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こうの史代『長い道』

2008-06-27 23:59:43 | 
こうの史代『長い道』



こうの作品の中に出てくる女性は皆
一様に、鈍い、とろい、地味、ノー天気・・・と
おおよそ今風の女性観(人間観)とはズレたところで
それでもちゃんと自分の道を歩いているところが
非常によいのである。

この作品だけでなく
彼女の描くマンガの中には
町中の小さな川にかかった橋の風景がよく出てくる。

いつも何気なく通り過ぎるその橋は
決して川に流されることなく
それでも川がなければ橋の意味もないことを
たまに立ち止まって流れを眺めては
確かめているようだ。




4コマでも短編でも、
彼女たちのノー天気なやさしさやユーモアが
この川と橋のように交錯して
町の風景になっている。

そこに気づけば
男たちはカイショーナシなんて
いわれずに済むのだろうに。

耳が痛いこって。



こうの史代『長い道』  双葉社刊 2007年9月23日第七刷 本体857円+税

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