝新太郎を敬愛する高校3年生のハダシ(伊藤万理華)。
キラキラ恋愛映画ばかりを作る映画部では、
自分の撮りたい時代劇を作れずにくすぶっていた。

そんなある日、
彼女の前に現れたのは武士役にぴったりな凛太郎(金子大地)。
すぐさま個性豊かな仲間を集め出したハダシは、
「打倒ラブコメ!」を掲げ、
文化祭でのゲリラ上映を目指すことに。

青春のすべてをかけた映画作りの中で、
ハダシは凛太郎へほのかな恋心を抱き始めるが、
彼には未来からやってきたタイムトラベラーだという秘密があった――。

【感想】
これはすごい。
これは驚き。
映画の未来を憂い、
いずれ訪れる悲しい運命に立ち向かう、
いつもとは一味も二味も違う青春映画だった。
『アルプススタンドのはしの方』
が好きな人は気に入ると思うんだよなー、
雰囲気的に。
舞台っぽさもある気がする。

とにかく、ストーリーが秀逸。
ハダシが自分で撮りたい時代劇の
主人公を探しているときに出会った凛太郎は、
まさかのタイムトラベラー。

この時点ですでに面白いんだけど、
セリフだけでその設定を語り、
未来との通信機以外でSF要素を感じる部分はゼロ!
なんという経済的な作りなんだろうか(笑)

出演を拒み続ける凛太郎を
「あなたじゃなきゃダメなんだ」と口説き落とし、
スタッフを集め、
引っ越しのバイトで資金を貯めて、
いよいよ高校生たちの青春をかけた映画作りが始まる!

ハダシの時代劇に対する熱の入れ込みようや、
映画作りにおけるこだわりの強さは、
女子高生らしからぬ様相で、
そのギャップもとても印象的だった。

そうこうしているうちに、
凛太郎の口から語られる未来の日本。
それは、映画好きからしたらまさに地獄のような状況で、
特にハダシのショックは計り知れない。

一時的に自暴自棄に陥る彼女だけど、
ハダシの作る作品に惚れ込んだ凛太郎から
「あなたが作らなきゃダメなんだ」と説得され、
再び闘志を燃やす。

何回も台本が書き換わる中で、
ようやくたどり着いたラストシーン。
ここで究極の一波乱があるんだけど、
ハダシがこれまでの映画制作の過程で感じたことを
すべてぶつけて下した決断はかっこよかった。

持っている気持ちは伝えること。
勝負に出ること。
それこそが、未来を変えうる力となる。

もはや青春映画を通り越して、
映画作りや来るべき未来との戦いだったよ、これは。

高校生らしく、
恋愛要素や友情もあり、
笑いと涙もあり、
とても面白い物語。
映画作りに青春をかける高校生たちの
若さあふれる勢いから得られる爽快感は、
夏の暑さの嫌悪感を拭い取ってくれるので、
ぜひ観て欲しいなあ。

個人的には、老けた同級生役の板橋駿谷が一番好きだった(笑)
調べたら僕と同い年で、
彼だけまわりと一回り年齢が違うことに笑った。
最近、ドラマや映画でよく見かけるのだけど、
ガタイ的に鈴木亮平みたいな感じで、
何やってもギャップになるのがおいしい(笑)

映画『サマーフィルムにのって』公式サイト|2021年8月6日(金)より新宿武蔵野館、渋谷ホワイトシネクイントほか全国公開

映画作りに夢中になった高校最後の夏。恋×友情×時代劇×SF×青春映画の新星!

