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今日は金物のお話・・・

2006年05月02日 | 注文住宅 トピックス

皆さんはメーカーや工務店の「構造見学会」へ行かれた経験がありますか?



既に完成しているモデルハウスや完成現場では見ることのできない建築途中の
様子を見ることができるので、参考になることがとても多いです。

○構造躯体の様子
○床下の様子(基礎の様子)
○屋根裏の様子
○断熱材が施工されている様子
○現場が汚れていないか?      ・・・などなど

今日は、この「構造見学会」へ行くと見ることができる『建築金物』について
少し触れてみたいと思います。

地震に強い家をつくるには、「壁を強くする=耐力壁を増やす」ことが大切
ですが、いくら壁が強くても柱自体が簡単に引き抜かれてしまってはその力を
発揮することはできません。
とくに、強い耐力壁ほど地震で大きな力がかかり柱が引き抜けやすくなります
ので、そのため、柱と柱の接合部分を強くするために『建築金物』が用いられ
ます。


↑建物内部にはいろんな金物が使われています


主な『建築金物』の施工例をいくつか挙げると、

↓これは「ホールダウン金物」といいます

ホールダウン金物とは、建築物の構造躯体を基礎にしっかり固定するための
接合金物で、建物を支える基礎から土台や柱が抜けないように柱と土台を緊結
するための特別なボルトです。
基本的には建物の四隅など、特に重要な部分に使用します。


↓これは「羽子板ボルト」といいます

名前の通り形が遊具の「羽子板」と似ているのでそう呼ばれています。
柱と梁を強固に結合するために使われていますが、昔はそれこそ大工さんが
ノミ一丁で複雑な溝を掘り結合していました。


↓これは「筋交いボックス」といいます

筋交いとは、柱と柱の間に斜めに渡す補強材のことで、木造軸組構造では台風や
地震などの横から建物にかかる力に耐え、軸組の変形を防ぐために対角線方向に
この筋交いを入れます。
木造2階建の建物の場合、今巷で騒がれている「構造計算」が不要な代わりに、
この筋交いの入った壁(耐力壁といいます)の配置がとても重要となります。
その筋交いも、万が一大きな地震が起こって建物に大きな力がかかった際、
簡単に外れてしまってその役目を果たせませんので、こういった金物でしっかり
固定してやります。

しかし!この『建築金物』も闇雲にたくさん使えば建物がより頑丈に
なる・・・ということでは決してありません。

金物はボルトやビスなどで固定されますが、ボルトやビスで固定すると当然材料
(柱や梁など)には「穴」が開きます。たくさん金物を取り付けた穴だらけの
材料と全く穴の開いていない材料、どちらの材料が強いと思いますか?
もちろん、穴の開いていない材料ですよね。
そのため、この『建築金物』は必要な場所に必要な個数をきちんと使用する
ことがとても重要なのです。

では、具体的にこの金物の選定のために行うのが「N値計算」と呼ばれている
もので、柱にかかる引き抜き力を計算した上で、建物が地震に耐えるために
必要な金物の位置や数・種類を計算します。
(具体的な内容は少々難しくなってしまうので、ここでは省略しますが・・・)


今回は建築金物のお話をしましたが、もし今度「構造見学会」へ行かれる機会
がありましたら、そこの営業マンに

「随分たくさん金物を使っていますね・・・?」

と質問してみてください。

「うちはとにかく金物をたくさん使って建物を頑丈に仕上げています!」

という答えが返ってくるか、

「確かにたくさん使っておりますが、この金物も必要な箇所に必要な数だけ
きちんと使ってやらないと、逆に建物が弱くなってしまうんですよ!
なぜなら・・・(以下省略)」

という丁寧な答えが返ってくるかで、その会社の「質」の違いが確認できる
かもしれませんよ!

ということで、今日はこの辺で。。。


木村でした

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