憂生’s/白蛇

あれやこれやと・・・

-ジンクスー 10

2022-12-06 15:39:48 | ボーマン・ボーマン・5 -ジンクスー

おそらく、リサのところへいったんだろう。


玄関先でリサに頭をさげ、それこそ土下座をしてでも

わびているかもしれない。


そのハロルドを、リサがどうするか、

もう、その先はリサの問題でしかない。


リサに書類を届けに行った日。


最後にリサはボーマンの胸の中で思いっきり泣いた。


そして、泣き終えるとボーマンに告げたっけ。


「私、ハロルドに自分の理想を求めていたと思う。

こうあってほしいハロルドになれるハロルドだって、

ずっと、偶像のハロルドを好きでいたんだと思う。

ボーマンの言うとおり、ハロルド教の信者よ。

でも、もう、偶像崇拝はやめる。

そして、ありのままのハロルドと向かい合ってみる」


それで、どうするか、自分の気持ちが見えてくるだろう。


リサは、ひとつ、ステップをあがったなって、

ボーマンは思った。


本当に必要なのは

相手をそのまま、うけとめられるか、どうかってことだろう。


そして、相手がうけとめられる相手かどうかじゃない。

自分がうけとめたいか、どうか。


リサはハロルドをどう思うか。


別れたっていい。

やり直したっていい。


問題は自分の本心でやっていくことでしかないんだ。


ーちょっと、早いかな?-って、

思いながらボーマンは電話に手をのばした。


受話器のむこうに相手が出た時、ボーマンは

「ありがとう」

って、告げた。


受話器のむこうで、ケイトがくすりと笑った。


「こっちこそ、ありがとう」


「悪かったな」


「ううん。あたしも目がさめた。

ちゃちな慰めあいなんかより、本物がほしいっておもったし・・。

そのためには、あたしが本物にならなきゃね・・。

本物をもとめていかなきゃって・・。

ボーマン。あなたの言う通りよ。

本物には勝てない・・・・・」


「うん」


それで、ケイトへの電話をきった。

窓の外をながめると、真っ青の空がみえた。

雲ひとつない真っ青の空が3人のそれぞれの心模様を映しているようにみえた。

それから、ハロルドとリサがどうなったかって?


ボーマンはなるようになるって、もう見向きもしない。


仕方が無いから、また、筆者が覗きにいってくるしかない。


以下、中継になります。


部屋に入ったハロルドはひさしぶりの我が家の香りにむせかえっていた。


そして、リサ・・。


ハロルドはただ、静かに頭を下げた。

そして、リサへの思いを告げた。


「今頃、気がついたよ。

俺にはお前しかいないって・・」


リサはハロルドの言葉を聴きながら左手の薬指のリングを外した。


「これって・・絆」


そう、その絆を断ち切ったのは、ハロルドだ。


「もう・・いらなくなっちゃったのよ・・」


リサはキッチンの窓を開くと、それを、庭になげた。


それも、ハロルドが招いた結末。


絆・・それももう、なくなったんだ。


ボーマンの言うとおり、思いだけ・・がハロルドのもの。


「うん・・」


泣くまいっておもってたのに、やっぱり、つきつけられた現実は痛い。



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