ハレ時々オンデマンドTV

オンデマンドTVの感想やら日々の見聞録

こうの史代 さんさん録

2008-06-17 22:31:11 | 
こうの史代 さんさん録



「妻に先立たれた男、参平に遺された一冊の分厚いノート。
 それは妻、おつうが記した生活レシピ満載の
 『奥田家の記録』だった。
 主夫として第二の人生をスタートさせた
 さんさんの未来は、ほろ苦くも面白い。」

とはカバーに書かれた紹介文なのだが
ここを読んだだけでも「ジジイ」は
ウルウルしてきそうなのだ。

で、読んでみるとこれが
予想以上に面白く、おかしくて
「ジジイ」心をくすぐる仕掛けがあって
やめられなくなるのである。

ま、あとがきを読むとその辺の種明かしがあったり
肩透かしを食ったような気になるのだが
逆に言えば、完璧に一本とられたことがわかる。

これを描いていたのが2004年~05年頃で
彼女は30代半ばだから
女というのは恐ろしい。

彼女自身は「一番自信のない作品」と謙遜しているけれど
いやいや「苦手のじじい」から見ても
間違いなく「傑作」だな、これは。


こうの史代『さんさん録』1・2 双葉社 各724円+税

これも横浜駅地下街の丸善で購入。

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こうの史代 こっこさん

2008-06-17 01:29:50 | 
こうの史代 『こっこさん』




設定年代不詳、微妙に昭和の味わいがあっていい感じの作風。

人間誰しも(じゃないかもしれないけれど)
生まれ育った町や時代の風景が原体験として
残っているのではないかと思う。

自分が子どもだった頃育った町(時代)は
舗装道路さえまだ少なくて
砂利道や草っぱらがそこら中に当たり前にあり、
それが世界のすべてだった。

『こっこさん』の設定はそこまで古くはないのだけれど
(ゴミの分別してるしね)
そういう土に匂いや草の匂い
涼しげな風の肌触りを思い出させてくれるのだ。



もちろんそんなノスタルジーばかりが全てなのではなくて
普通の家族が
普通に淡々と(ニワトリは別だけど)生きる幸せというものを
きちんと、丁寧に描いているところが
じわっとしみ込んでくる。

『サザエさん』とか『チビ丸子ちゃん』とか
家族やら小学生やらを題材にした面白いマンガは
いくらでもあるのだろうが
こうの史代の独特の作風は
いずれにも負けない世界観を持っている。

好きになったから言うわけではないけれど
こういうマンガを皆で読めば
世の中もっと平和になるのではないか、と
思ったりもしてしまうのだが。。。


こうの史代 『こっこさん』  宙(おおぞら)出版    724円+税
横浜駅そば地下の丸善にて購入
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