【 保護犬:ハッチ日記 】

成犬の保護犬、里親日記

【名和昆虫博物館】Vol.3

2024-04-25 | 建物巡り
先日行ってきました、
岐阜県岐阜市にある
【名和(なわ)昆虫博物館】の続きです。

予約していた
“ 有料ガイド付き見学 ”で、
[非公開]となっていた
【 記念昆虫館 】の建物内部を案内してもらいましたが

もちろん、
【名和昆虫博物館】の案内もありました。

建物は
武田五一の設計 ↓


隣に建つ
【 記念昆虫館 】は標本収蔵庫として
建てられましたが、

こちらは
元々は、農作物や家屋の害虫に対する
啓蒙普及(けいもうふきゅう)を目的として
開館したのだそうです。

その後は、
時代の流れとともに
一般昆虫の展示や啓蒙普及が重点となって
今に至っているそうです。


外壁のタイルは
久田吉之助の黄色いレンガではなく、
「備前焼タイル」です。↓


大正8年(1919年)に開館したので
2024年の現在から数えると
すでに105年も経っています。


この写真では分からないかと思いますが、

タイルの目地(めじ)が
かまぼこ型に盛り上がっていて
作業に時間が掛かる、大変手間のかかる
タイルの貼り方なのだそうです。↓



そして、館内には
害虫に対する啓蒙普及を
実践するかのごとく、

建物内で使用されているものが
あるそうで…

それが、
唐招提寺(とうしょうだいじ)の柱 ↓


奈良県の唐招提寺から譲り受けた柱だそうで
これ、実は…

シロアリ駆除をした柱なのです ↓

薬剤を入れてシロアリ駆除をした跡が
そのまま残る柱 ↓


そんな唐招提寺から譲り受けた柱が
三本、この建物を支えているのです ↓


ちなみに、
【 記念昆虫館 】でも、この唐招提寺の柱を
再利用して驚くようなものが作られています。
(有料ですが、是非ガイド付き見学で見て下さい!)

そして紹介が遅くなりましたが、

シロアリ駆除をはじめ
全国の農作物や害虫に対する啓蒙普及に力を
注いだ人物、
初代館長でもあった
名和靖(なわ やすし)氏です ↓


ギフチョウの発見者であり、
何と言っても
設計者、武田五一の恩師でもあります。

五一に昆虫のデッサンを教えたのが
名和靖 氏だそうで…

そう考えると、武田五一のデッサン力というのは
名和靖 氏のおかげだったのではないか、と
思わされます。

五一は昆虫学者になりたい、と思うほど
虫好きだったそうですよ。

そんな名和靖ですが、
人間にとって害虫と呼ばれる虫たちを駆除する一方、

虫たちの命を奪っている、ということに心を痛め
何か出来ないか、と相談して造られたのが
こちらです ↓

『昆虫碑』(こんちゅうひ)

こちらも武田五一が設計しています。

人間の都合で駆除されてしまった虫たちを
供養しています。


名和靖 氏の還暦記念も兼ねて建てられたのだそうです。

【 記念昆虫館 】すぐそばに建てられた昆虫碑 ↓


武田五一も恩師である名和靖 氏に
恩返しが出来たのではないかな、と
思います。

こうして
今回、「ガイド付き見学」を通して
館長さんから詳しく説明を聞き、とても有意義な見学と
なりました。

建物だけでなく、名和靖 氏や武田五一の人物像にも
話しが及び、
大変興味深くあっという間の時間でした。

そして、私が見たいと思っていた
久田吉之助の作製した
「トンボのテラコッタ」(「ムカシヤンマのテラコッタ」ですが)

この作品を間近に見ることができて
とても感激しました!
見学して本当に良かったです。

※ 「有料ガイド付き見学」ですが、必ず事前予約が必要です。
今のところガイド予約についてホームページには載っていませんが
電話で問い合わせると対応して下さいます。
興味のある方は是非。


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