ということなのかな。
イエーツが大偉業、という記事に、いまだコメントがついている。
少なくとも、イエーツの血統を見る限り、3歳時または4歳時に、クラシックまたは凱旋門賞、キングジョージ、ということではなくとも、マイル、ミドル系G1を勝っていれば、とっくに種牡馬になっていたのかもしれない。しかしながら、現役を続け、なおかつゴールドカップを4連覇しても、種牡馬としての評価は低い、ということであるならば、欧州では、少なくとも種牡馬については、長距離またはスプリント(1200mぐらいまでの勝ち馬)系タイプの馬に、需要はあまりない、といっても過言ではないのかも。
一方、日本ではそのような流れにはまだ完全にはなっていないものの、パート1競馬国という背景になったことを考えると、次第に欧州のような流れになりつつあるのかもしれない。
というのは、日本でも、サンデーサイレンスの出現後、特定種牡馬に200頭を超える種付けが行なわれることが通例となってきたから。200頭を超える、といったケースは、かつてならば、セイユウ(性友、といった言われ方をされたこともある)とかタガミホマレとかいった、アングロアラブの世界でしかあまり聞いたことがなかった。
さらにいえば、アングロアラブの世界では、中央の活躍馬は、繁殖分野では評価が低かった。中央のアラブで評価が高かったのは結果的に、セイユウあたりまでだったといえるかも。逆に、地方における活躍馬は評価が高いという、サラブレッドとは正反対の話になっていた。
だからなのかな?中央がアラブをやめた、っていうのは。中央の馬が評価が低く、地方のほうが高い、ということになると、中央側からすれば、かなり都合が悪い話。しかもアラブについては血統評価も難しいので、当時中央競馬が掲げていた、「国際化」という話の流れに向かなかったのだろう。しかしながら、アングロアラブの場合、サラとは違って、「外れ」が少なかった。つまり、強い親から、強い仔が生まれるケースは結構あった。
その一方で、障害については、地方では既に全廃されていたが、中央では残した。少なくとも、障害については、繁殖として期待されている向きは考えられない。フジノオーもグランドマーチスもその功績が讃えられて種牡馬となったものの、結局「失敗」している。大橋巨泉さんは、競馬解体新書という本において、レースに危険が伴うし、ブリーダーとしても向かない障害は全廃しろ!と訴えていたが、却下されている。しかしながら障害については、日本だけでなく、欧州でもやっているから存続させる価値があった、ということなのだろう。
ところで、特にイギリスとフランスについては、障害のほうが平地よりも人気が高いと言われる。グランドナショナルに期待しているファンは、ダービーのそれよりも高い、といまだ言われているほど。したがって、長距離平地レースで実績を挙げた馬については、障害馬専用種牡馬としての価値はある、と言われている。
ところが、イエーツのような実績を挙げた馬が、障害用種牡馬程度の扱いであるのは勿体無い、ということになるんだろうな。もっとも、200年の伝統を誇るゴールドカップを4連覇したことを考えると、平地種牡馬としての価値も再認識されるのかも。