映画『サマーフィルムにのって』公式サイト|2021年8月6日(金)より新宿武蔵野館、渋谷ホワイトシネクイントほか全国公開

 

おじいちゃんの思い出話だった『キネマの神様』

2021年08月07日 18時12分01秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:108/158
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ヒューマンドラマ
映画制作現場
家族愛
友情

【あらすじ】
無類のギャンブル好きなゴウ(沢田研二)は、
妻の淑子(宮本信子)と娘の歩(寺島しのぶ)にも見放されたダメ親父。
そんな彼にも、
たった一つだけ愛してやまないものがあった。
それは「映画」。
行きつけの名画座の館主・テラシン(小林稔侍)とゴウは、
かつて映画の撮影所で働く仲間だった。

若き日のゴウ(菅田将暉)は助監督。
映写技師のテラシン(野田洋次郎)をはじめ、
時代を代表する名監督やスター女優の園子(北川景子)、
撮影所近くの食堂の看板娘・淑子(永野芽郁)に囲まれながら、
夢を追い求め、
青春を駆け抜けていた。
そして、ゴウとテラシンは淑子にそれぞれ想いを寄せていた。

しかし、ゴウは初監督作品の撮影初日に転落事故で大怪我をし、
その作品は幻となってしまう。
ゴウは撮影所を辞めて田舎に帰り、
淑子は周囲の反対を押し切ってゴウを追いかけて行った…。

それから約50年。
歩の息子の勇太(前田旺志郎)が、
古びた映画の脚本を手に取る。
その作品のタイトルは、
『キネマの神様』。
かつてゴウが初監督のとき、
撮影を放棄した作品だった。

勇太はその脚本の面白さに感動し、
現代版に書き直して脚本賞に応募しようとゴウに提案する。
最初は半信半疑で始めたゴウであったが、
再び自身の作品に向き合う中で、
忘れかけていた夢や青春を取り戻してゆく。

【感想】
今、宣伝手法がいろいろ物議を醸している映画ですね。
松竹100周年記念作品。
この100年もの間、
日本映画界を牽引してきたことには
尊敬と感謝の気持ちでいっぱいです。
ですが、その100年の節目の作品として見ると、、、
んーーーって(笑)
つまらなくはないし、
感動的ではあるけど、
100周年ってだけでハードル上がるから、
そこは切り離した方がいいかも。

原作は読んでないけれど、
予告を観たときにタイムスリップモノの印象を受けたんだよね。
でも、実際はただのおじいちゃんの思い出話。
ゴウはギャンブル依存症を治すため、
財布を家族に握られ、
やることがない。
そこで、唯一の趣味である映画鑑賞をしようと、
行きつけの映画館に行き、
昔の映画を観ながら、
20代だった当時のことを思い出すっていう流れ。
まあ、『タイタニック』(1997)と似てるかな。

でも、なんかそこまで夢に燃えてガツガツしている感じはなく。
意中の女性の取り合うみたいな若さあふれる勢いもなく。
撮影所が舞台だけど、
『映画大好きポンポさん』(2021)のように、
映画製作に特化した話でもなく。
本当に老人の美化された思い出を
淡々と眺めるだけっていう印象だったかなー。
山田洋次監督の作品ってこんな感じな気もするけど。

大いびきかいて寝てる人もいて、
「いや、映画館で100歩譲って寝るのは仕方ないにせよ、いびきかくなよ」とは思うけど、
正直わからなくもなかった。
刺さる層が映画関係者か高齢者かっていう
ちょっと狭い感じっぽいんだよなー。
『ALWAYS 三丁目の夕日』(2005)みたいに、
その時代を生きた人なら、
それだけでノスタルジーに浸れるっていうタイプの作品かも。

それであの宣伝手法だとすると、、、(笑)
別に好きだから言うわけじゃないけど、
『アベンジャーズ』(2012)だって、
「日本よ、これが映画だ。」
っていうキャッチコピーがだいぶ非難浴びてたけど、
中身がぶっ飛んでたからまだカバーできた感じはあったけどね。

ただ、ジュリーの声はやたらいい。
さすが歌手というべきか、73歳の声じゃなかった。
セリフが歌声のように感じるぐらいには通る声で。

ちょっと期待しすぎていた部分はあったかもしれないけど、
何にせよこうして公開できたことは喜ばしいこと。
本来主演を務めるはずだった志村けんさんが亡くなり、
コロナで撮影が中断し、
大きな困難ばかりに見舞われていたから。

予告で観た山田洋次監督の
「無事に撮影が終わればいいってわけじゃないんだ。
 いいものを僕たちは作り上げなきゃいけないんだから。
 もの凄いエネルギーをかき立てて、
 素敵な作品を作りたいと僕は思ってますから、
 みなさんどうぞよろしくお願いします」
って頭下げてる映像はグッときました。
(まあ、どこの映像を切り取ってるかはわからないけどw)

