ぶらつくらずべりい

短歌と詩のサイト

詩、例えば暴れる力で愛を

2012-10-15 06:28:55 | 
暴力が暴れる力であれば

それは肉体的なことにとどまらない

言葉、政治、自然、愛、セックス

そのすべてが時に暴力だ

だから僕はいつでも暴力に勝利しなければならない

例えば暴力で

例えば諦めで

例えば微笑みで

例えば温もりで

例えば許すことで

例えば詩で

ばらばらにされてしまった言葉

ばらばらにされてしまった肉体

ばらばらにされてしまった世界

世界はこんなにも普通の顔をして

僕はこんなにも暴力が好きで

あなたはとても優しい顔をして

僕は世界もあなたも暴力で支配したくなる



詩、不在

2012-10-15 06:14:19 | 
ここからはゆっくり飛んでいるように見える飛 行機も実はものすごいスピードで飛んでいると いうこと。

もしも君に出会わない今があったとしたら僕は 子供のままでいられたこと。

夜にも美術館の数々の絵画は相変わらず美しい が見る人がいないということ。

高い木の枝に巣を張り待ってばかりいる蜘蛛。

秋の街の向こうに夕陽が落ちたら輝きを少しず つ増す月。

太陽をしばらく直視したあと網膜に残る光。

坂の上から下までボンヤリとしたオレンジ色の 川のように流れる街灯。

僕はいつでも何も聞きたくなくてイヤホン。

河原には打ち捨てられたスケートボード。

淋しくなっていくばかりの鼻歌。

救われる者の不在。

光り射す場所に間に合わなかった。