自然に恋して

春は山菜採り、夏秋はキノコ採り、春夏秋は山登り、冬はスキー、自然に恋する男がひとり

西穂高岳~奥穂高岳縦走・・・憧れののジャンダルムへ

2017年09月15日 | 日記

平成29年8月27日(日)~29日(火)


単独で出かけるも、西穂岳山荘で、同じクラブのK氏と出合い、同行することに
ザック重量10kg


前回7月26日~28日の予定で、出かけたが27日雨に降られたので、
ジャンダルム踏破は断念し、そのまま山を下りた。

今年は天気が悪い日が続いていたので、今回は、仕損じないように
天気予報とにらめっこしながら、この日しかないという日を選んで決行した。

合流した彼も同じで、また宿泊客の大半が同じ考えのもとに集まっているようである。


”こんなすごい山があるんだなあ”というのが実感である。
初めて自分の軟弱さを思い知らされた感じである。

厳しい岩峰を登っては下り、また登っては下る。
何回も何回も数えきれないほど繰り返したことか。

クサリが付いていない急峻な登りや下りを何度繰り返したことか。
岩の登り下りなどの技術面や恐怖心など特に気にならなかったが、
体力のなさをいやというほど痛感した。

今回は、難関を踏破したのにも関わらず、穂高岳山荘に着いた時、
充足感が全くなく自分の限界を感じさせられて淋しさで一杯であった。



8月27日(日)晴れ

<コースタイム>

宇都宮5:20==松本IC8:45==沢渡9:30--帝国ホテル10:25・・・
西穂高岳登山口10:40・・・西穂岳山荘(泊)14:14



8月28日(月)曇り

<コースタイム> 所要時間12時間30分(歩行時間おおよそ11時間~11時間30分)

西穂高岳山荘4:10・・丸山(2452m)4:30・・西穂独標11峰(2701m)5:30
・・ピラミッドピーク8峰6:00・・西穂高岳(2908m)6:53・・赤岩岳
・・間ノ岳(2900m)8:45・・逆層スラブ9:32・・天狗岳(2909m)10:07
・・天狗のコル10:50・・コブ尾根ノ頭・・ジャンダルム(3163m)13:15-35
・・ロバの耳・・馬ノ背15:20・・奥穂高岳(3190m)15:50
・・穂高岳山荘(2996m)(泊)16:40


8月29日(火)雨のち曇りのち晴れ

<コースタイム>

穂高岳山荘5:15・・涸沢小屋7:00・・横尾・・徳沢11:00-30・・明神12:20
・・上高地13:20--沢渡14:10==宇都宮18:30



写真は、2日目のみ掲載します。
多くの岩稜を登り下りしたので、山の名前は正確ではないかもしれません。ご意見を。

では、写真をどうぞ!!