映画『キネマの神様』公式サイト

沢田研二・菅田将暉・永野芽郁・宮本信子、超豪華キャストで贈る、松竹映画100周年記念作品 山田洋次監督最新作 大ヒット上映中

 

安全運転なにそれおいしいの?ってぐらいぶっ飛ばしてぶっ壊してぶっ殺しちゃう『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』

2021年08月06日 23時17分07秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:1/157👑
   ストーリー:★★★★★
  キャラクター:★★★★★★★★★★
      映像:★★★★★★★★★★
      音楽:★★★★★
映画館で観るべき:★★★★★★★★★★

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
アクション
カーチェイス
家族
コロナビール

【あらすじ】
ドミニク(ヴィン・ディーゼル)はレティ(ミシェル・ロドリゲス)と
幼い息子のリトルBの3人で静かに暮らしていたが、
ある日、仲間のピンチの知らせを聞く。

ローマン(タイリース・ギブソン)ら“ファミリー”と合流したドミニクは、
現場で世界中のコンピューター・システムを操る装置を見つけるが、
突如襲撃者が現れ、
装置を奪っていった。
それは弟のジェイコブ(ジョン・シナ)だった。

凄腕の殺し屋で一流ドライバーであるジェイコブは、
実は某国の独裁者組織の一員で、
ドミニクたちは世界を震撼させる陰謀を止めるため動き出す。

対立する兄と弟…
明かされるドミニクの過去…
果たしてファミリーの運命は?!

【感想】
『ワイルド・スピード』シリーズ第9作目(スピンオフ含めると10作目)。
今年でシリーズ開始から20年も経つのよ。
MCUより断然長い。

1作目が公開されたのは2001年なんだけど、
当時20代~30代でやんちゃしてたキャラクターたちも、
今やいい歳した大人。
子供まで生まれちゃって。
守るものできちゃって。
そういうライフステージの変化を表現していくのも、
このシリーズの面白いところ。

3作目まではレース要素が強くて、
車に興味のない僕はスルーしてたんだよね。
4作目から強盗やスパイなどのミッション遂行型の話に変わって、
『オーシャンズ』や『ミッション:インポッシブル』みたいな方向性になって、
メチャクチャハマるように。

今作も期待を裏切らないぶっ飛びよう!
全世界のコンピューターを乗っ取ることができるシステムを奪還すべく、
ファミリー(この映画では仲間のことをこう呼ぶ)が集結するんだけど、
もうさ、みんな頭がイカレポンチ。

冒頭の密林シーンなんか、
地雷原を前にして「爆発まで0.5秒だから、時速130kmあれば問題ない」
と躊躇なくかっ飛ばすクレイジーさ。
崖にかかる吊り橋が壊れていてもお構いなしに、
スピード上げてバビューンと空中ジャンプ。

後半の敵とのカーチェイスシーンは、
超強力磁石を使って、
車を引き寄せたり突き放したりを繰り返して、
街中のあらゆるものをぶっ壊しまくるただの破壊集団。
自動車会社に申し訳ないぐらいに、
次々と車が廃車になっていく。。。

もはや彼らに「安全運転」っていう概念はない。
「制限速度」とか「一時停止」とか、
燃えるゴミの日に捨てちゃったんだと思う。

そして、オンロードもオフロードも車道も歩道も関係ない。
ただ走る。
だってそこに道があるから。

彼らにとって車は、
ただ陸の上を走る移動手段じゃないんだよ。
敵を蹴散らす武器であり、
身を守る鎧であり、
宇宙へ行く宇宙船であり、、、
もはやマルチに使える便利ツール。
僕は大興奮だけど、
扱いは雑だし、
使えなくなったら平気でポイ捨てするからもったいない気も(笑)
それをド迫力の映像で見せつけてくるのが
このシリーズの醍醐味。

さらに、今回はキャラクターもポイント高くて!
3作目で死んだとされていたハン(サン・カン)の復活だよ。
ちょっと泣いちゃったよね、
「ハンがいるー!!」って。
まあ、確実に死んだはずなのに、
都合よく生きてた設定にするのもどうかとは思うんだけど(笑)

