ぶらつくらずべりい

短歌と詩のサイト

大橋麻衣子「シャウト」消えてなくなれ

2011-04-29 04:56:57 | クンストカンマー(美術収集室)短歌
あちこちで物軋む音弱さだと言われてしまえばそうかも知れない

通るたび軋む愉快や閉めるたびに軋む扉。使っていれば当然だ。弱さではない。弱さと言われたことを否定出来なかったのは、自分に引き付けて考えてしまったからではないか。

短歌人4月号「会員2」梶原治美

2011-04-28 06:04:50 | 平成23年短歌人誌より
手袋をしたまま触れる雪だろう知らないところ見せないきみは

「知らないところを見せない」とは作中主体にとってだろう。その焦れた感情を、「手袋をしたまま触れる雪」と比喩する。とても分かる。なんとなく雪の感触がするけれど、あくまでリアルではない。本当は自分でも自分のことは分からない。伝えたくても伝えられない。

短歌人5月号

2011-04-28 06:02:34 | 平成23年短歌人誌より
遅刻した理由がいつも君らしく僕は寒さを忘れ待ってる

台風の前触れとなる黒い雲見付けたように君に出会った

旅人のような背中に広がった宇宙でときに途方にくれる

雨の日の公園みたい足早に通り過ぎてく人達ばかり

そわそわと背中を撫でる手のような嘘でも僕は信じたかった

涙ぐむ瞳のような形して私のなかにある淡路島