氏家幹人著 草思社刊 360p 初版2015年 1980円。図書館の本だ。なんで5年前の・・というと最近文庫が出てこれが週刊誌の書評に載ってたのでamazonで見たらハードカバーがある。ダメ元で図書館検索したらあったので借りよう・・と思ったのだが 去年の7月に精神科の主治医が急死したのは前に書いたが 10月にそれを知ってからほぼ5カ月引きこもってた。その間に父が多発性骨髄腫で死んで 葬式行かなきゃならなかったんで必死の思いで行ったが 循環器の薬が切れて病院行った以外は外に出れなくてまあ死んでた。当然ながら精神科の薬も無く地元でかかりたい先生もいない。先月は血圧がおかしくてこれまた寝たきりで本なんか読める状態ではなかったのだが やっと読めるようになったので 図書館から借り出してきた。まあそれとて相変らず取りに外出する気力が無いので嫁さんに仕事の帰りに取って来てもらったのだけれど。文庫の方は1045円で マケプレでは600円台であるけど送料入れたら1000円近いので欲しい方は新本 ハードカバーが良ければマケプレで1000円くらいなのでお好きな方をどうぞ。江戸時代の罪と罰 そして牢獄の実態を多彩な資料から照らし出す‥と見返しにある。戦国の気風残る江戸初期 重罪人は火あぶり 牛裂 釜煎などの酷刑に処せられ時に罪人の家族までもが処刑された。人命軽視の時代である とあるように資料としては面白いがなにせネタがネタ。辻斬りも試し斬りから数を競うとかもう滅茶苦茶だ。こういう事実って時代劇だけ見てると絶対にわからないのだけど具体的な資料を出されると結構愕然とする。TVの水戸黄門では蚊も殺さぬような水戸光圀が試し斬りで切り殺してた・・なんて話が出てくると うちらが見てる時代劇って作り話なのがよくわかる。これ本棚に入れたいか?と言えば 図書館にあればいいや・・というレベルだ。時代考証のお好きな方にはお薦めする。辻斬りは武士の習・・て思う人には面白いだろう。
友人が文藝春秋を貸してくれた。まあ1カ月遅れの三月特別号。当然芥川賞の受賞作品が目玉だ。ここ数年は借りて読んでたけれど どれも買って本棚に入れたい・・と思うものは無い。今年も期待薄だったけど目の前にあるから読む。砂川文次著 ブラックボックス 端的に言えば面白くない。というか純文学って面白くなくて当然なのだけれど 最近はもう砂を噛んでるみたいな作品が多い。文学ってこんなに美味しくないものなのか あるいはあたしが文学音痴なのかは知らないけどamazonで新本を買えば1705円もする。芥川賞受賞作品てだけで 中身を見ないで買う人が多いと思うが というか最近書店が激減してるんで パラパラ見てから買う人が少ないだろう。作者は元自衛隊で今は地方公務員だそうだ。父が元自衛隊の幹部だったし 従兄が防大だったので自衛隊の内情は多少は知ってる。なので これを読むと自衛隊ってなぁ・・と思われる人も出てきそうで何となく嫌だ。話自体は高校出て居場所をこさえに自衛隊入って2年で辞めて仕事点々としてメッセンジャーをしてる青年の心の襞をしつこいぐらいにネチネチと描いた話。今の非正規の若者の心情を端的に表してるという意味では巧い・・とは思う。でもこれを本棚に入れたい・・とは絶対思わない。今の若者を色眼鏡で見てる感じがまず嫌。まああたしも底辺のソフト会社とかいたから正規でない非正規の苦労は知ってるけど それでもやっぱり違和感がある。こういう現実もあるだろうな・・とは思うがこれが時代を象徴してるとかキレ易い若者みたいに描かれてるのは不快だ。まあ直木の方が幾分マシだけど それとて買いたい作品は無い。図書館で借りてきた杉本秀太郎文粋2も読んでるのだけどこれは1997年に出た全集のうちで 収められてるのが87年とか79年とか92年とかだが こっちの方が何倍も面白い。純文学とエッセイを比べるのは無理があるとしても こちらは古書でも4600円とかするが買いたい本・・てか実は買ったんだが 本棚のどこかにはあるのだが前後に入れてるのがあって見つからないんで 安直に借りたんだがw
賞をとったものが全て面白い・・というか欲しくなる物では無いし 受賞作は図書館の長い待ち行列に並ばざる得ないので お金に余裕がある方や文学好きの方は買えばいいと思うがあたしは いらない。感想としてはよく描けてるけど だから何?だ。
賞をとったものが全て面白い・・というか欲しくなる物では無いし 受賞作は図書館の長い待ち行列に並ばざる得ないので お金に余裕がある方や文学好きの方は買えばいいと思うがあたしは いらない。感想としてはよく描けてるけど だから何?だ。