個人的には、ストーリーも好きだった。
ドミニクの過去が初めて明かされていて、
シリーズの中でもドラマパートに寄った作りだと思う。
ドミニクの言う「大事なのはファミリーだ」
というのが一番感じられた気がする。
その分、過去作と比べると少し話のテンポが落ちる印象はあったけど、
過去作がアクションに寄り過ぎていただけかなって(笑)

今年公開した中では最高にド派手でスカッとするし、
映画館で観るべき映画!
シリーズはまだまだ続くようなので、
今後も楽しみ。

映画『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』 OFFICIAL SITE

全世界待望の“ワイスピ”が帰って来る!!ヴィン・ディーゼル、ミシェル・ロドリゲスらオリジナルメンバーに加え、新たな“ファミリー”も参戦し、か...

映画『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』 OFFICIAL SITE

 

娘を持つ映画マニアの父による優しくも悲しい復讐劇『共謀家族』

2021年08月03日 19時49分22秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:56/156
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
サスペンス
映画マニア
復讐劇

【あらすじ】
東南アジア、タイ。
リー・ウェイジエ(シャオ・ヤン)は、
幼き日に中国からこの地に移り住んできた。
今は妻のアユー(タン・ジュオ)、
高校生の娘ピンピン(シュー・ウェンシャン)、
まだ幼い娘アンアン(シラン・チャン)の
一家4人で幸せな毎日を送っている。

小さなインターネット回線会社を経営しているリーは、
信心深く穏やかな人柄で、
地域の誰からも好かれていた。
『ショーシャンクの空に』が大好きなリーは、
暇さえあれば事務所で映画ばかり観ている
映画マニアでもあった。

そんなある日、
サマーキャンプに出掛けたピンピンが、
不良高校生に睡眠薬を飲まされて暴行され、
その様子をスマホで撮られてしまう。
ネットに動画を上げると脅されたピンピンは、
自宅にやってきたその不良、
スーチャット(ピエン・チョンヤン)からスマホを奪おうと揉み合いになり、
誤って彼を殺してしまう。
スーチャットは地区の警察局長の一人息子だった。

出張から帰り、
妻からすべてを聞かされたリーは、
愛する娘と家族を守るため、
完璧なアリバイ作りに着手する。
常々「映画を1000本も見れば、世界にわからないことなどない」と考えていたリーは、
それまで観てきた膨大な犯罪映画のトリックを応用し、
捜査の先の先まで読み尽くした完全犯罪を計画する。

警察の事情聴取に備え、
妻子に想定尋問を繰り返すリーと家族との「共謀」の先にはしかし、
予想もつかない結末が待っていた―。

【感想】
暴行を受けた娘のために一肌脱ぐ父親の話。
娘を持つお父さん視点だったら、
最後とか泣いちゃうかもしれない。。。

犯罪映画としては面白いんだけど、
リーの「映画マニア」という設定は
あまり活かされてないように感じた。
てっきり、過去の名作がたくさん出てきて、
そこでの犯罪トリックを披露するもんだと思っていたら、
そういうんではない(笑)

「映画を1000本も見れば、世界にわからないことなどない」
というセリフがある割には、
有名な映画は『ショーシャンクの空に』ぐらいで、
あとの映画はわからず。
しかも、過去の名作のトリックを使うというよりも、
その映画の“とあるセリフ”に着想を得るだけなので、
この映画マニアってところに引っ張られるとやや物足りない感じはある。

でも、そこを差し引いても、
映画として面白かった。
誤って殺してしまったスーチャットの遺体を隠し、
自分たちは一切彼のことを知らないというふうに
家族全員で口裏を合わせる。
アリバイもうまく作り上げ、
警察の捜査を撹乱させる。

また、リーは誰からも好かれる人物だったことも幸いして、
まわりからの証言も好意的なものばかり。
もちろん、スーチャットを殺してしまったことに変わりはないのだけど
、こういうときに日頃の行いは出るよなって思った。

