大地一人、
若者をいつも高く評価しているが、
芸術の評価だけは
「止めとけ!」
と断言したい。
若者に、芸術全体の評価・・・とくに音楽の評価だけは、無理だ。
理由?
まず、一つ目は、
若者は、「性欲に狂っている」・・・
だから、ロックとか、
とにかく、激しいものを求めたがる。
あるいは逆に、性欲を抑えるための、
「メランコリックな暗い歌」とか
「前衛的な歌」に興味を持ったりする。
前衛的な歌は、理解するのが大変だが、
若者は、エネルギーにあふれているから、
「何かあるのでは?」と思い、
理解しようと思うわけだ。
でも、年取ってから聞くと、
ほとんどはゴミにしか、思えないぞ。
二番目に、若者は、
人生経験が少ない。
だから、ちょっとした感傷的な歌とか、
不幸な作り話にだまされて、えらく感動してしまう。
あとで、聞き返してみると、笑い話でしかない。
たとえば・・・
人間は、毎年、日本だけで、100万人も死んでいる。
俺の知り合いも、ずいぶん死んだ。
そう。死ぬのは当然なのだ。
だから「死ぬのが当然」・・・という視点から、
「生をいつくしむ歌」を歌うことがベストなのであって、
ストレートに、「死を悲しい」と歌う歌は、
底が浅いと思う。
いつも言ってるが、
俺の場合、音楽に関しては、世界中のもの、何でも聞いた。
そういう俺でも、
音楽を本当に理解できたのは、
やっと50過ぎてからかな・・・と思っている。
若いころの好きなものを否定はしないが、
「全然、甘かったな」と思っている。
とくにロックは、若いうちだけで、
30すぎたら、ゲホってなった。
(ただし、たまに聞くと、感動するものは、少なからずある。
俺の場合、チャックベリーが、今でも好きだ)
ベートーベンも、40すぎたら、
底が浅くて、聞けないな・・・と思った。
(ただし、「悲愴」など、一部はのぞく。
「悲愴」だけは今でも聞ける)
シンガーソングライターの若者が作る歌の70%は、
聞いてられない・・・という気がする。
とくに椎名林檎などは、20秒聞いたら、
気分が悪くなり、一生聞きたくない・・・と思った。
無理して聞き続けたら、病気になるだろう。
(過激な表現でゴメン)
でも、ほとんどがそうだ。
宇多田ヒカルは一応評価するが、
はっきり言うと、全然たいしたことない。
あとは、名前は出さないが、推して知るべしだ。
いい曲もあるし、曲を作ること自体は、すばらしいことだが、
たいていは、なんじゃこれは?・・・って感じだ。
若者はだませても、
40以上の人は、決してだませないだろう。
でも、ユーミンやみゆきや尾崎亜美は、
60過ぎた今でも、すばらしいと思う。
竹内まりやも、ある種天才だ。
むろん、若者には、若者の感性や、悩みや、
興味や関心がある。
だから若者は好きな歌を聴けばいい。
それはそれで、すばらしいことだ。
自分の歌を作ることは、もっとすばらしいことだ。
でも芸術全体の評価は、止めとけ。
滑稽とか言いようがない。