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メンタルチャットでおこるさまざまな非日常

これはすごい

2021-02-13 16:26:54 | メンタルヘルス
エクソダス アメリカ国境の狂気と怒り 村山祐介著 新潮社刊 2020年10月初版。これを知ったのは週刊誌の書評なんだが つまんない週刊誌でも良書を選ぶ手引きにはなる・・という見本。話題の文芸大作ではないのだけどこれは良い。著者は三菱商事から朝日新聞に入って日曜版の特集を書いてた人で この取材で色々賞を取って 更にはこの本を出すために朝日を辞めちゃったという経歴の持ち主。徹底した現地主義のジャーナリストだ。まあ学生時代から世界を放浪していたような人でエネルギッシュに取材して本書が生まれている。トランプがメキシコ国境に不法移民を防ぐために壁を作る・・なんてとんでもない話を現実にやってたわけだが それってメキシコからの不法移民だとばかり思ってたのだが 本書を読むと世界各国から南米を経由してアメリカに入国して難民認定されようとする人たち全てを阻止しようとした壁建設だというのがわかっただけでも本書を読んだ価値がある。どんな報道にも必ず裏と言うか影の部分があって それが海外の事例だとほとんどわからないので こういうルポは意味がある。テンポのいい文体で 中だるみなく最後まで興味深く読めた。柳美里を読んだ後だったんで 少しだけ読むつもりで読み始めたんだが どんどん引き込まれてて気が付いたら読み終えてた。8時間くらいで読める(300ページくらい) やはり事実の持つ力というのはすごいな‥と思う。どんな作り物のお話でも事実には勝てないな‥と思う。amazonの内容説明では ”そこでは子どもが、妊婦が、故国を追われた人々が、息絶えてゆく。私たちが知らない、この世界の現実。米・メキシコ国境3200キロに向かう移民の命懸けの旅と、その源流を追う。2019年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞の迫真ルポルタージュ”だそうだ。母国を捨てなければならなかった人たちを描いた渾身のルポである。あたしがあーだこーだ言っても その魅力1割もは伝えられないだろう。一度手に取ってみて欲しい。文句なしのお薦めだ。まあ2000円近いので あと2000円足して黒川能・・て 最近ではあれが指標になってる感強いがw 図書館にあれば図書館で読んでからどうするか決めればいいだろう。 あたしは本棚にはいれたいが 本棚はまず黒川能であるw 
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今頃

2021-02-13 16:05:10 | メンタルヘルス
どうのこうのいう本ではないのだが 週刊誌にちらっと出てたんで図書館で借りてみた.JR上野駅公園口 柳美里著 河出書房新社刊 2014年初版の4刷 どうりできれいな本 20年12月30日の4刷だからか・・と納得。amazonのキャッチコピーでは 生者と死者が共存する土地・上野公園で彷徨う一人の男の魂。彼の生涯を通じて柳美里が「日本」の現在と未来を描く、傑作中編! だそうだが 装丁を見たとたんになんとなく内容がわかるような代物。音と色がキーワードで上野と福島が交差する抒情的なお話。何か国語に翻訳されて アメリカでは全米図書賞を取ったらしいけど どこがいいのかさっぱりわからない。まあ 著者の作品が好きな人にはいいかもしれないけど 1540円も出してハードカバー買うほどのものではない。既に文庫で660円で出てるがそれすらいらないだろうな・・と思う。売れた本なんで図書館検索すれば必ずあるのでそちらをお薦めしたい。読んで ああ本棚に入れたいな・・と思う人だけ買えばいいだろう。内容とあまり関係ないのだが 装丁は非常に良いので買うのであればハードカバーをお薦めしたいが 普通の人でも集中すれば4時間もあれば読めてしまうのでコスパは悪い。あたしは3時間くらいで読んじゃったのであと2500円足して黒川能・・て どんだけ気にしてんだよ?って話だ。内容?盛り上がりもなく 淡々と詩的に抒情的に進んでいって唐突に終わる。まあ現実からヒントを得た作り話だが安直である。少し読んだだけで結末が見えちゃう薄い本だ。あたしはいらない。読後の感想も柳美里てこんななのね・・で終わった。同時に借りた本については後述するが 対比させるとあまりにもお粗末なので がっかりである。
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