個人的には、
もうこれは10対0でスーチャットが悪いし、
死を以って償って欲しいという気持ちは強い。
まあ、実際は過剰防衛とかになるかもしれないけど。

しかし、どんなにクズな悪ガキだろうが、
彼もまた人の子。
特に警察局長である母親は
彼のことをとてもかわいがっていたので、
どんな手を使ってでも犯人を探し出し、
息子に再び会いたいと強く願ってやまない。

リーはリーで、
傷つけられた娘を守ってやれなかったことを悔やみ、
どんな手を使ってでも娘を刑務所には入れまいとする。

だから、この映画は子を持つ親同士の、
子を愛するがゆえの戦いでもあったんだよなー。
とはいえ、スーチャット側にはまったく同情や共感の余地はないけどね。

とにかく、リーの娘に対する想いや行動に感動するお話だった。

映画『共謀家族』公式HP

映画『共謀家族』公式HP

 

強制収容所の実情を告発するために命がけで脱獄した2人の囚人の逃避行『アウシュヴィッツ・レポート』

2021年08月01日 21時05分48秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:106/155
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ヒューマンドラマ
ホロコースト
ユダヤ人
ナチス
逃避行

【あらすじ】
第二次世界大戦中の1944年。
ユダヤ人が収監されたアウシュビッツ=ビルケナウ強制収容所で、
過酷な労働を強いられて殺害される人々の遺体記録係をしている
スロバキア人のアルフレート(ノエル・ツツォル)は、
ナチスドイツによるその残虐な行為の証拠を持ち出し、
有力者に届けるために脱走を企てる。

協力した仲間たちは
「正直に話せば全員宿舎に戻れる」
と執拗に拷問される一方、
アルフレートたちはホロコーストの真実を
世界に伝えるため国境を目指す。

奇跡的に救出されたアルフレートとヴァルターは、
赤十字職員にアウシュビッツの実態を告白し、
レポートとして提出するが……。

【感想】
本日、ホロコースト系映画の2本目。
これもまた事実に基づいて作られた作品。

個人的にはさっきの『復讐者たち』よりも、
この映画の方が面白かったかな。
これはアウシュビッツ=ビルケナウ強制収容所で行われていた
非人道的な行為の数々を告発しようと、
脱走したユダヤ人2人の逃避行。

強制収容所内における拷問の怖さと、
逃げている2人がいつか見つかりやしないかというスリルが、
映画としても楽しめる構図。
とはいえ、メチャクチャスピード感あふれる
ドラスティックな展開かというとそんなことはないんだけど(笑)

この映画で、個人的に一番印象的だったのは終盤のシーン。
無事に脱獄して、
ポーランドにある赤十字社にたどり着くんだけど、
そこで強制収容所の悲惨な状況を伝えても信じてもらえないのよ。
ドイツがこの強制収容所を「難民キャンプ」と発表していたから無理もない。
しかも、赤十字社はそこへ食糧や石鹸なども寄付していたんだよね。
当然、囚人たちに届くわけもないのだけれど。

映画を観ている側、
というより歴史的事実を知っている側からしたら、
なかなか信じようとしない担当者にイライラしてくる。
「その証言の確からしさは?」なんて、
会社で上の人が言うようなことをしれっと言ってくるあたりが、
「このポンコツたぬきが!」って思っちゃったけど(笑)

結局、脱獄した2人によるレポートによって、
12万人の命は救われたわけだけれど、
それが正式に受理されるまでにはけっこうな時間がかかり、
その間に失われた命も多いという。
250万人がアウシュビッツ=ビルケナウ強制収容所に送還され、
そのうち110万人が何らかの形で命を落としたそうなので。。。

そして、この映画、
エンドクレジットまできちんと観て欲しい。
ここでいろんな人のスピーチ音声が流れるのよ。
いつ誰が発したものかは僕にはわからなかったのだけど、
ユダヤ人や黒人、LGBTなどのマイノリティに対する
差別的・侮辱的な発言のオンパレード。
今これをリアルで発信したら間違いなく炎上かつ
下手したら殺されるんじゃないかってぐらい、
聞いていて衝撃を受ける発言の数々。

