2021-0217-man3874
万葉短歌3874 射ゆ鹿を3607
射ゆ鹿を 認ぐ川辺の にこ草の
身の若かへに さ寝し子らはも ○
3607 万葉短歌3874 ShuH573 2021-0217-man3874
□いゆししを つなぐかはへの にこぐさの
みのわかかへに さねしこらはも
○=作者未詳。
【編者注】第3部(3855-3889、三十五首)の第20首。男。左注に、「右歌一首」。
【訓注】射ゆ鹿(いゆしか=所射鹿)[「<ゆ>は受身の助動詞。<射ゆる>(連体形)が普通。終止形・・・は古格・・・」]。認ぐ(つなぐ=認)[<綱(つな)>と同根。足跡を辿って追い求める]。にこ草(にこぐさ=和草)[「柔草(にこぐさ)・・・共寝の床をにおわせとぃる・・・」]。身の若かへに(みのわかかへに=身若可倍尓)[「この身の若かった時分に」。<かへ>は<かきうへ>、若き上、つまり若い頃、と依拠本]。さ寝し子ら(さねしこら=佐宿之児等)。