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京都:未完の産業都市のゆくえ

2023-12-25 20:44:29 | メンタルヘルス
有賀 健著 新潮社刊 2023年初版 288P 1925円
久々に新本を買おうか・・と思わせた本。今年の9/15に出た本なので まだ3か月なんで古本が高いのはやむないが メルカリですら1200円ぐらいからで 出てるがすぐ売れちゃう。毎度のごとくまずは図書館で 1か月近く待って手元に来た。著者の有賀さんて 尼崎の人だし京大だから安全パイと思ったが 専門が応用経済学・・と言うところとサブタイトルの未完の産業都市・・というところがひっかかる。が 面白いのよ。始めの方は経済地理やら京都の町と社会・町の変容と人口移動・・なんて 近代の京都の町の推移が紹介されてこれまでのコアな京都人の書いた本には無い分野なので面白い。後半を読み進めていくうちに なんでこんなサブタイトルがついてるのかがわかった。要は京都の産業都市として改造論なのだ。amazonのレビューに有賀さん自身がコメントしてたり高校の同級生がコメントしてるのも異質。読み終えて経済学者からみるこれからの京都を産業都市として再生するならこう・・というのはわからなくもない。まずは2本の地下鉄がほぼ機能してなくメインの交通が市バスだけの現状をなんとかしないと・・もわかる。特に洛中は区画整理をして道幅を広げ残す町家は移転させ 大深度地下鉄を増やして・・と 経済効率だけ考えたら王道の正論。地元はみんなわかってるが選ばないだけだ。京都で学生時代をおくり友禅の職人目指してたあたしから見ると京友禅て衰退産業なのもよくわかる。この業界職人になれても先はかなり厳しいものになるだろうな・・というのがわかってくると悩んだが次にやりたかったコンピュータの世界に転身した。洛中にいたかったがソフトの仕事は市内になくて仕方なく東京に出た。京都は無理に産業都市にしなくていい。田舎でいいじゃん観光でいいじゃん。移転を伴う車道拡幅 町家を観光資源として移設集中させて・・まで来るともう頭おかしいでしょ。都心部にオフィスいらんしビル建ててもスーツ着て働く産業は育たない。なんでも効率化すればいいのか?京都は住んでみないとわからん。近くの昔から個人商店でお買い物して 地元の都人と馴染みながら暮らしていくのが 京都の正しいあり方だ。産業都市としてなんとかしたいなら 京都駅以南でなんとかすればいい。経済学者の京都て数値優先でしかないのね・・とがっかり。みんながミニ東京にならなくていいでしょ?と言うのがあたしの感想だ。もう働けない体になったので京都に戻ろうとしてるが 観光地は大渋滞するけど暮らす京都なら昔からの商店街や公設市場があるから あかんわ・・でも かんにんしてや・・で終わっちゃう。都人も産業都市になろうとは思ってないだろうから今のままでいいと思う。本書?多分買わないだろう。
コメント
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