当然、かなり昔のものだろうけど、
そもそも映画の冒頭で、
「過去を覚えていない人は、過去を繰り返す運命にある」と、
ジョージ・サンタヤーナという哲学者の言葉が紹介されるんだ。
このユダヤ人への迫害は、
現在も形を変えて残り続けているという
メッセージだよなーって感じる。

自分はホロコーストでユダヤ人が大量に殺された
という事実を学校で習った程度でしか知らないけれど、
その中でも抗うことができずに死んでいった人、
この映画の2人のように抗って脱獄できた人、
そしてさっきの『復讐者たち』のように生き延びて報復をしている人など、
いろんな人がいるんだと改めて知ることができる。

映画『アウシュヴィッツ・レポート』公式サイト

映画『アウシュヴィッツ・レポート』公式サイト

 

ユダヤ人からナチスへの報復を描いた『復讐者たち』

2021年08月01日 16時37分07秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:116/154
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★☆☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ヒューマンドラマ
ホロコースト
ユダヤ人
ナチス
復讐

【あらすじ】
1945年、敗戦直後のドイツ。
ホロコーストを生き延びたユダヤ人男性のマックス(アウグスト・ディール)は難民キャンプに流れ着き、
強制収容所で離ればなれになった妻子がナチスに殺された事実を知る。
絶望のどん底に突き落とされたマックスは復讐心を煮えたぎらせ、
ナチスの残党を密かに処刑しているユダヤ旅団の兵士ミハイルと行動を共にすることに。

そんなマックスの前に現れた別のユダヤ人組織「ナカム」は、
ユダヤ旅団よりもはるかに過激な報復活動を行っていた。
ナカムを危険視する恩人のミハイルに協力する形で
ナカムの隠れ家に潜入したマックスは、
彼らが準備を進める“プランA”という復讐計画の全容を突き止める。

それはドイツの民間人600万人を標的にした恐るべき大量虐殺計画だった……。

【感想】
毎年ホロコーストを題材にした映画は公開されるのだけど、
今年は4本も。
まずはこの『復讐者たち』。

この手の映画は歴史のお勉強も兼ねているのだけど、
これはホロコーストで迫害されたユダヤ人のナチスに対する“報復”がテーマ。

最初のテロップから映画の中に引き込まれる作りがよかった。
「想像してみて欲しい。もし何の罪もない自分の家族が殺されたら?
 兄弟、姉妹、両親、子供たち」
主人公のマックスはまさにそんな苦難を味わう。
離ればなれになった家族。
その安否を気遣うも、
殺されて埋められたと。

これ以上の復讐の動機はないよね。
やがてナチス残党処刑を行なっているユダヤ旅団に合流した彼は、
より過激な報復活動をするユダヤ人組織「ナカム」の存在を知る。

目指している方向は同じはずなんだけど、
ナカム(中村という人のあだ名にしか聞こえないけどw)とは、
程度の激しさに大きな差があった。
彼らが行おうとしているのは大量虐殺。
マックスも気持ち的には絶対ナチス全員亡き者にしたいはずなんだけどね、、、
罪もない人々まで巻き込んでしまうことに葛藤があるんよ。
それをやったらナチスと同じじゃないかって。

今この時代に平和な日本にいると、
いきなり家族が殺されるという事態にはなりにくいけど、
マックスの気持ちを考えると、
とても心苦しい内容だった。

「真の復讐とは、遠く離れた地で、次の世代と平和に暮らすこと」
みたいなセリフもあって、
長い目で見たらそうなんだけどね、、、
感情的にはなかなか受け入れられないよね。。。

ユダヤ人がナチス狩りをしていたという史実は初めて知ったけど、
ユダヤ人の歴史を知る上では有意義な作品。

ただ、ストーリーの進行的には暗く淡々と進んでいくので、
勉強にはなるものの、
映画として面白いかというと、
それはまた別のお話(笑)

映画『復讐者たち』公式サイト

1945年、ホロコーストを生き延びたユダヤ人たちによる驚くべき復讐計画とは― 知られざる史実に基づく衝撃サスペンス 7/23(金)よりヒュー...

映画『復讐者たち』公式サイト