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ギャヴァン・ブライアーズ 『タイタニック号の沈没』 

2008-01-05 01:47:18 | 音楽
ギャヴァン・ブライアーズ 『タイタニック号の沈没』

途切れていた「オブスキュア・レーベル」の続きを・・・

タイタニック号の沈没事故のとき
船尾にいたバンドが
演奏を続けながら、沈む船と
運命をともにしたというエピソードに基く。

また
「一度鳴った音は決して消えないし」
「水という音に有効な媒体の中では音はより有効に保持され、
 水と大気の接点における『天井』効果によって
 ある程度密封されることになる」(日本版解説より)
ということで、つまり
沈んだときの演奏が
そのまま船の中に密閉されて残っている・・・
・・・それを再現した演奏、ということらしい。

テープと弦楽、声の合奏で
印象はBイーノの『ディスクリート・ミュージック』に近く
単純なフレーズが、間延びしながら曲想を変えていく
という手法に近い。

裏面はテープによる浮浪者の歌のループに
弦楽の単調な演奏をカブらせるという作品で
こちらも同じフレーズがゆらぎながら
姿を少しずつ変えていく、というもの。


テープのループを使ったミニマル的な実験音楽ということか。
実験音楽といっても難解さや過激さとは無縁で
遠くから風に乗って、切れ切れに
何か心地よい音楽が聞こえてくる、といった印象。

春先の天気の良い午後に
草原に寝転んで風に流される雲を
じーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっと
見ている、という感じかな。


ギャバン・ブライアーズは70~80年頃の
Bイーノの主要なパートナーのひとりで
このオブスキュアシリーズや他のレコードでも
よく登場する。

その他、デレック・ベイリー、マイケル・ナイマンらが
演奏に加わっている。

ジャケットの裏面には「obscure 1」と表記されている。



GAVIN BRYARS/THE SINKING OF THE TITANIC 1975 EG Records Ltd.
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