昨日から名護は風が強く吹き、曇っている。寒い。コロナ禍の拡大と台湾有事に備えるとした「威勢のいい」この国のありかたが、心をどんよりさせている。
コロナ禍の拡大は、オミクロン株のひろがりによって、新たな様相を示している。単に患者が増えるのみならず、医療の崩壊が始まっているのだ。医療スタッフがかかることによって、医療体制が維持できなくなっているようだ。ベッドはあっても看る人がいない状態だ。医療現場の約500名が欠勤中だという。昨日のあらたな感染者は775人となっている。
それにしても、沖縄でオミクロン株がでてきたのは、12月初旬だった。玉城デニー知事が米軍の対応を求めても、岸田首相は「地位協定の改定は求めない」と国は無視してきたのだ。12月の末から米軍・米兵経由のコロナ禍の拡大は、岩国基地(山口県)、佐世保基地(長崎県)、三沢基地(青森県)などでも起きてきた。岩国基地は海兵隊の基地だが、岩国市は山口県でも近くの盛り場は広島だ。こうして広島県でのコロナ禍の拡大にも寄与してしまったのだ。
こうして日本政府は、基地からの拡大の「可能性」に言及せざるをえなくなってきた。1月9日の日米合同委員会で外出禁止をきめたようだ。しかしこれは話としてのことであって、実効性は米軍任せであることは、現行の地位協定のママでは変わらない。「良き隣人」であってねとお願いしただけなのだ。この国の首脳はこの点をわきまえているのだろうか?!
一方で、日本政府が2010年以来進めてきた「島嶼防衛」体勢がそこそこ整備されてきた。昨春、バイデン米国大統領は、日本国と結託し、台湾有事に言及。12月末の両国首脳の「2+2」で中国との戦争ができる体制作りを確認し合ったのだ。
これはもとより、「島嶼防衛」を掲げてきたが、琉球諸島の島々を中国への攻守の基地として使い、島人を盾にして戦うものである。具体的な島を戦場とする戦となるのだ。冗談じゃない。
この国は77年前の戦争の悲惨を忘れているが、沖縄は忘れていない。否、忘れることができないのだ。2度と沖縄戦の再来を許すなとの声が立ち現れてきた。「命どぅ宝」と叫ぶべきは今なのだ。
2022年1月11日、命どぅ宝 沖縄・琉球弧を戦場にさせない県民の会の準備会が、記者会見を行った。「日米合意の破棄を求める」と声明。結成集会の立ち上げをコロナ禍で延期するとのことなので、動きは鈍いだろうが、一歩前進だ。私も参加していくつもりだ。
尚、この問題は、琉球弧の問題だけではない。最前線は琉球弧だが、ここと日本列島は軍事網で結ばれていくのだ。日本全体が火の海となってしまうことに、ご留意頂きたい。