民主党がマニフェストを発表
http://www.dpj.or.jp/special/manifesto2009/pdf/manifesto_2009.pdf
自民党が手をつけてこなかった部分が盛り込まれている、ということは、いわゆる、中・低所得者層対策が曲がりなりにもふんだんに盛り込まれているのに対し、高速道路の原則無料化や、国会議員の削減といった、「危ない」施策もところどころに盛り込まれている。
ま、公約の冒頭に掲げている、特別会計のゼロベース見直しについては、仮に政権を取った暁には、早速実行してもらいたい。
あと、歳入庁の創設という点も面白い。もっとも、これはすぐには実現は難しいだろうが、「4年間」を見据えてのことであれば、じっくり腰をすえて実行に踏み切ってもらいたいもの。郵政事業の見直しについては、国民新党、社民党との連携は欠かせない。民主党だけの論理を押し通そうとすると、必ず失敗に終わることだろう。
中小企業減税を最初から盛り込んでいるのも面白い。自民党の場合はまず、大企業ありきだったから。最低賃金引き上げ(平均1000円)や、農業の個別補償政策については、共産党も同じく掲げていることだから、共産党が政権に入らないとはいえ、後期高齢者医療制度や障がい者自立支援法の廃止も含めて、共産党の意見も取り入れて取り組むべきだろうな。
とりわけ、公明党が「ばら撒きの最たるもの」と吼えまくっている、子供手当の創設だが、高額所得者に有利と言われる、配偶者控除の廃止とセットで盛り込めば意外と問題はないかも。
一方、高速道路の原則無料化だが、これはやめたほうがいい。
むろん、高速道路料金の値下げは行うべき(とはいっても、自公政権下のETC限定1000円なんてものは愚の骨頂)だろうが、何せ、これまで高速道路建設のためにつぎこんだ膨大な借金の返済のことを考えると、まずはそれを返済するのが筋。それと、高速道路を無料化することは、鉄道や船舶といった交通機関の減退を一層招きかねず、それこそ、今のアメリカみたく、クルマがなければどうにもならないといった社会になりかねない。欧州では逆に、鉄道が復活の兆しを見せていることを考えると、バランスを取った施策が求められよう。
また、霞ヶ関の解体を謳っているが、だとしたら国会議員の役割は一層大きくなるわけで、にもかかわらず、議員定数を削減するというのは問題がある。人口10万人あたりの国会議員定数率は、先進諸国の中では、日本はアメリカについで低い。官僚支配からの脱却を目指す民主党が掲げる公約とはおよそいえまい。むしろ、衆議院は現在480だが、500にしても別にかまわないのでは。
ま、外交については性急を求めていないな。これは評価できるかも。