ハレ時々オンデマンドTV

オンデマンドTVの感想やら日々の見聞録

さようならYS-11

2006-10-01 14:05:03 | Weblog
昨日(9月30日)、YS-11が国内線から姿を消した。
北海道にいた頃、出張で一度だけ
札幌(丘珠)-女満別便に乗ったことがある。

ジェット機のように強引な急角度で上昇するのではなく
まさにフワっと浮くようなソフトな離陸は
いつまでも地上が小さくならず、ハラハラする一方で
まるで遊覧飛行をしているような楽しさがあった。
やっと規定高度に達して水平飛行に移ったとき
エンジン音がぐんと低くなり、機内に緊張が走った。
すかさず
「水平飛行に移ったため回転を下げました。故障ではありません」
というアナウンスが入り、皆ほっとして苦笑したのを覚えている。

往時は旅客機にも1機ごとに名前がつけられていた。
写真の童友社の模型は「オリンピア号」。
(自分の乗ったYS-11に名前があったかどうかは記憶に無い)
日本で独自に開発された最初の(結果的に最後の)旅客機という
思い入れが、誰の心にもあるからこそニュースでも取り上げられるのだろう。

現在の経済環境から考えて、
日本が再び独自に旅客機を開発することはありえないし
旅客機に限らず
経済効率を度外視してまで何かを成し遂げようとするパワーが
今の日本には無くなっているような気がする。
(もちろん、一攫千金を狙うベンチャー系の活動とは次元の違う話)

YS-11は
モノづくりにまだ人間臭さが残っていた時代の傑作なのだ。

コメント
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