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西脇順三郎 旅人かへらず

2008-01-03 23:16:42 | 

西脇順三郎 『旅人かへらず』

自分が「現代詩(近代詩?)」なるものに触れたのは
予備校で使われた教材で
西脇順三郎の『あむばるわりあ』からの引用を読んだのがきっかけだった。

この『旅人かへらず』は日本で出された第二詩集で
1947(昭和22)年、彼が53歳のときに出版されたもの。
題名をつけずに短い語句を連ねた(長いものもある)作風は
詩というよりは俳諧に近い印象があった。

同じ英国留学の経験があるからというわけでもないが
漱石の「草枕」や「一夜」の世界に通ずるものがある。
西洋の文芸に深い造詣がありながら
その奥底に東洋の文化の血が流れている、とでも言おうか。
(と思うところが素人の浅はかさ、だろうが・・・)

陳腐な言い方をすれば和魂洋才となってしまいそうだが
多分、書いている当人たちには
東西を区別する気などさらさら無く、
同じ人間として地球に存在しているのだと思う。

きわめてグローバルな、大きくて深い人間観がある。



西脇順三郎『旅人かへらず』(復刻版)恒文社版 
1978年刊行 定価2,500円(当時)

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追記:本日いつもお世話になっているICSさんから
   御節料理のおすそ分けをいただきました。感謝!





コメント (1)
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