朝4時10分山荘を出発。天気はまずまずかな。


すぐに丸山である。


真ん中が独標、その左の尖ったのがピラミッドピーク、さらに西穂高岳へと連なる。


焼岳と乗鞍岳の青い夜明け。


そして前穂高岳と明神岳も夜明けである。


独標とピラミッドピークも大きくなってきた。


1時間20分で独標に着く。11峰と記されている。西穂高岳まで11の峰を越えていくことになる。


三角錐のピラミッドピークと西穂高岳と奥に間ノ岳が待ち構えている。


いったん下って、


ピラミッドピークへの急登が始まる。


急登の途中、独標を振り返る。乗鞍岳に日が差している。


出発から約2時間、ピラミッドピクに着いた。8峰である。


西穂高岳への稜線。


数字がいつの間にか3に。もう少しで、西穂高岳だな。


数字が2になった。西穂高岳が大きくなってきた。


ピラミッドピーク、独標を振り返る。涼しくて、丁度いい山行日和である。


端整な笠が岳が静かに佇んでいる。


西穂高岳に着いた。小屋から2時間40分。いいペースで登っている。


山頂からの展望を見ながら一休み。


左奥に槍ケ岳、南岳、涸沢岳が連なる。


富士山。


辿ってきた尾根を振り返る。西穂山荘も見える。焼岳、乗鞍岳もきれいだ。


これから登る間ノ岳。その奥に奥穂高岳が少し顔を出し、前穂高岳との間を吊尾根で結んでいる。


さあ、本文に戻る。


さあ、これからバリエーションルートへ突入する。


まず間ノ岳に向かう。
多分、その前に赤岩岳を越えていくことになるのだが、山名板がないので赤岩岳がどれかはっきりしない。


まず大きく下る。


下る。


登る。


絶壁をトラバース。


絶壁を登る。多分、あの山が赤岩岳らしい。


山頂手前まで来ると、ヘリが近づいてきた。


山頂まで行ってみると、左の斜面に滑落した人が見えるではないか。
救助の間、20~30分現場への進入禁止を命じられたので、山の上から救助する様子を見守っていた。


手際よく、救助作業は終わり、ヘリは飛び去った。
命に別状はなさそうであるが、落ちた周辺の岩は血で染められていて悲惨さを物語っている。


滑落したスラブを振り返る。人がいる辺りか、その下のスラブ辺りから滑落したのだろう。


間ノ岳に向かう。


ガレ場を登る。


名もない小ピークに至る。一休み。いくつピ-クを越えてきたか分からない。
眼前に間ノ岳が聳え立つ。


西穂高岳を振り返る。振り返ると何の変哲もない稜線に見えるのだが・・・


槍ケ岳から西銀座の稜線が伸びる。その奥に水晶岳等が連なる裏銀座方面が望める。


笠が岳と黒部五郎岳も見渡せる。晴れていればもっときれいなのだろうが・・・


やっと間ノ岳に着く。石の上に、かすかに間ノ岳と書いてある。


間ノ岳の急な下り。天狗岩に向かう。


間ノ岳を振り返る。(この写真は天気がいい時に撮ったO氏の写真を借用。)


今度は登る。


喘ぎながら登っているご褒美として絶景が癒してくれる。かなり疲労困憊である。
端整な笠が岳本当に近い。右奥にはどっしりした黒部五郎岳が顔を出している。


今度は天狗岳が待ち構えている。何という山頂か。


たくさんの岩が貼り付いてできているような山ばかりである。


登り下りして間天のコルに出る。逆層スラブを見上げる。


噂の逆層スラブである。大きな一枚岩(スラブ)が急斜面を形成している。


逆層スラブを登ると今度は、また天狗岳への壁が待っている。


垂直の岩稜を登る。


天狗岳の山頂直下である。


いよいよ天狗岳山頂への最後の壁を登る。


やっと天狗岳山頂である。このころから、ガスが出始める。時間して10時ちょっと過ぎである。


これから、コブ尾根の頭そしてジャンダルムへと続く一層厳しい岩峰が待っている。


天狗岳を下ると、


天狗のコルである。ここは岳沢小屋へのエスケープルートとなっている。


天狗のコルから天狗岳を振り返る。奥は間ノ岳。(この写真は天気がいい時に撮ったO氏の写真を借用。)


登る。


痩せ尾根を行く。ガスで恐怖心が薄らぐ。しかし、晴れていれば、きれいな景色が見られるだろうに。


さらに岩を登る。


スリリングな岩峰がそそり立つ。


ルンゼを登る。


そして下る。


ガスで道迷い注意だ。〇印と矢印をよく確認して進む。


コブ尾根の頭らしいがガスで確認できない。


さらに進む。


目の前の岩峰がジャンダルムらしい。


突如、ガスが晴れて、山頂で万歳している人たちがいる。正しくジャンダルムだ。
西穂高岳側からはそんなに厳しい山には見えない。


ジャンダルムに向かう。


浮石に注意して登る。ジャックスパロウのお兄さんも登っていく。あんな姿で良く登れるもんだ。


ついに山頂に来た。出発して約9時間経過している。疲労はピークに達している。疲れる。
残念ながらガスで山頂からは何も見えない。


瞬間のガスの切れ間から今、登ってきた岩峰が出現してきた。


下山を開始する。ガレていて怖い。


ロバの耳に向かう。


あの岩峰を登らなければならない。体力的にかなりきつい。


ロバの耳に向かって登る。


ジャンダルムを振り返る。(この写真は天気がいい時に撮ったO氏の写真を借用。)


しかし、ロバの耳は登りより下りが最大の難所といわれる。最初から最後までクサリが付いているわけではない。


かなり急傾斜の長い下りが延々と続く印象だ。


ロバの耳の下りが終わると、難所の一つ馬の背が待っている。馬の背まで登る。


奥がジャンダルム、手前がロバの耳。この急な崖を下ってきたんだ。(この写真は天気がいい時に撮ったO氏の写真を借用。)


ロバの耳の下りをアップで。断崖絶壁とはこのことか。(この写真は天気がいい時に撮ったO氏の写真を借用。)


馬の背に向かう。矢印が分かりますか?


馬の背が近い。


突如、奥穂高岳が現れた。もう終点は近い。頑張ろう。


馬の背が見えてきた。人が登っている中央の急斜面である。


馬の背を登る。


ガスが切れてきた。あまり恐怖心はない。岩と格闘しているだけである。


さすがに左右に切れ落ちている。しかし、足場はしっかりしているので、安心だ。


振り返るとこんな感じです。


さらに登る。石がよく崩れないもんだ。


馬の背のファイナル。奥穂高岳が目の前だ。


奥穂高岳だ。


山頂で万歳。


やっと、穂高岳山荘に着いた。16時40分到着。西穂高岳山荘を出たのが4時10分なので、所要時間12時間30分。


山荘では、富士山も優しく迎えてくれた。長い苦闘は終わった。


そして、ジャンダルム(中央丸い坊主の岩峰)もねぎらってくれている。
それにしてもジャンダルムに連なる岩峰は迫力満点だ。


こんな険しく厳しい山行があるのかと初めて感服した。
ただ、充足感は全くなく、疲労困憊し自分の限界を知り、悲壮感だけが残った。
山の名前が違っているところがあるかもしれませんがご容赦ください。

今回はこれでおしまい




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