2021-0218-man3876
万葉短歌3876 豊国の3608
豊国の 企救の池なる 菱の末を
摘むとや妹が み袖濡れけむ ○
3608 万葉短歌3876 ShuH580 2021-0218-man3876
□とよくにの きくのいけなる ひしのうれを
つむとやいもが みそでぬれけむ
○=作者未詳。
【編者注】第3部(3855-3889、三十五首)の第21首。男。題詞に、「豊前(とよのみちのくちの)国白水郎(あまの)歌一首」。第3875番歌は長歌(前段は男、後段は女の、一歌問答歌の形式。05-0892の貧窮問答歌に前例)。
【訓注】豊国(とよくに)[福岡県東部と大分県北部]。企救(きく=企玖)[「北九州市の瀬戸内海に面した旧郡名。今、北九州市門司・小倉北・小倉南区」。企救半島に名が残る。07-1393豊国之 聞之浜之(とよくにの きくのはまへの)、12-3130豊洲 聞浜松(とよくにの きくのはままつ)、など。池位置は未詳]。菱の末(ひしのうれ=菱之宇礼)[「<菱>は、・・・夏、白い花が咲き、菱形の堅い皮に覆われた果実を結ぶ。実は食用・・・。<末>は、・・・実を付けた葉間・・・」。07-1249浮沼池 菱採(うきぬのいけの ひしつむと)]。